露花便り

福山市の庭師のブログです。庭師の仕事や日々の生活の中からやさしさに包まれる出来事や気付きを綴っていきます。

お寺の庭

2011-07-22 23:05:07 | 庭仕事
今日は一人でお寺の庭の手入れと掃除でした。
シュウカイドウが今にも咲きそうな蕾を持ち上げて、こんもりと伸び上がっていました。
アジサイ、ドクダミ、ナルコユリ、シラン、ホタルブクロ、咲き終わった花も風情があって好きです。
温泉の成分を含んだ地下水が境内に湧き上がり、流れの中にセリやフキを植えておられるしっとりとした空間です。

朝早くには産まれたばかりのアブラゼミが何匹も飛ぶ練習してました。
倉敷にいたときは、クマゼミだらけでしたが、沼隈ではアブラゼミもミンミンゼミもヒグラシもみられます。
昔は蝉って、「うるさいなー」と思っていましたが、今はすごく愛おしく感じるようになりました。
何年も土の中で一人でがんばってきたのに、仲間にあえてたった一週間で死んでしまうなんて、切ないね。
蝉の声聞くとがんばれ~って応援したくなる

庭掃除大好き。
しんどいけど、無心になる。
右手は手袋してますが、左手は素手です。
泥だらけ、傷だらけになるんですが、土や植物からの情報を頂いてます。

力仕事も汚れるのも汗かくのも日焼けするのも平気ですが、チャドクガだけは駄目です

今日もやられた。かゆいよ~! 今年三回目・・・



明日もう一日、お寺でがんばってきます




「石や」。

2011-07-22 21:37:32 | 日記
昨日は石やさんへ庭工事の石を探しに行きました。
初めて同行した私は「石や」さんのスケールの大きさに感動~!





見渡す限りうず高く積み上げられた石たち。
全てが違う表情を持ち、二つと同じものはありません。




親方に見初められ、縁のできた石たち。
気に入りの石に出会うとテンションが上がる親方。



ず~と見てたらね、すんごいちっちゃい石に見えてくるんですよ。
辺りのスケールがでかすぎて、感覚が麻痺してくるのかな。
てっぺんのほうの石なんかお菓子みたいにひょいと持ち上げられるような気がするし、
手頃な良いサイズと思って見てたら、ユニックに積まれる姿は巨大です!




これだけの石を掘り出すのにどれくらいの時間がかかるだろう・・・。
あんなに高いところの巨大な石をどうやって採掘されるのか。
大きな重機があるとはいえ、危険を伴うその作業を想像するだけで、手に力が入る。
近づくのがおっかないぐらい大きい。






「石や」。

「庭や」よりおそらく昔。

古墳時代よりも前から何千年と続く石への畏敬の念。
地神、氏神も多くは石を祀ってあるし、庭石には宗教や思想などの想いが込められ、大切にされてきた。



想いが馳せ飛びいろんな時代を考える。

石ってすごい。

すごい存在感。

石やさんって、ほんとすごい!!

あの距離を何往復もされた親方もすごい!






石たちが庭でどんな表情をみせてくれるのでしょう
少しずつご報告しますね。

私も楽しみです!

それでは~




緑のカーテン

2011-07-05 17:58:46 | 日記
暑い~暑い~暑いよ~
今年も猛暑との闘いがはじまりました。

34度を越す気温の中、山茶花の剪定にゴヨウマツの移植、砂利敷き工事...などなど毎日過酷な作業が続きました。
山茶花の剪定ではチャドクガに負けてしまい、全身の発疹とかゆみで注射と点滴に通いました
あんなにふわふわ可愛い姿のチャドクガが悪魔に見えるほどニクイ~!

そして先週、保育園の緑のカーテンが完成しました。

緑のカーテンとは、窓や壁面をゴーヤやアサガオ、フウセンカズラなどのつる性植物の葉で覆うことで、
室内の温度を下げる効果があるという、節電対策を兼ねた園芸緑化です。
ここ数年人気ですね
今年は節電対策も深刻...あちらこちらで見かけます。

殺風景な建物やお洒落といわれる建物は日本家屋特有の軒がない建物も多く、夏は特に暑そうで、なんとも味気なく感じてしまうのですが、
緑のカーテンがあるだけで潤っているように見えるから不思議です



今回の保育園の施工例をご紹介します。
二階のバルコニーやテラスは南向きで開けた環境のため、西日がつよく午後からは猛烈な暑さになります。
床がコンクリートの場合、照り返しが強く高温になるため、プランターはできるだけ深いものを使用することをおすすめします。
ネットは実が生った場合の重さや台風を考慮して、金具などでしっかりと固定します。




青竹でネットを補強していきます。
この竹、京都にも出されてる竹材屋さんから購入します。
竹垣など竹仕事は少なくなりつつありますが、絶対に残していきたい伝統仕事です。
今回は29本使用しました。



床の勾配を計算して一本ずつ竹の長さを変えていきます。



それにしても靴下が溶けて穴が開いていくほど床が暑い!!
瓦職人の方はどうされているんでしょう・・・?



遠くの山の緑が美しい、素晴らしい環境。


ゴーヤたち、おおきくなあれ



保育園での仕事は癒されました~。
ひとりひとり性格も違って、毎日ドラマがあってね・・・。
「だれのおかあさん~?」「おねえさん、なにしょうるん?」「ショウリョウバッタつかまえれる」
いろんな疑問と好奇心に満ち溢れて、顔がキラキラしてる子どもたち。
私たちも仕事をしながら元気なエネルギーをたくさんもらいました。
親方は「おじちゃ~ん!」コールの渦で大人気!!
普段は寡黙な親方ですが、子どもたちのパワーに押されて、いちいち質問に答える姿が印象的でした。



可愛いこの子たちが大きくなる過程の中で、庭師として出会えたことが嬉しかったなー


施工後、一ヶ月ぐらいかけてゴーヤがネットを上っていきますよ。
子どもたちが少しでも涼しい環境で過ごせるよう願います。



緑のカーテンで癒されませんか?
是非おすすめします