仁左衛門日記

The Diary of Nizaemon

男はつらいよ 寅次郎恋やつれ

2008年01月28日 | ムービー
シリーズ第13作『男はつらいよ 寅次郎恋やつれ』(1974年/山田洋次監督)を見た。
寅さんシリーズは、平成14年から2年間の『男はつらいよ/全48作大放送』(TVh)と平成17年から2年間の『男はつらいよ/48作放送』(NHK-BS)でこれでもかというくらいに見まくったが、この『男はつらいよ/寅次郎恋やつれ』には余り印象が無い。
まぁ何回かは見逃しているはずなので、偶然にも両方の特集で見逃していたのかもしれない。
(^^ゞ
さて、寅さんシリーズ第13作目のこの作品は吉永小百合(歌子役)がマドンナで、シリーズ第9作『男はつらいよ 柴又慕情』(1972年/山田洋次監督)での設定を引き継いでいる。
「前作で親の反対を押し切って結婚した歌子だったが、夫とは死別し、その後も夫の実家で生活していた。そんな所に偶然寅次郎(寅さん/渥美清)が現れたことをきっかけに新しい生活を始める決心をつけ、葛飾柴又の"とらや"を訪ねる」という物語。
そこからいつものドタバタ劇が始まるわけだが、本作は前12作品よりも深く「幸せとは何か」を掘り下げていたように思う。
寅さんと妹・さくら(倍賞千恵子)のやり取りの中で、「おにいちゃんは自分の幸せしか考えてないじゃない。歌子さんがずっとうちの2階で生活し続ければお兄ちゃんは幸せかもしれないけど、歌子さんは幸せにはなれないわ」(←たぶんこんな感じ)という台詞があったが、これには寅さんも返す言葉が無く、考えさせられたようだった。
また、歌子が少しきつめの表現で自分の父親を語る台詞があったのだが、このシーンは花越しに吉永小百合の顔が映されていた。
山田洋次監督はこういう映し方をあまりしないのだろうが、少しでも画面を穏やかにしようという(吉永小百合への)配慮なのだろうと思った。
さすが大女優だ。
(^_^)
物語の最後はいつも切ない終わり方になってしまう『男はつらいよ』だが、それでも寅さんのシリーズは楽しめる。