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写楽・・話楽・・・な日々

昔 あったづもな

2018-06-17 23:27:12 | 小さなおはなし


戦争や 災害の経験を 語り継がねばならぬ人たちがいる 

遠野のように 故郷に伝わる昔話を 次の世代に伝える人たちもいる 

ならば 私は何を語るのだろう? 

その時 思い出すのは Kさんの事だ 

Kさんは 子どもの頃から本が大好き おはなしをするのも大好きで 

私が初めて出会った頃 Kさんは80歳位だったと思うが イギリスの児童文学者ファージョンの作品を30分以上も語っていた 

もちろん 本なしである 

Kさんのご自宅で 初対面の私に 自分の半生を滔々と語るKさんに度肝を抜かれた記憶がある 

私が話す昔話や 自分で書いたエッセイ 短い創作を いつもにこにこと聴いて下さった 

暖かく包容力のあるKさんとは 亡くなるまでの2年半のお付き合いだった 

私が今でも「おはなし」を続けているのは Kさんという存在を見ているからだ 

私も 子どもの頃 本の中の世界に浸っているのが大好きだった 

それを人に語ることになるとは考えもしなかったけれど 今では 聴いてくれる人がいる限り 続けていきたいと思っている 

コメント (2)
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