『上を向いて歩こう』(1962年/舛田利雄監督)を見た。
物語は、「ある夜、関東少年鑑別所で集団脱走事件が起きた。追跡され、追い詰められた河西九(坂本九)と左田良二(浜田光夫)は、通りかかった軽自動車に飛び込み、拾った空き瓶のかけらで腕を切って怪我をしたふりをする。運転者を脅そうとしたのだが、運転していたのは少年保護司の永井徳三(芦田伸介)だった。永井は事情を察したが、とにかく2人を病院へ連れていき、翌朝、長女の永井紀子(吉永小百合)を見舞いに行かせ、久米刑事(大森義夫)と連れ立って病室を訪ねたのだが、良二は窓から逃げ出してしまい・・・」という内容。
九は、石本(石川進)ら、少年院や鑑別所帰りの連中が大勢働いている永井運送の厄介になるが、「大人なんて信用できるもんか」と言い放った良二は、ドラムを教えてくれたジェシー牧(梅野泰靖)を訪ねバンドボーイになるものの、「少年院帰りのくせに」と罵られてしまう。
いくら見返してやろうと意気込んでみても、一度貼られたレッテルはそう簡単に覆せないものなのだろう。
一方の九も「お前にはドラムという夢があるじゃないか。俺は何をしていいかよく分からないんだよ。分からないから自分に出来ることを一生懸命やってるんだよ。でも、それが俺には一番難しいんだよ」と、何とかしようと頑張ってもなかなか上手くいかない自分がもどかしいようだ。
また、妾の子だという松本健(高橋英樹)は、かつて永井運送で働いていたが、そこを飛び出してノミ屋をしながら大学受験の勉強をしている。
怪我をさせてしまった兄・マサユキとの間に確執があったのだが、事情を知った紀子の助言により、兄の誕生日に訪問して同じ大学に合格したことを報告するものの、父と兄に冷たくあしらわれてしまうという、何だか随分と込み入ったエピソードの連続で、♪上を向いて歩こう♪(永六輔作詞、中村八大作曲)というヒット曲をテーマにしながらも、随分と重い物語だった。
1964年のオリンピックを間近にして活気あふれる東京の中で、頑張っているけれども、なかなか上手くいかない若い人達も大勢いたのだろう。
そんな人達を応援しているかのような物語に思えた。
物語は、「ある夜、関東少年鑑別所で集団脱走事件が起きた。追跡され、追い詰められた河西九(坂本九)と左田良二(浜田光夫)は、通りかかった軽自動車に飛び込み、拾った空き瓶のかけらで腕を切って怪我をしたふりをする。運転者を脅そうとしたのだが、運転していたのは少年保護司の永井徳三(芦田伸介)だった。永井は事情を察したが、とにかく2人を病院へ連れていき、翌朝、長女の永井紀子(吉永小百合)を見舞いに行かせ、久米刑事(大森義夫)と連れ立って病室を訪ねたのだが、良二は窓から逃げ出してしまい・・・」という内容。
九は、石本(石川進)ら、少年院や鑑別所帰りの連中が大勢働いている永井運送の厄介になるが、「大人なんて信用できるもんか」と言い放った良二は、ドラムを教えてくれたジェシー牧(梅野泰靖)を訪ねバンドボーイになるものの、「少年院帰りのくせに」と罵られてしまう。
いくら見返してやろうと意気込んでみても、一度貼られたレッテルはそう簡単に覆せないものなのだろう。
一方の九も「お前にはドラムという夢があるじゃないか。俺は何をしていいかよく分からないんだよ。分からないから自分に出来ることを一生懸命やってるんだよ。でも、それが俺には一番難しいんだよ」と、何とかしようと頑張ってもなかなか上手くいかない自分がもどかしいようだ。
また、妾の子だという松本健(高橋英樹)は、かつて永井運送で働いていたが、そこを飛び出してノミ屋をしながら大学受験の勉強をしている。
怪我をさせてしまった兄・マサユキとの間に確執があったのだが、事情を知った紀子の助言により、兄の誕生日に訪問して同じ大学に合格したことを報告するものの、父と兄に冷たくあしらわれてしまうという、何だか随分と込み入ったエピソードの連続で、♪上を向いて歩こう♪(永六輔作詞、中村八大作曲)というヒット曲をテーマにしながらも、随分と重い物語だった。
1964年のオリンピックを間近にして活気あふれる東京の中で、頑張っているけれども、なかなか上手くいかない若い人達も大勢いたのだろう。
そんな人達を応援しているかのような物語に思えた。