露花便り

福山市の庭師のブログです。庭師の仕事や日々の生活の中からやさしさに包まれる出来事や気付きを綴っていきます。

庭師と花師とお庭番

2014-08-24 18:56:17 | 日記
岡山県真庭市にある樹齢千年といわれる桜をご存知ですか?


その桜は丘の上に立つ一本の桜で、元弘2年(1322年)後醍醐天皇が隠岐配流の際この桜を見て賞賛したという謂れから「醍醐桜」の名がついたそうです。



13年程前、初めてこの醍醐桜に出会いました。

当時園芸業界で働いていましたが、この桜の足元に立ったとき、何故か江戸時代ぐらいの庭師や職人、いろんな人の営みが走馬灯のように目の前に浮かんで流れていきました。

素晴らしい日本庭園を前にしたわけでもなく、一本の桜を見ただけですが、日本人として心を鷲掴みにされたような物凄い衝撃を受けました。

そのことがあってから、日本の庭や庭師について考えるようになりました。



当時の園芸業界はイングリッシュガーデンブームで猫も杓子もイングリッシュガーデンでしたが、日本に生まれて素晴らしい庭文化があって、大切に受け継がれてきてるのになんでイングリッシュガーデンなんだろう・・と思うようになりました。

私も長い年月かけて大切に受け継がれてきた歯車の一部になりたいと思い、庭師を目指すようになりました。


それから数年かけて勉強し造園学校に通い、現場で使える資格をいくつか取りました。


京都で修行された親方の影響でさらに「庭師」という職人の奥深さを知り、一層憧れや羨望が強くなり今に至ります。




もう一つ影響を受けたのは、朝井まかてさんの小説「ちゃんちゃら」




江戸時代の庭師が仕事や人間関係を通して成長していくお話です。



まかてさんが描く世界はフィクションですがあらゆる文献に裏付けされていて、石組みや流れ、植栽、庭を構成する全てのものに江戸時代の職人たちがどれだけ真剣に向き合っていたのかを鮮明に見せ付けられます。


