実は、むかーし、まだ私が子どもだった頃、
祖父母の家が今のコンパルホールの場所にありました。
ありましたと言っても私の頭の中では場所は定かではありません。
両親がそう言うのですから、間違いはないのでしょう。
だだっ広い空き地の奥にその家は建っていました。
道路と家の間には本当に何もなかった記憶があります。
前の道も随分狭かったような…
確か貸本屋さんがあったなぁ。
そんな場所ですから、もちろん駅には近いわけです。
泊まって、寝ていると
夜中にガチャンという列車の動く音だったり
連結器の音がしたりと、何だかとてもそれが好きだったのです。
明け方にふと目が覚めると、駅から列車の音がしてきます。
それが妙に懐かしいのです。
たくさんの人々が眠りについている頃
駅はまだ眠っていなかったり、
人々がまだ覚めやらぬ頃
駅はもう目覚めていたり。
私の子どもの頃の何だか心地よい思い出なのです。
亡くなった祖父母、亡くなった叔父…
あの頃は、本当に元気だったなあ…