のしてんてんハッピーアート

複雑な心模様も
静かに安らいで眺めてみれば
シンプルなエネルギーの流れだと分かる

塩谷 4

2009-07-26 | 小説 忍路(おしょろ)
 道から50センチは積み上がった雪の上に立つと、そこには古い足跡がその斜面をぶどう棚に沿いながら下っているのが見えた。雪はまだ深く私の足を奪い、ブーツの中にも構わず冷たいものが入り込んだ。  私は斜面をまっすぐに下って国道に出ようと思っていた。人家に出れば何かが聞けるかも知れない。ぶどう棚の杭を支えにして注意深く足を運んだ。雪の肌に全身を集中させなければ、吹きだまりに足を奪われて雪まみれになるの . . . 本文を読む
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