私は立ち止まり、彼女が入っていった店を見渡した。
通りに面して飴色の木の扉。やはり飴色がかったガラスがはまった窓が、通りに面してある。窓枠は今どき珍しい木製だ。窓のはめられたガラスも古い時代のものなのか、それともレトロ調に加工したものなのか、光の屈折具合が少しゆがんでいる。が、逆にそれがあたたかみのある感じで悪くない。
そのレトロな窓の下、イーゼルへ横長にキャンバスが立てかけられ、『we . . . 本文を読む
雪のサザンカ
先日の記事(イメージについて)のダブルイメージの原画を見つけました。どこにでもある風景ですね。
何の違和感もなく、私たちは雪にまみれたサザンカの花や扇形に刈りこまれた松の枝、そしてその奥にある白壁と瓦屋根。この見た通りの風景をイメージしますね。
ところがこの画像の左右を反転させて、重ねあわせると、
下のような画像になるのですが、全く別物のイメージとなっているのは誰 . . . 本文を読む
① 神隠し
私が初めてその店を訪れたのは、霙まじりの小雨がぱらつく寒い日だった。
急に退職した人の替わりに時季外れの転勤でこの町へ来て、暫く経った頃だった。
元々転勤の多い業種だ、勤め始めてはや十五年、今更転勤自体に戸惑いはない。
が。
職場に少し慣れ、町にも少し慣れた頃に私は大抵、精神状態がやや不安定になる。
最初の緊張が解け、新しい職場での仕事が日常にな . . . 本文を読む
ダブルイメージ
我が家の庭から見える、お隣のお庭。
その写真を左右重ねあわせて(合成)して見るとこんな風景が現れます。
当ブログでは、何度かこのダブルイメージの写真を紹介してきましたが、いつも意外な光景に驚かされますし、中心に現れる対称性の姿に神性を感じさせてくれます。
これは何なのかと考えてみました。
この写真の元の画像が見当りませんので(探すのめんどくさいし)あれですが、 . . . 本文を読む
2002年全興寺(第4回瞑想の絵画展)
全興寺での10年展の中でも、最も充実した展覧会となったのが2002年の第4回展でした。
この年、御住職は作品展示場所を寺全体に拡げてくれました。
中でも、本堂の祭壇の左右に作品を展示するように言われたのには驚きました。
作品を中央の祭壇の横にある仏様を安置した厨子の前に置けと言うのです。
加えて、同展では作品を野外にも展示いたしました。 . . . 本文を読む
全興寺(せんこうじ)涅槃堂
邂逅展 その後
で紹介しましたように、空気を描くという意識で描いた龍の絵が全興寺の御住職の気に入って頂けたのですが、そこに至るまでには御住職とのかれこれ20年にわたる対決がありました。(対決?勝手に思っているだけで私、手のひらの猿ですが)
その経過は↓でご覧いただけます。
全興寺瞑想の絵画10年展 (HPの管理が悪く::悪すぎ!ごめんなさい・・)
でも . . . 本文を読む
笑うバラたち
今日は笑いについて考えてみたいと思います。
というより、
面白い川柳ブログの紹介です(いきなりなんですか?)
一閃一刀 !
理屈抜き、面白いんですから、知ってて損はしません。笑いは百薬の長と言いますからね。で、どれくらい面白いか、それを実感していただくために、私が珍入したコメント欄のやりとり、まあ、読んでみてください。(長くなるので一部省略してます)
お題です--- . . . 本文を読む
日本初洋式船建造の地 伊東
一月最後の日、伊東に小旅行しました(日帰りが悲しい)
富士山もきれい、新幹線の窓から。
伊豆の海に流れ込む疎水に木造三階建ての温泉旅館(見てるだけ~)
正面に回ると
一見それと分かるエキゾチックなつらがまえ、(泊まりたかった^よ^~)
さてお目当ての記念館
木下杢太郎(もくたろう)は明治18年の生まれ、商家の末っ子。文芸と絵 . . . 本文を読む