くちびるに歌を 中田永一 小学館
長崎県五島列島のある中学校の合唱部が物語の舞台
合唱部の顧問が産休に入るために臨時教員の柏木先生が代行する。
それまで女子部員しかいなかったが、美人の柏木先生に魅せられ
男子部員が入部してくる。それが・・・
物語のなかで合唱部が歌う
「手紙~拝啓十五の君へ~」のメロディーを口ずさみながら
遠く過ぎ去った青春の時間をふっと思いだした。
これから十五年後の自分は ハハ、ハ もう苦笑いするしかない。
雪が積もった方がもう少し暖かだったんじゃないか
そう思うぐらいに冷え込んだここ数日
ぼんやりと空を見上げながら、ブルブルと首を引っ込める。
ちょっとばかり悲しい出来事があった。
わからなくはない。
そんなふうになりがちの人がいるということもわからなくはない。
けれど、本当に理解したといえるのか?と問われれば違うとしか言いようがない。
どんなに考え続けて、どんなに時間が経っても
わからないものはわからないのだとしか言いようがない。
共に・・・
寄り添いながら・・・
黙って一緒に・・・
隔たっていることを自覚してはじめて、その言葉の土俵に立てるということではないのかな
わからないからこそ知ろうとする。
わからないからこそ知りたいと思う。
わかったように一緒にいても、結局は独りよがりとなるのが落ちだろう。
たぶん、こんなにもわからないからこそ
他者に起きた出来事に心落ち着かない自分がいる。
わかってあげたくても、わからないからこそもどかしく、悲しい。
わからないに架ける橋があるとしたら
人と人の間の対話なのかもしれない。
私は貴女と繋がる言葉ばかりを毎日、探している。