露花便り

福山市の庭師のブログです。庭師の仕事や日々の生活の中からやさしさに包まれる出来事や気付きを綴っていきます。

ジブリがいっぱい

2010-10-25 21:54:23 | 日記
少し前のお話ですが、今年2月、神戸市内の県立美術館に行きました。
ジブリ映画で背景を描かれている男鹿和雄さんの個展が開催されていたのです。
男鹿さんの絵は「絵」というよりも「語り」というか、一枚の絵から伝わってくるメッセージの多さに感動しました。
視点があたたかくて、動物も植物も人間も生きてるんだな...と思い出させていただきました。
そして、陰をもってはじめて陽が語れるように、戦争の残酷さや恐ろしさ、
虚しさを受け入れた強さがやさしさとなって、絵から語りかけているんだと感じました。


そして、驚くのは来場者の年齢層が広いことです。子供から年配の方まで老若男女、
様々な人々をとりこにしてしまう、どこか懐かしい、何年経っても色褪せない
物事の本質が描かれていました。
男鹿さんの絵のような図面が描けたらいいな...。
夢がある。

私がここ沼隈の里山にきて驚いたのは、ジブリがいっぱい溢れたような
美しい景色が、当たり前にそこにあることでした。





苔むしたタバコの乾燥小屋、





焼き杉板の分校、



レンガを積んだ炭焼き小屋、

棚田の石積み、

透き通った小川のせせらぎ...。

私にとって、どれも歓声をあげたくなるほどの懐かしい美しさでした。









ここは、ジブリがいっぱいです。





若い頃、DCブランド全盛期、私は華やかなアパレルの世界にいました。
センスや知識が先走り、表と裏なら表を重視する生活をしていました。
手作りのもの、垢抜けないものへの嫌悪感があり、自然と繋がろうなんて考えたこともなかった...。


全ては陰と陽だと感じています。
今は、そんな時代があったことに感謝しています。




今日、雨の中に佇む分校を前にして、美しさにみとれてました。
オレンジ色に紅葉した柿の葉。
大きく曲がりくねった幹の足元には野菊が雨に打たれてる...。

既製品や造形物だけでは感動することは出来ない。
本物になりたいです。

贋物はもういらない。

そんな想いでここにきたのです。



沼隈は神様に護られた本物の里山です。


事務所が完成したら、是非一度この空気を満喫しにいらしてくださいね。





お師匠...事務所はいつ完成するのでしょう...?


 

4 コメント

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たばこの乾燥小屋 (かっつん)
2010-10-26 00:08:02
趣あるねぇ
夜は怖いでしょ?(笑)

表と裏の論理・・なるほどねぇ
表を知ってるからこその言葉だねぇ
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かっつんへ (Lucy)
2010-10-26 12:44:11
夜は怖いですよ~
山奥は支配する神様が変わるので、怖くて入れません。
道路はイノシシたちが占領し、車が来てもどいてくれません
クラクションを鳴らすと、しぶしぶ道を譲ってくれます。
こちらのほうが、すみませ~んとお願いして通らせてもらう感じです
今年は夏の猛暑で山に十分な食料がなく、
里に下りてきて毎日畑や崖などを荒らしてます。
人間とイノシシの知恵比べになってます
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こんにちは!! (三娘父)
2010-10-26 18:32:55
ジブリの背景画を描いていらっしゃる男鹿さんは
我が秋田県出身なんですよ~ きっと幼少期に
自然の多い良い意味で田舎の中で育った事が
風景に思い入れを持たせてらっしゃるんでしょうね。。

全ての景色に「違和感」を覚えないのは・・・
やっぱり田舎にいる所為? (笑
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三娘父さんへ (Lucy)
2010-10-27 21:11:51
秋田なんですか!
なるほど~
だから豊かな自然が描かれているんですね。
美しく懐かしい風景ばかりでした。
絵を通して、こんなんいいよね...って、勝手に男鹿さんとお話した気分になり、大好きになりました

昔はどこにでもあった美しい光景も少なくなりました。
違和感ない?
三娘父さんの周りも豊かな自然が溢れているんですね

お久しぶりですが、お元気そうで嬉しいです!
三娘父さんのブログ、楽しく拝見させて頂いてます。
コメントありがとうございました
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