つれづれに 

老いてゆく日々、興味ある出来事に私見を添えた、オールドレディーの雑記帳です。

鳩山総務相、ちょっとはしゃぎ過ぎじゃないですか!・・・

2009-03-07 | うんざりしてます
 「泣きたい気持ち。開発だ開発だって、文化や文明を壊していいのか」とは、東京中央郵便局の再開発状況を視察した鳩山さんの言葉。「泣きたい気持ち」って、鳩山さんがそれほど文化財に造詣が深く愛着を深めておられるとはちっとも存じ上げませんでした。でも、そういう見識のある方にしては、先日の「重要文化財の価値があるものをなくすのはトキを焼き鳥にして食べてしまうようなこと」という例えは全くもって品がない。それに、ちょっとジェスチャーがオーバーでは…  

 6日夕方のニュースによれば、日本郵政は同日から予定していた現局舎の本格的な解体工事を一時延期、当面は建物の崩落を防止するなどの保全工事だけを進めることにしたという。しかし、東京都はこの再開発工事を正式に認可したそうで、石原都知事は「文化財を壊すというのならともかく、この段階になって…、そう言うことはもっと早く言ってもらわねば…」と言っていた。
 そもそも、“かんぽの宿”の譲渡は総務相の認可が必要だが、鳩山さんにこの工事を止める権限はない。ただ、国は日本郵政の大株主で、全く無視することはできないだけのこと。だが、この一時延期を聞いた鳩山さんは、「私が直接電話したから…」と得意げに語っていたが、すでに民営化された日本郵政の経営方針にまで口を挟む権限は鳩山さんにはないはずだ。
 そして、テレビ局が街頭で50人にアンケートをとったら、保存派が23名、建て替え派が27名、この結果に鳩山さんは、「もっと全国的に3万人くらいの意見を聞かなきゃ分からない」と、あまりご機嫌がよろしくなかった。
  
 この東京中央郵便局が重要文化財級とされるような貴重な建物であるかどうかはさておき、日本郵政側としては、この再開発計画は2年近く総務省と相談しながら進めてきたもので、すでに昨年6月25日には具体的な計画書を発表している。そこで異論が起きなければ、おおむね工事着工は了承されたものと解釈したとしてもおかしくはない。それが、今年2月26日の衆議院総務委員会において、民主党の河村議員が「再開発計画工事受注に関して、かんぽの宿と同じような入札疑惑を指摘する声もある」と調査を要求したことから再燃。鳩山氏は、2007年12月の文化庁次長の「重要文化財に値するもの」との答弁を持ち出し、再開発計画見直しを明言したのが発端らしい。
 しかし、民営化された日本郵政が営利を追求するのは当然であり、みすみすテナント料として年間約100億円の収益を見込むとあらば、鳩山さんのように、「銭、金じゃあない、文化財保護が最優先だ」と、そんな金持ち感覚のきれいごとを言ってもらっては困る。100年に一度という未曽有の経済危機の今、私の貧困な感性の例えで申し訳ないが、それこそ「花より団子」、文化財指定より経済の再生、日本郵政の体力の強化が最優先されるべきではないかと思う。経済同友会の桜井正光代表幹事も、この鳩山氏の言動については、「信じられない。(総務相は)民営化で活力ある郵政をつくっていくということが大事なのに、理解しがたい」と苦言を呈している。

 いまさら鳩山さんのひと言でこんなにゴタゴタするとは…。そもそも、主管官庁である総務省や文化庁が了承したから工事が始まったのではないのか。異議を唱えるならもっと早い段階で対処すべきで、今になってはこれは横槍としか思えない。総務省の現トップは鳩山さん、アンタでしょう。まず監督官庁の職務怠慢に文句を言うべきで、工事を始まるまで放っておいた、トップとしての監督責任はありませんか 
 日本郵政の株主が100%政府であるということは、すなわち国民の財産である。すでに工事は始まっており、延期でもそうだが、中止となると莫大な損失が生じる。この損失を鳩山さんが補填してくれるわけでもないだろうし、無責任に反対されても日本郵政としては困るのである。日本郵政の財務状態が安定することは、国民も安心して財産を預けることができるというものだ。
 どういう意図があってああまで強硬に反対するのか。平沼氏が言うように「“かんぽの宿”に関する発言で点数を稼ぎ脚光を浴びた」ことに味をしめたのか、はたまた麻生さんに忠誠心を示したいがためのパフォーマンスなのか。胸に一物も二物も持つ政治家のこと、純粋に文化財保護を唱えているのかどうか。日本郵政としては政治家に振り回されることなく、国民の財産保護のためにも有益な解決策をお願いしたい。 
 
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2 コメント

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Unknown (nana)
2009-03-07 16:29:27
私もこの建物り価値についてはわかりません。
でもこのパフォーマンス、国民には意外と受けが良いようで総務相の株が上がっているとか。
でもね、やっぱり経済的にシビアになれば土地建物の有効利用は当たり前なわけで。
ただ単に「壊すのはもったいない」では通りません。
総務相、保有株式の暴落で含み損(とは言っても代々継がれた遺産なのでしょうが)は相当なものでしょう。
でも売らなくても充分に暮らしていける状況、そして配当だけでも年に1億以上だそうです。
賃料収入のために古い建物を壊すのはさもしい、という意見、一般とは乖離した資産をお持ちだからでは?って思います。
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Unknown (オールドレディー)
2009-03-07 19:07:04
♠nanaさま
文化財保護も重要ですが、今の日本の状況をみればきれいごとだけでは解決できません。
「世の中お金がすべてではない」といえるのはお金持ちだからです。
何十億というお金を持っている鳩山さんは、お金がないためにどれほどの人が辛酸をなめているか、世の中の現状を知らないのでしょうか。

日本郵政は得た利益を少しでも貯金者に還元してくれることを願いますね。
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