のしてんてんハッピーアート

複雑な心模様も
静かに安らいで眺めてみれば
シンプルなエネルギーの流れだと分かる

小樽商科大学 1

2009-07-06 | 小説 忍路(おしょろ)
 次の朝8時に里依子から電話があって、40分にタクシーを拾って行くと伝えてきた。  今日は千歳から小樽までの間が、里依子と一緒にいられる唯一の時間となるだろう。それはここにやってくる時からわかっていたことで、里依子は小樽の親戚の家に、私は小樽の街を一人伊藤整の本を片手に歩き回る予定だった。  それは「若い詩人の肖像」という本で、詩人伊藤整の青春期をその詩情と共に描いた私小説だった。いい本だからと . . . 本文を読む
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