いい正月だったよ・・・

　２日、３日の楽しみは日テレの箱根駅伝の生中継だ。パソコンをやりながら横目でテレビを見る。今年は青山学院が初の総合優勝、それも１０区間の合計タイムが１０時間４９分２７秒という大会史上初めての好タイムである。また、最下位から総合９位に浮上、シード権を獲得した山梨学院。往路の５区で体調不良のため何度も手をつき、よろめきながらも完走、タスキをつないだ駒沢大の馬場選手などなど、最後まであきらめない若者たちの根性はアッパレ！　毎年のことではあるが、感動に胸を熱くした年の始めだった。
　私が箱根駅伝を見るようになったのは亡母の影響である。年末からやってきて正月を過ごすのが恒例になっていた母が、テレビはあまり見ないのに箱根駅伝だけは真剣に見ていた。亡くなって今年でちょうど１０年、今も箱根駅伝を見ると母を思い出す。また、母のリクエストで、元日の夕食はすき焼き、２日目の夕食はお好み焼きというのが定番だった。以後、この定番は私の定番となり、今でもずっと続いている。 

　話は変わって、３日のお昼過ぎ、「ばあばん、これから行くよ」と姪の長男から電話。彼は今年２１歳になる。１つ違いの弟とそれぞれ400ccのバイクを持っており、昨年の正月にはわが家まで連れ立ってやってきた。初体験だと勇んで、長男のバイクの後ろに乗せてもらったが、怖くて怖くて…。彼のお腹に回した腕に力が入りすぎて、「ばあばんが強くしがみつくのでお腹が痛かったよ」と彼に笑われたものである。
　バイク好きが高じて、昨年秋、中古だが1200ccのバイクに買い替え、必要な大型自動二輪の免許も取得したという。県北からわが家までは１時間半、１人でやってきた。バイクを見るとデカイ！　馬力も３倍だとか。こんなのが倒れたらどうやって起こすのだろう、と余計な心配をする。
　彼は航空自衛隊築城基地勤務、正月休みで帰省中だ。弟も昨年４月、陸上自衛隊に入隊、善通寺駐屯地に赴任、空挺レンジャー部隊を志願しているとか。進路を決めるとき、双方の祖母は「今どき大学へ行かないというのは…」と反対したらしいが、高校時代、長男は野球部、弟はバスケ部という体育会系、２人とも勉強は苦手のようで、得意分野もなく目的もない進学は無意味と考えたようである。両親は「彼らの人生は彼らのもの、すきなようにすればいい」と、いたってのん気。むしろ応援しているようでもあった。

　長男は初めての男子で、曾祖母、祖父母、両親の愛情を一身に受け、苦労知らずの“総領の甚六”気味のところがあった。弟の方は２人目の男子、多少は手抜きも当然だろう。おかげで野放図というか、たくましいというか、長男よりしっかりしているように思えた。２人とも、自衛隊で心身ともに鍛えられたのだろう、今では一段とたくましくなったように思う。
　３人兄弟だが、曾祖母、祖父母のいる家庭で育っているので、みんな子どものころから年寄りには優しかった。幼少の頃、私の母の手を取って一緒に歩いてくれる子どもたちだった。３男だけは母親のＤＮＡを受け継いで、吹奏楽部で活躍中だ。が、来年は卒業だ。音楽への道か、子ども好きなので保育士か、はたまた介護福祉士か、進学進路に悩んでいるようである。 

　２時間ほどいて「また来るね」と帰っていった。長男はもう社会人だからお年玉は終わりだが、３男へはやらねばなるまい。お年玉をことづけたら、「ばあばん、ありがとうね。また遊びにゆくね」とお礼の電話。小さいときから孫の代役をして喜ばせてくれる子どもたち、ありがとうね。