露花便り

福山市の庭師のブログです。庭師の仕事や日々の生活の中からやさしさに包まれる出来事や気付きを綴っていきます。

アコヤの無塗装デッキ完成しました!

2014-06-15 00:39:14 | アコヤの施工例
先日完成しましたアコヤ材のウッドデッキ


こんな材木の色そのままの白いデッキ見たことありますか?
大抵は塗料でベタベタに塗ったものか、ウリンなどのハードウッド、いずれにしてもこげ茶等の濃い色です。



ウッドデッキ良いですよね。
庭にもお部屋がもう一つ増えたような開放的な空間です。

家と庭を繋ぐ大切な結びの役目もあります。



唯一の難点は、塗装などのメンテナンスが大変なことと、

外部では劣化が早く耐久年数が短いことです。

せっかくお金をかけて憧れのウッドデッキを作ったものの、

数年で腐って使えなくなるぐらいなら、最初から作らない方がマシ

というお話を聞きますが、私も全く同感です。



でも、塗装のメンテナンスが不要で、耐久年数が数十年あるとしたら、

ウッドデッキは他に代わるものがない魅力的な空間だと思います。


特に小さな子供さんのいるご家庭やご年配の方には、段差がなく庭に出られることで

行動範囲が広がり、生活に楽しみが増えることに繋がります。



今回お勧めしたのは、水に強いアコヤ材で作る無塗装のデッキ。



触り心地も踏み心地も柔らかくて気持ちいい。




アコヤは無水酢酸と呼ばれる酢の成分と化学反応させることで耐不朽性能を向上させた高機能木材です。

特に水に強く、地上で50年、水中で25年もつと言われています。




こちらのお宅は以前ウッドデッキを作られたそうですが、わずか5、6年で腐ってしまい取り壊されました。


 施工前


軒から張り出したデッキ部分は数年前に腐って撤去。

軒下部分は濡れ縁のようにデッキが置かれていましたが、

材木や基礎など安価で傷みやすいものが使用されていました。

デッキの下地の処理もなく、水勾配が取れていないので地面の水がデッキに集まり材木が腐りやすい状況でした。


施工後


柱、大引き、床板、幕板等全てアコヤで作製したウッドデッキ。

根がらみのみサーモウッドを使用しました。



それではウッドデッキの施工手順を簡単にご説明していきますね



ウッドデッキは組立の前に必ず下地を調整します。

コンクリートを打って勾配で水を逃がしても良いのですが、今回は水に強いアコヤを使用するので

下地の予算を削減し防草シートと砂利で自然排水する方法を選びました。

防草シートは強力タイプでないと、効果が持続しません。

デッキの下に草が生えると湿気が溜まるうえ、材木も傷みやすく不衛生になります。

縁の下の力持ちと言いますから、目には見えない部分が最も大切なところです



下地が出来たら基礎を設置し固定します。

基礎が全てのレベルや通りを出すので、丁張りは丁寧に。

アコヤはウリンやイペ等のハードウッドに比べるととても柔らかいので、大引きのピッチは600前後でとります(厚み26の場合)


基礎が固まったら防草シートを貼りバラスを敷き均します。





大引きと柱を固定して基礎に取り付けた後、通りを合わせて根がらみを取り付けます。

床板はノンビス工法。足にビスが当たることがないので安全で見た目もスッキリしています。




幕板を付ける前の側面から見た様子。

柱に取り付けた根がらみはサーモウッド、大引の下に取り付けた幕板のガイドはアコヤです。




幕板を取り付けて完成!



一段降りるとアンティークレンガのテラスに繋がります。






施主様はデッキに足を伸ばして直に座られ、風に吹かれながら

「気持ちいいからここにずっと座っていたい」とおっしゃられていました





デッキは外部で使う以上、当然雨染みや土、コケなどで汚れてきます。

材木は枯れてくるとグレイ色に変わっていきます。


普通なら、そうなるとどんどん腐って材がもろくなるため不安になりますが、アコヤは腐りにくい。



汚れて風化しても強度を保ち続けるということは、家族と一緒に何十年も暮らしていけるということです。





色が永遠に変わらないならプラ材と一緒です。

いろんな価値観の方がおられると思いますが、私は何十年経っても色が変わらないなんて作り物で味気ないと感じています。






アコヤで作った本物のウッドデッキ。

これから年数かけて汚れていくことが、なんと楽しみなことでしょう!










デッキが完成しましたので、親方は岡山県瀬戸内市の現場へ帰られました。


私はこちらに残り、引き続き鉄錆アンティークレンガの目地詰めです


















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