囲いワナの成果がイマイチとの記事。
そう言えば、またしてもエゾシカゼミナールのネタですが、阿寒の公園(だったかな?)で囲いワナをして成果をあげているという放送があったような気がします。
ただ、印象的だったのは、餌付けをするという話でした。
複数年かけて、よく現れるポイントで餌付けをして、餌場の価値をあげてから一網打尽、というような内容だったからです。
インタビューされていた方が、「根こそぎ退治するのではなく、「共生」をめざしている」と話されていたこと、大切な気づきだと感じました。
このあたりにヒントがあるのかもしれませんね。
~ 転載 ~
奥日光・日光国立公園のシカの食害を防ごうと、栃木県や日光市が中禅寺湖千手ヶ浜周辺で行っている「囲いワナ」によるシカの捕獲が曲がり角を迎えている。
これまでの捕獲数はわずか10頭と、目標の大量捕獲にはほど遠い。ワナの構造上の問題や警戒心の強いシカがワナを避けていることなどが原因とされる。
奥日光一体を覆っていたササのほか、アヤメやツツジが激減するなどの食害の影響は深刻で、関係者は抜本的な捕獲方法の改善を迫られている。
奥日光のシカは草花や木の実などをエサに、春~秋に奥日光で過ごし、冬は足尾で越冬する。一方、ラムサール条約登録湿地の戦場ヶ原などの貴重な植生は、進入防止柵を設置した効果で一部が回復しているが、人の背丈ほどあったササは、20年前と比べて激減するなど、食害が残ったままだ。
このため県は2008年から宇都宮大らと協力し、3月末から5月にかけて足尾から奥日光に入るシカの一斉捕獲を始めた。囲いワナは、移動ルート上に両翼約170メートル、高さ2メートルのネットを張り、岩塩などのエサで幅32メートルのアルミ柵におびき寄せる仕組みだ。
08年は捕獲ゼロで、昨年は7頭、今年は3頭。この間ネットの延長や、柵に入ったシカがロープに触れると自動的にゲートが閉じる工夫を凝らすなどしたが、個体数減には至っていない。
捕獲にかかわった宇都宮大農学部の小金沢正昭教授は、ネットが壁のような役割を果たしてしまい、警戒心の強いシカが山側の斜面に迂回(うかい)する構造上の問題を指摘。さらにシカの季節移動を前提にした計画だが、ここ数年は降雪が少なく、移動頭数も減ったという。
シカの捕獲・駆除には県外の自治体でも頭を悩ませている。推定生息数が64万頭の北海道では、知床国立公園などで食害が著しく、囲いワナや狩猟許可頭数の緩和などの対策を行ってきた。しかし、温暖化やハンターの減少の影響で、年2万頭超の増加数に追いつけていない。
また、吉野熊野国立公園の大台ヶ原(奈良、三重県)や屋久島(鹿児島県)などの著名な景勝地でも、防護柵の設置や麻酔銃による捕獲を進めているが、顕著な効果を挙げられないのが現状だ。
ワナや気候変化などによって奥日光のシカの移動ルートが変わっている可能性もある。小金沢教授は、生態調査をやり直す必要もあるとした上で、「一斉捕獲を目標とせず、毎年少しずつ捕獲して、最終的に大量捕獲できるようにすることも考えなければ」と指摘する。県などは来年に向けて、捕獲策の抜本的な見直しも検討していく方針だ。
読売新聞
http://www.yomiuri.co.jp/science/news/20100806-OYT1T00434.htm
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そう言えば、またしてもエゾシカゼミナールのネタですが、阿寒の公園(だったかな?)で囲いワナをして成果をあげているという放送があったような気がします。
ただ、印象的だったのは、餌付けをするという話でした。
複数年かけて、よく現れるポイントで餌付けをして、餌場の価値をあげてから一網打尽、というような内容だったからです。
インタビューされていた方が、「根こそぎ退治するのではなく、「共生」をめざしている」と話されていたこと、大切な気づきだと感じました。
このあたりにヒントがあるのかもしれませんね。
~ 転載 ~
奥日光・日光国立公園のシカの食害を防ごうと、栃木県や日光市が中禅寺湖千手ヶ浜周辺で行っている「囲いワナ」によるシカの捕獲が曲がり角を迎えている。
これまでの捕獲数はわずか10頭と、目標の大量捕獲にはほど遠い。ワナの構造上の問題や警戒心の強いシカがワナを避けていることなどが原因とされる。
奥日光一体を覆っていたササのほか、アヤメやツツジが激減するなどの食害の影響は深刻で、関係者は抜本的な捕獲方法の改善を迫られている。
奥日光のシカは草花や木の実などをエサに、春~秋に奥日光で過ごし、冬は足尾で越冬する。一方、ラムサール条約登録湿地の戦場ヶ原などの貴重な植生は、進入防止柵を設置した効果で一部が回復しているが、人の背丈ほどあったササは、20年前と比べて激減するなど、食害が残ったままだ。
このため県は2008年から宇都宮大らと協力し、3月末から5月にかけて足尾から奥日光に入るシカの一斉捕獲を始めた。囲いワナは、移動ルート上に両翼約170メートル、高さ2メートルのネットを張り、岩塩などのエサで幅32メートルのアルミ柵におびき寄せる仕組みだ。
08年は捕獲ゼロで、昨年は7頭、今年は3頭。この間ネットの延長や、柵に入ったシカがロープに触れると自動的にゲートが閉じる工夫を凝らすなどしたが、個体数減には至っていない。
捕獲にかかわった宇都宮大農学部の小金沢正昭教授は、ネットが壁のような役割を果たしてしまい、警戒心の強いシカが山側の斜面に迂回(うかい)する構造上の問題を指摘。さらにシカの季節移動を前提にした計画だが、ここ数年は降雪が少なく、移動頭数も減ったという。
シカの捕獲・駆除には県外の自治体でも頭を悩ませている。推定生息数が64万頭の北海道では、知床国立公園などで食害が著しく、囲いワナや狩猟許可頭数の緩和などの対策を行ってきた。しかし、温暖化やハンターの減少の影響で、年2万頭超の増加数に追いつけていない。
また、吉野熊野国立公園の大台ヶ原(奈良、三重県)や屋久島(鹿児島県)などの著名な景勝地でも、防護柵の設置や麻酔銃による捕獲を進めているが、顕著な効果を挙げられないのが現状だ。
ワナや気候変化などによって奥日光のシカの移動ルートが変わっている可能性もある。小金沢教授は、生態調査をやり直す必要もあるとした上で、「一斉捕獲を目標とせず、毎年少しずつ捕獲して、最終的に大量捕獲できるようにすることも考えなければ」と指摘する。県などは来年に向けて、捕獲策の抜本的な見直しも検討していく方針だ。
読売新聞
http://www.yomiuri.co.jp/science/news/20100806-OYT1T00434.htm
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