仁左衛門日記

The Diary of Nizaemon

景清 / 金原亭馬治

2017年12月22日 | エンタメ
落語『景清金原亭馬治
噺は、「目が見えなくなってしまった腕の良い木彫り職人・定次郎は、医者にも見放されてしまった。友人の勧めで、霊験あらたかといわれる赤坂の円通寺に21日間通い、一心不乱に願掛けしたものの願いは叶わなかったと近所の旦那に話したところ、清水観音堂の観音様にすがってみたらどうかと言われ、その日から雨の日も風の日も100日間毎日通い続けた。そして満願叶うはずの100日目に・・・」という内容。
これは上方の演題が江戸落語に伝えられたものだという。
能や歌舞伎といった古典芸能には、"景清もの"と呼ばれる藤原景清(?~1196年)が登場する演目が多数あるようで、上方落語の『景清』は、平家に仕えた景清が「源氏の世の中は見たくない」と自らの目をえぐり、京都・清水寺に奉納したという伝説を基にした噺らしいが、それが江戸落語となったこの噺は、"京都・清水寺を模した清水観音堂"を舞台にしているところが何ともこじつけ。
(^。^)
この物語に登場する定次郎は、とても負けず嫌いな性格のようで、家を通り過ぎたよと言われても「歌の文句の途中だったから歌い終わってから引き返そうと思った」と返し、白い犬だと聞いても「墨で塗れば黒くなる」と強情を張る、何とも困ったやつだ。
(^_^;)
そういう面倒くさい男が、たった今からでも神仏にすがりに行くと言うのだから、定次郎はよほど絶望の淵に立たされていたということなのだろう。
演者の金原亭馬治師匠は十一代目金原亭馬生門下。
2015(平成27)に真打昇進を果たしたという若手の落語家さんのようだ。
これからどんどん活躍されていくのだろう。
(^_^)