8月31日(金)
今日で夏休み終わりなんですねえ。毎日暑いので、気がつきませんでしたよ。
さて、今日は健康診断。こまぎれの待ち時間でしたが、たんまり読書出来ました。
最近、気になっていた本が次々に文庫化していて、思わず購入。
どこから行っても遠い町 (新潮文庫) | |
川上 弘美 | |
新潮社 |
そのなかの一冊。川上弘美さん。
以前図書館で借りて読んだんですが、全然覚えてない話もあったなあ。11話の連作短編集です。
真ん中くらいの「長い夜の紅茶」に登場する熱血嫌いの主婦都「時江」さんと、義母の「弥生」さんはいいですよ~。
息子の嫁に浮気しろと言わんばかりに「あんまり強いんで剣も抜かず人も殺さずの剣豪みたい」とは。
その次の「四度目の浪花節」がけっこう好き。
ぶどう屋という小料理屋のおかみさん央子(なかこ)と板前の廉ちゃんは、実はくっついたり離れたりを三度繰り返している。
15歳年上の央子さんとの4度目の正直があるのか?っていうところで終わっちゃうのでわかりませんが、廉ちゃんというキャラが川上さんにしては真っ直ぐで応援したくなる。
川上さんのお話には「死」が自然にある。最初と最後をかざる「魚春」のお話は特にそう。
ホラーとか、おばけが描かれるっていうんじゃなく、すごく自然にとなりにある(いる)ような。
キャラがね、いいんですよ。みんなすごく人間なんです。
決して面白かった!という一冊ではないのですが、秋の夜長とか、冬のコタツとかで手に取りたくなる、そんな感じかな。
ちなみに他に購入したのは「床屋さんへちょっと」山本幸久、「悪の経典」貴志佑介。
秋の夜長は読書に限る。