【時事(爺)放論】岳道茶房

話題いろいろだがね~
気楽に立寄ってちょ~

高速無料化実験がスタート

2010年06月28日 | ニュース政治
高速無料化実験がスタート=全国37路線50区間で-国交省

 全国37路線50区間の高速道路を対象にした無料化社会実験が28日午前0時に始まった。期間は来年3月末までで、自動料金収受システム(ETC)搭載の有無にかかわらず、全車種が対象。国土交通省は、渋滞の変化や他の交通機関への影響などの分析を進め、2011年度以降の無料化の扱いを決める。

 無料化されたのは、道央道(北海道)や高知道(高知県)など地方の路線。宮崎県内で整備中の東九州道2区間も開通後に対象に追加され、合計距離は最終的に1652キロメートルとなる。有料区間では、「休日上限1000円」などを含む現行の料金体系が続く。

 高速無料化は、民主党が昨年の衆院選マニフェスト(政権公約)で掲げた目玉政策。物流コストの引き下げや地域経済の活性化が狙いで、参院選投票日前の実施は選挙対策の意味合いもありそうだ。ただ、今回の無料化区間は全体の2割にとどまっており、効果は未知数だ。

 無料化区間ではこれまで通り、ETC利用者は、カードを車載器に挿入してETC対応レーンを通過し、現金利用者は料金所で一端停止し、通行券を受け取る必要がある。社会実験のデータ収集に必要なためで、高速各社は注意を呼び掛けている。

2010/06/28 時事通信

【6/28】ざくろ

2010年06月28日 | 誕生日の花

6/28誕生花「ざくろ」Punica granatum
花言葉 円熟した優美、子孫の守護

塗林安石国(ペルシア)からやってきたという意味で、安石榴とも書きます。乾燥した国でみずみずしいざくろの実は、なによりの贅沢だったのではないでしょうか。

■今日生まれのあなたは・・・
異性にもてたいという願望が強い人。つい、ぶりっこ的な行動をとってしまいがちかも。あまりわざとらしいネコかぶりは、逆に安っぽくみえるだけですので、気をつけてください。

○貿易記念日
1963(昭和38)年、自由貿易推進の為に閣議決定し、通商産業省(現在の経済産業省)が実施。
1859(安政6)年5月28日(新暦6月28日)、江戸幕府がロシア・イギリス・フランス・オランダ・アメリカの五か国に、横浜・長崎・箱館(函館)での自由貿易を許可する布告を出しました。
貿易に携わる企業だけでなく、ひろく国民全般が輸出入の重要性について認識を深める日。 
○パフェの日
1950(昭和25)年、巨人の藤本英雄投手が日本プロ野球史上初のパーフェ
クトゲーム(完全試合)を達成したことに因み、「パフェ(parfait)」がフランス語で「完全な(パーフェクト)」という意味であることから。

紙パック チンしてこんがり焼き魚

2010年06月27日 | ニュース一般
チンしてこんがり焼き魚 小林製薬の“魔法”の紙パック

 電子レンジのマイクロ波が当たると高温になる紙パックに、切り身魚を入れる。約3分間加熱すれば、焦げ目の付いた焼き魚が出来上がる。小林製薬の「チンしてこんがり 魚焼きパック」は昨年9月の発売以来、今年5月までの販売個数が二百万個(出荷ベース)を突破し、3億5千万円を売り上げた。1パックで2回使えるほか、捨てるだけで後片付けも要らない。小さなヒット商品は、社員のちょっとしたひらめきから生まれた。

 「電子レンジで魚を焼けたらいいのに」

 開発部の石野哲朗さんがふっとこんなことを口走ったのは、1人暮らしで自宅に魚焼きグリルがなく、焼き魚を食べる機会があまりなかったからだ。社内の倉庫で冷凍食品をレンジで加熱するときに使うシートを発見したとき、焼き魚の調理に応用することを思いついた。

 マーケティング部で開発企画を担当する十田哲郎さんに相談すると、十田さんは「焼けるかな」と半信半疑だった。しかし、研究所でシートを使って焼いてみた結果、うまくいった。経営トップが出席する新商品提案の会議で発表し、商品化が決まったのは昨年2月だった。

