のしてんてんハッピーアート

複雑な心模様も
静かに安らいで眺めてみれば
シンプルなエネルギーの流れだと分かる

居酒屋 13

2009-07-02 | 小説 忍路(おしょろ)
 11時ごろであっただろうか、ちょうど新たな一群がやって来て、入り口で立ち往生しているところだった。  里依子の一言で私達はそこを出た。外はすでにやって来た時の雨は上がっており、代わりにはく息が白く口から横に流れた。  「歩きましょう」  そう言って私達は所々に水溜りの出来た暗いアスファルトの路を歩き始めた。  私は居酒屋の太った男から解放されて、やっと二人きりになれたという安心感があって、随 . . . 本文を読む
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