仁左衛門日記

The Diary of Nizaemon

文違い / 入船亭扇遊

2018年10月22日 | エンタメ
落語『文違い入船亭扇遊
噺は、「飯盛女・お杉。父親が二十両を無心してきたので何とかならないかと相談した半七は半分の十両ほどしか用立てできなかった。同じ馴染み客の角蔵には、患っている母親に唐人参を飲ませたいと言って金をせびり、まんまと十五両をせしめた。しかし、お杉が必要としているその二十両の理由とは・・・」という内容。
何度も足を運ばせようと、初めての客には背が高いからと誉め、背が低ければ"山椒は小粒でヒリリと辛いよ"と誉め、どうにも誉めようが無ければ、"様子がいいねぇ"とよく分からない褒め方をするのだという。
そんなようなことで鼻の下を伸ばすのだから、男なんて単純なものだ。
(^_^)
田舎者の角蔵には年季が明けたら一緒になると言い、半七にも、"うちの人"と言いながら角蔵を"あん畜生"と言うお杉だが、こういうのも常連客を引き離さない飯盛女のテクニックの一つなのだろう。
ところが、そんなお杉も自分が惚れてる芳次郎にはまったく同じことをされるのだから、男でも女でも、人間というのは所詮同じようなもののようではある。
(^。^)
さて、演者の入船亭扇遊師匠は、昭和53(1978)年に始めた古今亭志ん輔師匠との二人会を40年にも亘って続けているのだという。
これは何とも凄いことだと思う。

文違い / 五街道雲助(六代目)

2017年12月10日 | エンタメ
落語『文違い五街道雲助(六代目)。
噺は、「新宿。飯盛女のお杉は、育ての親との縁切りに二十両が必要だと常連客の半七に泣きついたが、半七は全部を用立てできなかった。そこで角蔵という客には、病気の母親に御種人参を飲ませたいが二十両もすると言い、十五両をせしめた。しかしお杉が必要な二十両とは、芳次郎から目の治療に必要だと無心された金だった。用立てできた金を芳次郎に渡したお杉だったが、金を受け取った芳次郎はゆっくりすることなくすぐに帰ってしまう。芳次郎が部屋に落としていった文を見つけ、それを読んでしまったお杉は・・・」という内容。
半七には年季が明けたら夫婦になると言っているらしいお杉は、角蔵にも同じことを言っている。
そして、その男の前では「この人はうわべは野暮に見せておいて、芯は粋なんだよ」と周りに向かって誉め、影では「あん畜生が来たのかい」などと散々な言い様をする。
遊びにくる男達からどんどん金を引き出そうと考える女というのは、そういうものなのだろう。
とはいえ、人間の考えることなど皆一緒なので、悪だくみというのはそうそう上手くは行かないのである。
(^_^;)
さて、当代の五街道雲助師匠は六代目ということになっているらしいが、実のところ何代目なのかは不明らしい。
まぁ、"由緒正しい雲助"というのもおかしな話なので、師匠の十代目金原亭馬生(1928年~1982年)も何代目かという辺りは拘らなかったのだろうか。
ただ、雲助師匠は2016(平成28)年に紫綬褒章を受賞しているらしいので、五街道雲助という名は、これから"由緒正しい雲助"になっていくのかもしれない。
(^。^)