 しかしその後、試行錯誤が続く。「どうすれば毎日家庭で使ってもらえる商品になるのか」。十田さんは形や大きさの異なる、約40種類の試作品をつくった。行き着いたのが上下から挟み込み、熱を効率的に伝える現在の形だ。シートとの密着度を高めるためきちんと閉じられるようにロック機能を付けるなど、細かい部分に神経を使った。
    ■
 この仕様で商品化に耐えられるかどうかを確かめる評価試験は、石野さんが担当した。スーパーで切り身魚を買い込み、どんな種類の魚でも焼けるかを確認していく。古いレンジや海外製のレンジで試すなど、何度も安全性を確かめた。

 評価試験とともに、技術開発部の青木誠さんが量産手続きを急ぎ、7月には商品として出せることが決まった。

 同社の新商品開発にかかる時間は、平均すると13カ月だという。これに対し、「チンしてこんがり 魚焼きパック」はおよそ5カ月。「これは売れる」という手応えと期待の大きさが社内の開発スピードを加速させたようだ。

 販売開始から売れ行きは好調で、第1陣として用意した90万個は10月下旬、品薄状態となった。マーケティング部の八木孝樹さんは「うれしい悲鳴だった」と振り返る。

 当初、想定した購買層は自宅にグリルのない単身者や、焼き魚を調理した後の片づけに不満を感じる30~50代の主婦だった。

 しかし、ふたを開けてみると、「火をつけているのを忘れて焦がしてしまう心配がない」(八木さん)との理由で高齢者の人気が高かった。切り身魚を取り扱う業者から「販売促進につなげたい」といった引き合いが舞い込むなど、反響は予想以上に広がった。
    ■
 4パック入りで315円。1つ約80円。「スーパーなどで調理した総菜の焼き魚は200円前後が多い。しかし、魚焼きパックならばできたてが食べられる。決して割高ではない」(同)との受け止めが多いという。共働きや単身世帯の増加はもちろん、健康志向の高まり、外食をやめて家で食事をする「内食化」の進展といった変化の波が、人気の源泉のようだ。

 今年3月には、一度に2枚の切り身魚が焼ける大判タイプと、同じ要領で鶏の空揚げが調理できる「チンしてこんがり から揚げパック」も販売。売り上げは好調という。

 不況に強いとされる日用品業界だが、深刻な消費不振は業績の足かせともなっている。生き残っていくには「チンして」シリーズのように機能性の高い、新たな視点の商品投入が求められる。

 開発チームをまとめる十田さんは、「新しい食の習慣を提案し続けたい」と話す。パイオニア精神で市場を切り開く同社の快進撃はまだ続きそうだ。(中村智隆)
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 【チンしてこんがり 魚焼きパック】紙パック内の上下にあるアルミで特殊加工したシートが、電子レンジのマイクロ波によって200度前後まで発熱し、挟み込んだ切り身魚を加熱する。500ワットの出力で塩サバや塩ザケなら3分20秒、サンマやアジの開きなら2分40秒で焼き上がる。焼き上がった身がシートに付くこともあるが、油や酢を塗ればはがれやすくなる。シートに使われるアルミは薄く加工されており、加熱時に火花を散らす危険性はない。

6月27日 産経新聞

スポーツ常識のウソ(2)「急な柔軟体操はケガのもと」

2010年06月27日 | 健康
【医の常識非常識】スポーツ常識のウソ(2)「急な柔軟体操はケガのもと」

 前回はスポーツの最中に水を飲んではいけないというのはウソという話をしたが、今回は柔軟体操が健康にいいという常識を取り上げたい。中高年になると体が固くなり、前屈をしても床に手が届かなかったり、手が思うように回らないといった方が多くなる。

 そうしたことから体が固くならないために柔軟体操をはじめる中高年の方が少なくないが、ケガにだけは気をつけてほしい。日頃からほとんど体を動かしていない中高年の方がいきなり柔軟体操をはじめると、捻挫や肉離れといったケガを起こしかねないのだ。そうならないためには、あまり無理をしないで少しずつ固くなった体をほぐしていくことが大切である。

 柔軟性とは、筋肉や関節といった運動装置の動き具合や動く範囲のことをいう。体が固くなるのは筋肉や関節などの運動装置がサビてしまった結果といえる。その証拠に生まれたばかりの赤ちゃんの体が固いといった話は聞いたことがない。