まかてさんの作品ではシーボルトの庭の園丁になった熊吉のお話、「先生のお庭番」と花師が登場する「花競べ」にも庭師として感情移入してしまいます。






庭の中で問題にいきあたったとき、何故そうするのか分からないでいたことがたくさんあります。

まかてさんの本を読んでからは、そんな問題解決の助けになるというか、何が間違いで何が正解なのか自分なりに答えが浮かんでくるようになりました。




ちなみに最近の親方の愛読書。





日本建築は人を迎えるための建築だそうです。

庭は外と建築を繋ぐ重要な役割があります。

素晴らしい先人達が本に書き留めて残してきたことを出来るだけ知ることが答を探す手がかりになると思います。

「数寄屋住宅礼賛」私も是非読みたいと思います。




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大雨土砂災害

2014-08-24 12:11:22 | 日記
8月としてはありえない程雨が続いています。

今日はまだ降っていませんが、たった今も福山・尾三地域にも大雨洪水警報が発表されました。

福山などの東部は西部ほどの雨量はありませんが、家のすぐ近くを流れる山南川の水位は高く、

台風と大潮が重なった時には明け方まで市役所に電気が灯り、消防が警戒をされていました。




先日の広島の土砂災害では多くの方々が亡くなられました。

真夜中に突然土砂に襲われる恐怖と、人間の力ではどうすることもできない無力さに胸が締め付けられます。

亡くなられた方々のご冥福をお祈りしますとともに

まだたくさんの方々が行方不明のままですので、全員の方が一刻も早く救出されることを願います。



なんとか無事だった方々も家の中に土砂が入り込み、生活の目処がたたない状況です。

昨日は700人から800人のボランティアの方が集まり、土砂を土嚢に詰めたりバケツリレーで

運んだりされましたが、まだまだ全然人数が足りないそうです。




親方はここ半年、日曜日も仕事を休むことはありませんでしたが、

今日は有志の方々と土砂を運ぶために広島へ行かれました。




普段土を触る仕事がら、水を含んだ土を取り除くことがどれだけ重く重労働になるかよくわかります。

私も同じ広島県民として何かできることがあれば力になりたいと思います。



まだ二次災害の危険が続いていますので油断できません。

避難所に避難されている方々も危険を承知でその場所を修理して住み続けるかどうかの選択という岐路に立たされておられます。






毎年水不足を心配して雨を心待ちにする季節でしたが、

なんとか土砂災害の危険がなくなるまで雨が降らないよう祈る毎日です。


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長さ3メートルの大型枕木プランター「樹箱kibako」

2014-08-24 07:20:19 | 大型プランター製作販売

古い日本家屋をリフォームされたお客様からのご依頼で

長さ3メートルの大型プランターを製作しましたのでご紹介します。





ご依頼の家はとても立派で、価値のある本物の日本建築ですが、

古い庭を解体して更地にされたため、ガランとした殺風景な空間になっていました。

本来なら大きな梅の木や太く立派な松が青々と茂り、広い庭の中は空も見えないほどの木陰だったに違いない・・・。




植物を植えたいけど子供が小さいうちは地植えはせず広く使いたい・・・

でも何もないのは寂しい・・・ということで、いざという時には移動できる大型のプランターをお勧めしました。

お若いご夫婦が住んでおられるとは思えないような重たい雰囲気を明るくしつつ、

建物や矢掛石の石階段など既存のものにも合うように

重厚感のある枕木を使ったオーダーメイドのプランターです。





里山工房で1.5メートルのプランターを左右組み上げたところ。



現場で真ん中で繋ぎ合わせるための加工に一手間かかりますが、

この手間をかけることで狭いスペースやマンションのベランダ等への搬入が可能になりました。



今回は和風建築なので、ステンレスビスの色を目立たさず黒を使う予定でしたが、

施主様の雰囲気に合わせて明るく垢抜けるようにとシルバーのトラスを使用しました。




玄関前は脚付きプランターがお出迎え。



脚はクルクル回して高さ調節可能!

でこぼこの自然石の上でもしっかりと固定できます。




テーマは「緑のみずみずしさと実のなる幸せ」



花ものはあえて使わずに丈夫で手間のかからない実ものと緑のコントラストで仕上げました






一年後



愛情をかけて育てられたのが良くわかる・・管理も素晴らしい!










Yさま、高梁市からお声をかけてくださってありがとうございました!

枕木プランターが家族と一緒に時を刻み、風化して味が出る頃には

子供たちもずいぶん大きくなっているでしょうね

虫を追いかけていた虫取り網を懐かしく眺める時も来るでしょう


そうしたら香りのある花や紅葉など季節ごとに楽しめる植物を植えて眺めるのも良いですね。


ゆっくりゆっくり時間をかけて育てていきましょう。

また植物で困ったときには私を思い出して下さいね。




訪れた方とご家族が植物の緑に包まれて癒される空間になるよう願っています






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アプローチの石貼り作成中

2014-08-09 22:25:23 | 庭仕事
台風11号が接近していますがみなさま対策は万全ですか?

かつてない程の大雨特別警報が出ている地域もありますね。


私もずぶ濡れになりながら、バラを軒内に取り込みました。

親方は岡山の現場の植木を心配されています。


どうか何事もなく無事に通り過ぎてくれますように!



雨続きでなかなか進みませんが、

現場ではアプローチの石貼りに入りました。






京都の町家で出た古材の板石や倉根石をベースに岡山産の御影石を加工して一石ずつ合わせていきます。

細かい合わせを一人で作業されるため、チェーンブロックが久しぶりに登場しました。




私は北東側通路の板石の目地詰めと雪見窓のための植栽中です。





砂利は岡山県高梁川の天然川砂利、濡れると美しいです。

常緑のアセビや寒椿、ツワブキ、ササキ、クマザサに加え、千両や万両の実ものを少し足しました。
冬から春にかけて植物で季節を感じられるよう構成しています。

あと少しタマリュウやフッキソウ等の下草を植えます。



年数が経ちラカンマキの生垣の芽が詰まってきたら、置燈籠を配すると良い高さに石を据えています。


お盆までにアプローチを完成させたかったのですが、打ち合わせや剪定、雨の影響等でまともに来れておらず、遅れています

気は焦りますが、親方はこだわりを貫くようですので、誰にも止められません



施主様にはとても良くして頂いているので、何とか仕事でお返ししたい一心です。


まだまだ続きますがよろしくお願いします!!











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