仁左衛門日記

The Diary of Nizaemon

大統領の陰謀

2010年06月09日 | ムービー
『大統領の陰謀(原題All the President's Men)』(1976年/アラン・J・パクラ監督/アメリカ)を見た。
物語は、「1972年。アメリカ合衆国大統領選挙を半年後に控えたある日の深夜、首都ワシントンDC、ウォーターゲートビル内の民主党本部に5人の工作員が侵入して現行犯逮捕された。ワシントンポスト紙の新人記者ボブ・ウッドワード(ロバート・レッドフォード)は、犯人の保釈の審査をする裁判所で、国選弁護人の他に共和党の弁護士がいること、犯人の1人が元CIA職員であること等に興味を持ち、ベテラン記者カール・バーンスタイン(ダスティン・ホフマン)と2人でこの事件を担当することになる。取材を続けるうち、ニクソン再選委員会の選挙資金の一部が犯人達の手に渡っていることを知り・・・」という内容。
これはアメリカで実際に起きた【ウォーターゲート事件】を担当した新聞記者の手記を元に作られた映画。
日本では数カ月や数年で総理大臣が簡単に辞任してしまうが、アメリカの最高指導者が辞任するだなんて後にも先にもこの時のニクソン大統領しかいないのだから、事件の詳細を露わにした彼等の取材は大したものだ。
ただ取材時、すぐにでも記事にしたいとする2人の記者に、ベン・ブラッドリー編集長(ジェイソン・ロバーズ)は、国のナンバー2が陰謀の首謀者だと考えながらも、「犯罪の疑惑を指摘するなら間違いは許されん。情報源に確認したか?君等に確信が?私は無いね。不安が残る」と極めて慎重な姿勢を崩さなかった。
焦る2人のウラの取り方が何とも曖昧で不正確だったので、この編集長の態度は当然だ。
また、新聞社の内幕を描くエピソードとして面白かったのが、編集部に記事を売り込むフリー記者の存在。
「一日中寝て過ごした人のために昨日の天気を載せよう」と言い出したのには笑った。
(^o^)
「尾行に注意しろ」といいながらもベランダに赤い旗を立てて合図する等、いい加減な場面もあったが、これは面白い作品だった。