 体の固さは関節を取り囲む筋肉や腱が関係している。前屈で腹筋が収縮して背筋が伸びることからわかるように、腹筋と背筋の強さとバランスが大切になる。普段からスポーツなどしなくても体が柔らかい方は、日ごろから筋肉や関節を動かしているに違いない。

 日常生活の中にも背伸びをしたり、かがんだりといった柔軟体操に負けない動きがいくらでもある。体が固くなってしまった方は、いきなり柔軟体操をせず、まずは手はじめにストレッチングからはじめるといい。

 ストレッチングで体がある程度まで柔らかくなれば、関節の可動範囲が広くなると同時に関節がよく動くようになる。その結果、筋肉の弾力性が高まり、ケガをする可能性も低くなる。「健康には柔軟体操」でなく「急な柔軟体操はケガのもと」というのが、スポーツ医学の正しい常識である。

2010.06.14 ZAKZAK
中原英臣・新渡戸文化短大学長

税収 4年ぶり見込み額上回る

2010年06月27日 | ニュース政治
<09年度税収>1.8兆円増 4年ぶり見込み額上回る

 国の09年度一般会計税収が、昨年12月の補正予算時点で見積もった額(36兆8610億円)を約1.8兆円上回り、38.7兆円前後となることが26日、分かった。税収が見込み額を上回るのは4年ぶり。景気の持ち直しに伴う企業業績の回復が主因だが、08年度の税収実績(44兆2673億円)は大幅に下回っており、国の財政が依然厳しい状況にあることは変わりがない。

 09年度は当初予算時に46兆1030億円の税収を見込んでいたが、08年秋のリーマン・ショック以降の急激な景気の落ち込みで企業業績が大幅に悪化する見通しになったため、昨年12月に9兆円を超える下方修正に追い込まれた。

 しかし、その後はアジア向けを中心とする輸出の増加や、エコポイントなどの政策効果で景気は回復基調を徐々に強めており、企業業績も改善。法人企業統計によると、10年1~3月期の企業は11四半期ぶりに増収増益となった。この結果、法人税や消費税収が、昨年12月時点の見込み額を上回った。

 近く09年度一般会計決算が公表されるが、税収の上ぶれなどによる剰余金が発生した場合は、10年度の歳入に繰り入れられる。また、10年度当初予算は税収見積もりを37兆3960億円としているが、09年度の上方修正によって、上ぶれする公算が大きくなった。

 ただし、09年度は金融危機に対応した約14兆円の補正予算などで、同年12月の2次補正後の国債発行額は53.5兆円に上り、税収を大幅に上回っている。10年度も国債発行額が44.3兆円と、税収見積もりとの差は大きく、税収上ぶれによる財政の改善効果は限られそうだ。【久田宏】

6月27日 毎日新聞

首相 新たな連立含め模索

2010年06月27日 | ニュース政治
首相、新たな連立含め模索 参院過半数割れの場合

 【トロント共同】菅直人首相は26日夜(日本時間27日昼)、カナダのトロントで同行記者団と懇談し、7月11日投開票の参院選で与党が過半数割れした場合について「政権運営がなかなか難しい状況になる。他党といろいろな形で話し合うことが必要だ」と述べ、新たな連立も含めて対応を模索する考えを示した。

 参院選の勝敗ラインには「(改選の)現有54議席をいかに超えていけるか。その考えは変わっていない」と強調。54議席以上を獲得できなかったときの責任に関しては「基本的には人事を尽くして天命を待つ気持ちだ。全力を尽くしたい」と述べるにとどめた。

 参院選後の内閣改造・党役員人事にも「選挙に全力を尽くす。それ以外に考えていない」と言及を避けた。

 消費税を含む税制抜本改革に関する超党派の議論に関し「参院選が終わった段階で、あらためて提起したい。了解があれば、早い段階で議論を始めたい」と意欲を表明。財政再建に絡み「公務員や地方分権、そういう制度論にもいよいよ踏み込む。それが第一の柱だ」と述べた。国家公務員の人件費削減を念頭に置いた発言とみられる。

