同音異義語って難しい ～ 『性嗜好異常』と聞いて思ったこと ～

　社会的な大事件になっている某芸能事務所のニュースが連日報道されていますが、そのニュースの解説をテレビで観ていて、ふと違和感を覚える言葉に出会いました。それは、

　『性嗜好異常（せいしこういじょう）』

と言う言葉（単語）です。その文字をテレビで観た時に私の頭に浮かんだ疑問は、

　「その言葉って使っていいの。差別にならないの。」

と言うモノです。

　ここ数年、テレビ、ネット、書物、等で『性の多様性を認めよう・尊重しよう』と言うムーブメントが大きく報じられて、社会的にも認知されてきたので、今回の『性嗜好異常』と言う言葉に触れて、「性の多様性を認めようって言っているのに、異常なんて言葉を使ったら、その人を認めないことになるんじゃないの。世界の流れに逆行しているんじゃないの。」と素直に思いました。
　その後も『性嗜好異常』と言う言葉がワイドショーで使われ続けるので、「どうなってるの。」とずっと思っていました。

　そんな疑問が頭に沸いたのでネットを調べたところ、どうやら私は同音異義語の罠にはまっていたことが判りました。簡単に言うと私の勘違いですね。

　『せいしこう』と言う読み方の言葉を漢字にすると『性嗜好』だけでなく『性指向』と言う漢字も出てきます（正確な言葉としては性的嗜好と性的指向）。『性の多様性を認めよう・尊重しよう』と言うムーブメントに紐づけされる『性』と言うのは『性指向』の方ですね。『性嗜好』の方ではないみたいです。

　2つの『せいしこう』のそれぞれの意味は、
　『性嗜好（性的嗜好）』・・・　性的興奮を覚えるような好み。後天的に得られるもの。
　『性指向（性的指向）』・・・　同性または異性間で性愛を感じるパターン。先天的に備わっているもの。
だそうです。同じ『性』に関する言葉でも意味が全然違いますね。

　と言うことなので、ニュースで『性指向異常』と報じられていたのならば私は「その言葉って使っていいの。差別じゃないの。」と怒ってよかったみたいです。完全に性の多様性を否定する言葉ですからね。

　そこで問題になってくるのが『性嗜好異常』です。個人の性的に興奮する好みを他人が「異常だ。」と断言してよいものなのでしょうか。「性的な好みに関しても多様性を認めるべきではないのだろうか。」と考えてしまいました。

　そんなことを考えていた先日、職場でたまたまこのニュースの話題が出たので、同僚のYさん（27歳）とNさん（21歳）の2人と、この件について話をしました。議題は『性嗜好異常はなぜ許されないか』です。

　議論の結論から言うと『法律に触れるような性嗜好はダメ。許されない。」でした。

　簡単に言うと「ロリコンやショタコンの性的嗜好を実行すると法律に触れるからダメ。」と言う事です。まぁ、それを公表すること自体は問題ないと思うのですが（周りの人にドン引きされる可能性がありますが）、実行に移すと逮捕されるのでダメと言う事ですね。どこかの国で動物と交わって逮捕された人がいましたが、それも法律違反での逮捕ですからね。

　今回の某芸能事務所のドンは法律に触れることを行なってきたので、生きていたら逮捕されていたでしょうね。カトリック教会の多数の聖職者達がおこした未成年者に対する性的虐待事件と同じことを行なっていますからね。これを知っていたのに知らないふりをしていた周りの人間も同罪ですね。
　この事件の第三者委員会の発表を聞いて、以前映画館で観た『スポットライト 世紀のスクープ』と言う映画を観直したくなりました。日本でも週刊文春の記者達を主人公にした映画を作ればいいと思います。


　と言うことで、『性嗜好異常（せいしこういじょう）』と言う言葉の意味や使い方に関してはスッキリしましたが、性嗜好異常者の犯してきた犯罪に関しては未だにスッキリしていないのが現実です。

　ちなみに、『性嗜好異常』は治療で治るみたいなのですが、実行に移さないだけで異常な性癖を持っている人間はたくさんいると思うので、そんな人は誰に相談すればいいんですかね。私は自分の性嗜好は正常だと思って57年間生きてきましたが、医者の診察を受けたら異常と判断される可能性も０（ゼロ）ではないですからね。難しい問題ですね。

　余談ですが、漢字を使っている日本人でさえ同音異義語に頭を悩ませるのに、漢字を捨ててしまってハングルだけを使用している韓国の人は同音異義語の対策はどうしているんですかね。どう考えても大変だと思うのですが、何か対策でもあるんですかね。