映画 「酔いがさめたら、うちに帰ろう」
原作は、2007年にがんでなくなった鴨志田譲による同名自伝小説
戦場カメラマンでありフリージャーナリスト
漫画家の西原理恵子の夫だった人
その彼が、アルコール依存症で入院生活を経て克服した経験がもとに
なっている映画
どうしょうもないなあ~ カモちゃん
そのどうしょうもない人間がなにを見て、なにを感じたか
わかんないよ・・・
断酒の治療を受けるため入院を決めた
カモちゃん(安行)が家族と公園で会って、別れる時
家族の後ろ姿を眺めながら
>淋しい。淋しいを母音だけで言うと、”あ・い・い・い”。
悲しい。だと、”あ・あ・い・い・・・。( ああ、良い)
と口にするシーン。
遅いんだよ。
帰る場所に気付くのが・・・
アルコール依存症
わかっちゃいるけど、やめられない。
なんと情けなく、いとおしく、リアルなこと
病院食のカレーライスのシーンが面白い。
まわりの人間の悲喜こもごも
・・・
かなしくもあたたかい映画でした。
主題歌は忌野清志朗の「誇り高く生きよう」
わけもなく 涙ぐむのは
君のこと 想っているから
悲しい涙じゃない あったかい気持ち
・・・
雨降りの寒い1日
新宿の街、映画館を探しながら歩く
一人であることをおもう。
さっきまで読んでいた鷲田清一の文章があたまに浮かぶ
>携帯電話にしろ、mixiにしろ
常に誰かとつながっていることでバランスを保っている。
それを「近代的な寂しさ」と呼ぶ。
うん、うまいこと思うな!
同じ場所にいるからといって
人は同じものをみているわけではない。
家族だからといって
同じ風景を眺めているわけでもない。
・・・
じっとものを思いながら
一人で立っていることのできること
別に強いとか、そういう意味ではなく
一人で立っていることの楽しさもある。
それでも、尚 人は
誰かを想い うちに帰る。