のしてんてんハッピーアート

複雑な心模様も
静かに安らいで眺めてみれば
シンプルなエネルギーの流れだと分かる

居酒屋 14

2009-07-03 | 小説 忍路(おしょろ)
やがて橋の上に出た。千歳川が雪解けの水を乗せて豊富な流れとなっているその上を私達は歩いた。春を待ちわびるもののために、一刻も早く冬の残り香を海に運んでしまおうとするかのように、その早い流れは私達を包む夜気とよく調和していた。  橋をわたるとすぐホテルの前に出た。それがあまりに突然であっけなかったために、私は少なからず失望を覚えた。もう1時間はこうして歩いていたかった。  里依子の寮はそれから . . . 本文を読む
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