「とん ことり」の音がして

暮らしの中で 絵本と私

母の息遣い

2007-01-23 11:48:05 | Weblog
母の入所している施設へ行く
母は認知症である。
数年前に認知症と診断されて、その症状は日に日に進行して今は
24時間態勢の介護が必要となっている。
すでに夫の顔も子どもである私の顔もわからない。
生活の術も、言葉も忘れ
1秒たりとも 過去の記憶には戻れない。

「お母さん」「お母さん」・・・私は繰り返し呟く
その言葉すら母の前では 行き場を失う

だから、私は ただ母に寄り添い
その息遣いだけを感じとる。

母の施設からの帰り道
思わず 見上げる 空を見上げる
なんて空は美しいのだろう。。。

本日の読書
「写真ノ中ノ空」 アートン
 谷川俊太郎(詩)
 荒木経惟 (PHOTO)