仁左衛門日記

The Diary of Nizaemon

陰陽師

2010年06月10日 | ムービー
『陰陽師』(2001年/滝田洋二郎監督)を見た。
物語は、「平安時代。謀反の疑いをかけられ無念の最期を遂げた早良親王(桓武天皇の弟)の怨霊を長岡京に封じ込め、平安京に都を移してから150年が経過した頃。都では鬼や妖怪が頻繁に姿を現し、"陰陽師(おんみょうじ)"と呼ばれる技官が特殊な術を使ってそれらを鎮めていた。陰陽師・道尊(真田広之)は朝廷からの信頼も厚かったが、それに反して自分が操る帝を作り上げたいと考え、帝(岸部一徳)と左大臣・藤原師輔(矢島健一)の娘との間に産まれた親王・敦平に呪いをかける。右近衛府中将・藤原博雅(伊藤英明)に助けを求められた陰陽師・安倍晴明(野村萬斎)は・・・」という内容。
この物語でいう所の"鬼"とは、霊魂のことを指すのではないかと思うが、始まってすぐの「平安の時代。人と鬼とが共に生きていた時代」とのナレーションが面白い。
都といえども、月明かりが無ければ夜はマッタクの暗闇だろうし、そこに人間以外の何者かがいると考えるのは普通の時代だったのだろう。
また、生きながら鬼になる女を"なまなり"と言ったそうだが、今の時代でも"生霊"等と聞くだけで少し怖い気もしてくるくらいだから、多少言い回しが変わった所で、闇や鬼を恐れる人間の心というものは平安時代も現代もあまり変わらないのかもしれない。
そして、「次の帝が誰かは興味が無い」と言いながら、しかし帝への影響力は持ちたいと考える人も、1000年前と変わらずに存在する筈だ。
(^_^;)
いろいろと面白い物語ではあったものの、続編を前提とした結末のように見えたので、それが残念だった。
実際に続編が作られたのかは知らないが。