露花便り

福山市の庭師のブログです。庭師の仕事や日々の生活の中からやさしさに包まれる出来事や気付きを綴っていきます。

「アコヤの空中ゲートの庭」始まりました!

2016-03-13 00:39:36 | アコヤの施工例
車も入れる空中ゲートをアコヤ材とアイアンで作る!

なんとも大胆でかっこいいパーゴラの庭工事が始まりました!


土曜日お店を閉めてから猛ダッシュ~ちょっと暗いけど何とか撮影できました






大工さんの職人技!




初めてお会いしたときから、不思議な感覚に包まれたHさまご家族。

どこかでお会いしたことがあるような・・・というか、もう長いことお付き合いしているような親近感(勝手に)

大切な方のご縁を通じてのご縁があったからですねご縁に感謝します!


声をかけて下さってから図面が形になるまでに時間がかかってしまい申し訳ありませんでした



デザインの段階から思い入れが入って、連日夜遅くまで図面を書いたり材料の拾い出しをしたり・・。




今回のようなお庭のリノベーション工事では、目隠ししたい場所があるのもプラス要素です。

さりげなく目隠ししつつ、奥のテラスにつながる導線の取り方次第で遠近感が生まれるように3Dでぐるぐるシュミレーション・・

回しながらどういう角度で取ったら奥行き感が出るかを試します。

そして日当たり、室内から見える風景、構造物との相性など踏まえ、どんな植物が育つと良いか想像して幸せな空想の世界へ~

二年後、三年後、十年後・・植物の生長と子供たちの成長を想像する時間が一番楽しい


犬走りコンクリート打設



大工工事スタート!








可愛い梅の花が満開です



毎年梅の花が咲くこの時期に子供たちの成長を感じられる良いお庭になりますよ

Hさま、いつもありがとうございます!引き続きよろしくお願い致します






保育園の手すりとベンチのリフォーム(アコヤベンチ)

2015-02-11 20:52:20 | アコヤの施工例
昨秋リフォーム工事が完成しました保育園の庭。



ベンチの座板には外部で強いアコヤ材を使用。
地上で50年もつといわれるアセチル化木材です。
ノンビス工法なので肌にビスが当たることもありません。



手すり部分もアコヤ材を使用。
角を面取りしてあるので手にもやさしい


既存の鉄骨柱とアコヤを止める金具はフジオさんに依頼!特注で作って頂きました。



7年前、完成しました保育園の庭。
子どもたちが触れるものなので、なるべく自然素材を使ってほしいという施主様のご要望でした。


完成当時の様子、座板は杉材。



手すりは天然木。






天然素材はナチュラルで風景に溶け込みますが、どうしても経年で傷みが出てきます。

今回のリフォームにあたって、子どもたちの安全とメンテナンスを考慮すると擬木のほうが良いのか悩みましたが、

ベンチに座って遊んだり、手すりをつかんだりした時に受け取る感覚は大きく変わります。

落ち葉が降り積もったり、斜面からの排水で傷んだりとベンチにとっては過酷な環境ではありますが、

アコヤならやってくれる!!と信じてベンチに使用しました。

もちろん、無塗装です。











施工中、子どもたちが下の園庭から興味津々で話しかけてきます。

おじちゃん、おばちゃんコールとなんでなんで質問


日曜日にはお散歩中のガアガアさんも寄ってきます。




ベンチの間の植栽スペースにはランタナが植わっていましたが、夏に暴れすぎるため花壇に植え替え、

かわりに2センチほどの小さな花をつける四季咲きナデシコを植えました。





施工後、一か月ほど経って暖かい日に伺ってみると、ベンチの上で日向ぼっこしてるネコに出会いました。

ベンチの上にはヨーグルトのカップが二つ置いてあったので、中をのぞいてみると、

水を少し入れた中に小さなナデシコの花がそれぞれ一輪入ってました。





落ち葉に埋もれてひょっこり咲いたナデシコを摘んで、カップに水と花を入れた子どもたちの姿を想像してほっこり




保育園で遊ぶ時間が楽しい思い出になりますように





アコヤ材他施工例はコチラ


団地の中の「夏木立の庭」

「アコヤの無塗装デッキ完成しました」











アコヤの無塗装デッキ完成しました!

