Qの読書な日々

大好きな本と、毛糸に囲まれる日々の独り言

下町ロケット

2011年07月31日 | 現代小説
下町ロケット
池井戸 潤
小学館

7月31日(日)

夏休みの週末だっていうのに、天気が悪くて残念ですね。私は涼しくて読書日よりでした。

昨夜、予定通りビール片手にベビースターをポリポリ食べつつ、「下町ロケット」読みました!面白かったんで、ちょっと夜更かし、ノンストップ。

ロケット工学の研究者として日本のロケット製作に携わっていた佃。発射失敗の責任を取り、一線を退き父の会社を継ぐことに。7年後、再びその夢を実現するチャンスがやってくる。

ん~、直木賞にふさわしいのかはよく分からないけど、面白いですよ。最後もおそらくハッピーエンドだろうと思いつつも、「頑張れ!」と応援したくなります。

日本のモノ作り、中小企業の現実、「夢」か「生活」か、といった働く人なら誰でも考えるようなテーマが盛りだくさん。佃社長はかつて研究者だったわけだし、今も優良企業の社長なんだから結構エリートなんだけど、社員にあれこれ言われちゃうし、娘は口きいてくれないしで実に親しみのわくキャラ。でもってバッタバッタと悪(大企業)を斬っていっちゃう等身大ヒーローなのです。

震災後の今じゃなきゃ賞を取らなかったかもしれないけど、こういうスカッと爽快でストレートな作品に元気をもらうのもいいだろう。


新版 指輪物語〈2〉旅の仲間 上2

2011年07月30日 | 小説(海外)
新版 指輪物語〈2〉旅の仲間 上2 (評論社文庫)
J.R.R.トールキン
評論社

7月30日(土)

「此処ではない何処か」に思いをはせるには夏休みはいい。(正確には私は夏休みじゃないけど・・・)

今日は天気も悪いので、グデグデとしつつ、こころは中つ国へと旅をしていた。ただ今3巻に突入。

が、嬉しいことに予約していた「蛙鳴」が入荷、「下町ロケット」も出回ってきたので購入。

今夜はビール片手に直木賞を堪能しよう!


指輪物語 パート1

2011年07月27日 | 小説(海外)
新版 指輪物語〈1〉旅の仲間 上1 (評論社文庫)
J.R.R.トルーキン
評論社

7月27日(水)

夜になっても湿度が高い・・・すみません、クーラーつけちゃいました。

さて、夏の課題図書「指輪物語」第一部 旅の仲間、読み終わりました!

まずはフロドが旅に出るまでで一冊終わっちゃった。先は長いので、取り急ぎ報告のみで。


夏の庭―The Friends (新潮文庫)

2011年07月25日 | 現代小説
夏の庭―The Friends (新潮文庫)
湯本香樹実
新潮社

7月25日(月)

再び熱い日差しが戻ってまいりました。そんな夏の日には、こんな児童文学がぴったりかなと購入しておいた一冊。

小学校6年生の3人組が町外れに住むひとりの老人を「観察」し始める。生きる死かばねのようなおじいさんの死を、この目で見てみたいという好奇心からだ。ところが、見られていることに気づいたおじいさんの生活が変わっていき、いつしか3人とおじいさんの不思議な交流が始まる。

ストーリー展開は、裏切ることなく、教科書どおりに話は進みます。で、最後はもうお決まりでしょと、その通りでした。でも!やっぱりちょっと泣けたわ。いい話しすぎる。

「ぼく」の二人の友達がとてもよい。お父さんがいない河辺、死んでしまったお父さんの職業が消防士だったり、探偵だったり、花火師だったり、くるくる変わる。河辺、お前はいったい何を抱えてるんだ?

家業が魚屋の山下。包丁も研げるし、アジも三枚におろせる。お母さんは魚屋なんてやめなさいと言うけれど、お父さんの仕事を継ぎたいなんて、ちょっとくらい勉強が出来なくても超カッコイイ。

ぼくはぼくで、お父さんは仕事が忙しく、家族三人で食卓を囲むことはない。

とまあ、こんな三人がおじいさんとの交流で、少し、いやいやうーんと成長します。

最近こういうもん読むのは、子どもがおるからだろうねぇ。子どもの目線は今どこにあるんだろう?と。(既に有名な作品ですので課題図書にもなっていると思いますが)夏休みの宿題が読書感想文なら、この作品なら間違いなくいい感想文が書けるだろうなぁ。


犯罪

2011年07月23日 | ミステリ(海外)
犯罪
フェルディナント・フォン・シーラッハ
東京創元社

7月22日(金)

嘘みたいに涼しい一日でした。ハリーポッターを観ていたので、遅くなってしまった。

今日の一冊は、池上冬樹さんのレビューサイトでベタ褒めだったので、購入してみたドイツの方の作品です。この装丁が素晴らしい。読み終わって改めてみると、ちょっと異様な二つの顔が、お互いを見ているようなすれ違ってるような、この作品そのもののような気がいたします。

作者ご自身が、現役の弁護士。実体験をもとに書かれた11の犯罪。うーん、こんなの初めてですわ。淡々として簡潔で、異様で、でも温かさがあるというか、深いですねぇ。たしかにこれまでにはないタイプの作品です。

妻を一生愛し続けると誓った「フェーナー氏」長年街の人に親しまれた医者が老年を迎えて起こす犯罪。ゆがんだ兄弟愛の「チェロ」。国をなくし、全てを失った二人が出会った「幸運」。博物館で棘のささった彫像をみて、人生が狂っていく男「棘」。最後はほのかな希望を感じさせてくれる「エチオピアの男」。など11編。

200ページくらいしかなくて、つまり1話20ページ程度という簡潔さ。昨日までごくごくフツーに生きていた人が、一瞬にして犯罪者に変わる、その一瞬の狂気。あるいは恵まれない人生を歩んできて、やむを得ず手を出した犯罪。このページ数でこれだけ重厚な短編はたしかにスゴイ。