Qの読書な日々

大好きな本と、毛糸に囲まれる日々の独り言

特捜部Q

2012年09月30日 | ミステリ(海外)

9月30日(日)

夕方からの雨が激しくなってきました。

今日は台風が来るというので、一日家の中でゴロゴロ読書。

昨日借りてきた「特捜部Q」、今、読み終わりました。

特捜部Q ―檻の中の女― (ハヤカワ・ポケット・ミステリ 1848)
吉田奈保子
早川書房

こちらは舞台がデンマーク。最近流行の北欧サスペンスです。

殺人事件の現場で、一人の同僚を亡くし、もう一人は寝たきりに。ひとり無事だったカールはデンマーク警察始まって以来の有能な刑事でありながら、心の傷を癒せないでいた。

いわゆる迷宮入りの事件を扱う部署を開設し、まかされることになったカール。

美人で有能な政治家のミレーデが5年前、舟の上で突然消息を絶った事件に着手する。

サブタイトルが「檻の中の女」ですから、監禁されるというのは容易に読み取れますが、

監禁されたときと、現代が近づいていくことに緊迫感が。

なんでまたこんなにむごい事に??が分かったときの「おーーー!」

ということで、非常に面白いです。

カールの相棒(?)のアサドはシリア人らしいけれど、憎めないいいキャラで、この人の謎も作品に華を添えてますねえ。

いつか明らかになるときが来るのでしょうか。

日本では3作目まで翻訳されていますので、さっそく図書館に予約を入れました!楽しみ、楽しみ

 


パンク

2012年09月27日 | 日記

9月27日(木)

祝!ブログ開設2年でございます。自分よ、おめでとう

そしてめでたくないことに、昨夜車がパンク

まったくめでたくない。駆け込んだガソリンスタンドは閉店直後。

なんとかお兄ちゃんがやってくれることになったけど、結局、タイヤを取り替えて、1万5千円也。

運転テクニックおさらいBOOK
和泉自動車教習所,和泉自動車教習所
永岡書店

こういう本を買って、今一度、おさらいしないといけない気分・・・

 


ソロモンの偽証 第II部 決意

2012年09月24日 | 現代小説

9月24日(月)

ソロモンの偽証 第II部 決意
宮部 みゆき
新潮社

こんな中学生いるんですかねえ。とにかくみんなスゴイですよ。

第二部はクラス委員の藤崎涼子ちゃんが、卒業制作には柏木君の事件について取上げようと提案した所から始まり、学校内裁判という形にすることが決まり、実際に法廷が開かれるまでの15日間。

事件が次々に起こる第一部のようなスリリングさはありませんが、証拠を探し、クラスメイトや関係者の気持ちを丁寧に聞きだしていく検事と弁護人。こんな中学生いないだろ!とツッコミたくはなりますが、二人とも素晴らしい洞察力。

なにより、やっぱり宮部節といいますが、キャラが愛おしくなってきてしまうんですねえ。いつのまにか応援しちゃってます。陪審員長になった竹田君なんて、700ページのなかのほんの数ページしか登場しませんが、とんでもなくいいキャラです。

他校の生徒でありながら弁護人をひきうけた神原君、神原君と事の発端である柏木君をつないでいた塾、その塾の先生。このあたりがどうも柏木君の死に関係していると匂わせつつ、第三部までおあずけです。発売まで2週間待たねばなりません。

タイトルが「ソロモンの偽証」ですからね、「賢明な人の優しいウソ」ってことなんでしょうか。


古道具 中野商店

2012年09月19日 | 現代小説

9月19日(水)

今年の秋はポール・オースターを読もうと思っていたのですが、

息子の担任で国語のK先生のお勧めで、川上弘美強化月間になってます。

古道具 中野商店 (新潮文庫)
川上 弘美
新潮社

ということで、中野商店を文庫で購入し再読。

この世とあの世的な世界がとっても上手な川上さんですが、このお話は「この世」100%。

この世だけでも、十分すばらしいですねえ。

登場人物が情けないフツーの人ばっかり。女癖が悪い店主の中野さん、中野さんの姉マサヨさん、中野さんの店で働く私がヒトミで、もう一人のバイトのタケオ。

年代に応じた、様々な恋愛模様がお話の軸なんだとおもいますが、私は特にマサヨさんがお気に入り。

ヒトミちゃんとタケオ君の恋のような、そうでもないような関係もよろしい。

実際に中野さんのような男に引っかかったら散々だと思いますが、なんとも憎めなくてよろし。

優しさなんてつきなみな言葉しか思い浮かばないのが情けないですが、すべての人に優しい、読み終わってとても心地よい作品でした。

 

 


天使のゲーム

2012年09月18日 | 小説(海外)

9月18日(火)

3連休は読書三昧でした

まずは「天使のゲーム」上下巻。

天使のゲーム (上) (集英社文庫)
木村 裕美
集英社

「風の影」から待つこと6年。長かったよ。待った、待った甲斐があった。

第二弾ということですが、風の影より30年くらい前のおはなしです。

共通するのは「忘れられた本の墓場」と、「センペーロと息子書店」。

本好きの田ダビッドは父をなくし天涯孤独に。もぐりこんだ新聞社の雑用から、短編を書くチャンスに恵まれ、やがては作家に。

憧れていた”塔の館”に移り住み、本格的な執筆を始めると、ある日、高額な報酬で「宗教を書く」という依頼が舞い込む。

引き受けた途端にダビッドのまわりでは不思議な事が起こり始める。

天使のゲーム (下) (集英社文庫)
木村 裕美
集英社

途中までは非常にサスペンス色が濃く、謎の仕掛け方は素晴らしい。

ラストに向かうにつれ、これはファンタジーだったかと???なことが多くて、不完全燃焼な部分があります。

途中あまりに面白くて、一気に読んだので、私の「読み」が浅いのでしょうが、

例えば、主人(パトロン)の依頼がなぜ「宗教」なのか、それに対してダビッドはどこまで書けたのか。これほどの悲劇を生む内容だったのか、etc.

「あとがき」を読むと、本の墓場シリーズは全部で4部作になるとのこと。このあたりのプロットがおそらく次回作につながっていく事を期待します。

それにしても、「わすれられた本の墓場」と「センペーロと息子書店」は本好きにはたまらない場所。センペーロさんとその息子のキャラも最高!

もうスペイン語圏では3作目が出版されているとの事、翻訳が待ち遠しい。