2014-06-15 00:39:14 | アコヤの施工例
先日完成しましたアコヤ材のウッドデッキ


こんな材木の色そのままの白いデッキ見たことありますか?
大抵は塗料でベタベタに塗ったものか、ウリンなどのハードウッド、いずれにしてもこげ茶等の濃い色です。



ウッドデッキ良いですよね。
庭にもお部屋がもう一つ増えたような開放的な空間です。

家と庭を繋ぐ大切な結びの役目もあります。



唯一の難点は、塗装などのメンテナンスが大変なことと、

外部では劣化が早く耐久年数が短いことです。

せっかくお金をかけて憧れのウッドデッキを作ったものの、

数年で腐って使えなくなるぐらいなら、最初から作らない方がマシ

というお話を聞きますが、私も全く同感です。



でも、塗装のメンテナンスが不要で、耐久年数が数十年あるとしたら、

ウッドデッキは他に代わるものがない魅力的な空間だと思います。


特に小さな子供さんのいるご家庭やご年配の方には、段差がなく庭に出られることで

行動範囲が広がり、生活に楽しみが増えることに繋がります。



今回お勧めしたのは、水に強いアコヤ材で作る無塗装のデッキ。



触り心地も踏み心地も柔らかくて気持ちいい。




アコヤは無水酢酸と呼ばれる酢の成分と化学反応させることで耐不朽性能を向上させた高機能木材です。

特に水に強く、地上で50年、水中で25年もつと言われています。




こちらのお宅は以前ウッドデッキを作られたそうですが、わずか5、6年で腐ってしまい取り壊されました。


 施工前


軒から張り出したデッキ部分は数年前に腐って撤去。

軒下部分は濡れ縁のようにデッキが置かれていましたが、

材木や基礎など安価で傷みやすいものが使用されていました。

デッキの下地の処理もなく、水勾配が取れていないので地面の水がデッキに集まり材木が腐りやすい状況でした。


施工後


柱、大引き、床板、幕板等全てアコヤで作製したウッドデッキ。

根がらみのみサーモウッドを使用しました。



それではウッドデッキの施工手順を簡単にご説明していきますね



ウッドデッキは組立の前に必ず下地を調整します。

コンクリートを打って勾配で水を逃がしても良いのですが、今回は水に強いアコヤを使用するので

下地の予算を削減し防草シートと砂利で自然排水する方法を選びました。

防草シートは強力タイプでないと、効果が持続しません。

デッキの下に草が生えると湿気が溜まるうえ、材木も傷みやすく不衛生になります。

縁の下の力持ちと言いますから、目には見えない部分が最も大切なところです



下地が出来たら基礎を設置し固定します。

基礎が全てのレベルや通りを出すので、丁張りは丁寧に。

アコヤはウリンやイペ等のハードウッドに比べるととても柔らかいので、大引きのピッチは600前後でとります(厚み26の場合)


基礎が固まったら防草シートを貼りバラスを敷き均します。





大引きと柱を固定して基礎に取り付けた後、通りを合わせて根がらみを取り付けます。

床板はノンビス工法。足にビスが当たることがないので安全で見た目もスッキリしています。




幕板を付ける前の側面から見た様子。

柱に取り付けた根がらみはサーモウッド、大引の下に取り付けた幕板のガイドはアコヤです。




幕板を取り付けて完成!



一段降りるとアンティークレンガのテラスに繋がります。






施主様はデッキに足を伸ばして直に座られ、風に吹かれながら

「気持ちいいからここにずっと座っていたい」とおっしゃられていました





デッキは外部で使う以上、当然雨染みや土、コケなどで汚れてきます。

材木は枯れてくるとグレイ色に変わっていきます。


普通なら、そうなるとどんどん腐って材がもろくなるため不安になりますが、アコヤは腐りにくい。



汚れて風化しても強度を保ち続けるということは、家族と一緒に何十年も暮らしていけるということです。





色が永遠に変わらないならプラ材と一緒です。

いろんな価値観の方がおられると思いますが、私は何十年経っても色が変わらないなんて作り物で味気ないと感じています。






アコヤで作った本物のウッドデッキ。

これから年数かけて汚れていくことが、なんと楽しみなことでしょう!










デッキが完成しましたので、親方は岡山県瀬戸内市の現場へ帰られました。


私はこちらに残り、引き続き鉄錆アンティークレンガの目地詰めです


















やさしいバラの庭

2013-06-02 22:47:03 | アコヤの施工例
今日は雨が降ったり止んだりの梅雨空でしたね

時折やんでは、またぱらぱらと降る優しい雨でした。


今日の打ち合わせでご提案したのは「やさしいバラの庭」









ここにいるだけで優しい気持ちになれるようなバラと樹に包まれる空間。










「バラを愛する人に悪い人はいないですよね。」施主様のひとこと。



そうですね、私も同感です。






バラはね、ほっといたら綺麗になりません。



中には痩せ地でも美しく咲く品種もあります。


原種のノイバラは誰にも何もされなくても素晴らしく美しく咲いてますが、


多くの交配された品種は、肥料をあげたり、剪定したりして手間暇かけて育てます。


病気にもかかるし虫の駆除も必要です。



そんな風に手入れして咲いた花は可愛いです。



子供と一緒。




人が育てたお花を鉢ごと取ったりする人がいるって聞きますが、そんなことするの信じられません。



バラを一生懸命育てている人は、育ててる人の気持ちがわかるから

そんなことできないと思う。





お花は取ったり奪ったりするものではありません。



育てた苦労があるから、咲いた姿に感動するんです。


手をかけた子には愛着がわきます。





他人には見えない愛おしい時間が流れているのです。





そんな空間を想像してイメージイラストを描きました。




貴婦人が超ロングドレスで競い合うバラの庭も圧巻ですが、



私はやっぱり風景に溶け込むやさしいバラの庭が好きだな







「ナエマ」






「マダムフィガロ」













「ギー・サヴォア」






「ビエ・ドゥー」





打ち合わせからの帰り道、雨の中カッパ着てバラの剪定されてる女性を二人、見かけました。



楽しくなって、思わず「Singin' In The Rain」を口ずさみました。



バラにとっては避けたい雨ですが、それもまた良いな。






植物を一生懸命手入れしてる姿は美しいです。














「見晴らしの庭」のカエルと睡蓮は喜んでました




それではこの辺りで。



明日は広島です