2010/06/27 共同通信

人間の本能?「鬼ごっこ」が人気

2010年06月27日 | ニュース一般
今、「鬼ごっこ」が熱い 映画やテレビで引っ張りだこ

 ■追う、逃げる…人間の本能刺激

 「鬼ごっこ」が熱い。27日にはフジテレビ系で不定期に放送されている人気バラエティー番組「逃走中」の新作が登場するほか、映画「リアル鬼ごっこ2」(柴田一成監督)も全国公開中だ。昔ながらの追いつ追われつの単純な遊びに、なぜ人は引かれるのか。

 「逃走中」は平成16年に放送が始まった。東京の台場や渋谷などを舞台に、指定時間内にハンターから逃げ切ると賞金が手に入るというゲームだ。放送開始時からかかわっている企画の高瀬敦也さんは「私も小さいころは鬼ごっこでよく遊んでいたが、今までの鬼ごっこと違う全く新しいゲーム」と胸を張る。

 27日午後7時放送の新作では、19人の逃走者が、昔話の住人たちがのんびりと暮らす「とある都」で90分間逃げ回る。逃走者には、「番組に出たかった」という女子フィギュアスケートの浅田真央が初参戦。高瀬さんは「心理戦やリアクションの面白さを楽しんでほしい。視聴者から子供が外で元気に遊ぶきっかけになったという投稿があって、うれしかったですね」とほほ笑む。

 「追う者、追われる者を描くことは映画の原点」と語るのは、「リアル鬼ごっこ2」の柴田監督だ。全国の「佐藤さん」が鬼に追われて殺されるという山田悠介のホラー小説を映画化した続編で、柴田監督は前作に引き続いて手がけた。

 前作でゲームに勝ち残った男子高校生(石田卓也)が、新作では別世界で再び追われる。「前作では走るシーンをカーアクションのようなカメラワークで撮ってスピード感を出したが、今回は『インディ・ジョーンズ』のようなアクションを目指しました」と言う。

 柴田監督も「鬼ごっこは幼少時に何回も遊んでワクワクした」と振り返るが、今月設立された「鬼ごっこ協会」理事の羽崎貴雄さんは「逃げる者を追いかける、または追いかけられて逃げるという行動は人間の本能的なもの」と語る。

 スポーツ鬼ごっこは、フィールド内で2チームが鬼ごっこをしながら敵陣地の宝(得点)を奪い合うゲーム。青少年の健全育成やコミュニケーション能力の向上をめざし、羽崎さんの父で城西国際大の羽崎泰男教授が考案した。

 同協会では世界にスポーツ鬼ごっこを普及させ、20年後のオリンピックの正式種目を目指している。「鬼ごっこ」からますます目が離せない。(伊藤徳裕)

2010年6月26日 産経新聞

民主党は消費税増税の理由を誠実に説明せよ

2010年06月27日 | 情報一般
田原総一朗の政財界「ここだけの話」
民主党は消費税増税の理由を誠実に説明せよ

 先週の本コラム(『消費税増税で菅首相は国民を説得できるか』)を書きながら、菅直人内閣の支持率は落ちるのではないか、私はそんな気がしていた。

■菅内閣発足からたったの2週間で支持率が下落

 報道機関の世論調査を見ると、菅内閣支持率は、NHKが61%から49%(6月21日発表)、朝日新聞が59%から50%(21日朝刊)、読売新聞が59%から55%(同)へとそれぞれ下落。テレビ朝日の報道ステーション・ANN世論調査に至っては、何と58.7%から45.3%(19、20日調査)へ急落した。私の予感は当たったわけだが、それにしても菅内閣発足から2週間でこんなに落ちるとは……。

 菅内閣が6月8日に発足した直後、内閣支持率は鳩山政権末期に比べて軒並み3倍強に上昇した。支持する理由は、小沢一郎さんが民主党幹事長を辞めたから、ということにほぼ尽きる。山積する問題は何も解決していないにもかかわらずに、だ。だから私には、菅内閣の支持率は非常に危ういものに思えたのである。

 なぜ支持率が大幅に下がったのか。民主党幹部に話を聞いてみたところ、彼らの見方はおおむね次の2点であった。

 一つは消費税の問題である。菅さんは、自民党が参院選公約に盛り込んだ10%を「参考にさせていただきたい」と述べた。やや消極的な表現だが、消費税率10%を打ち出したことで支持率は下がってしまった、という見方だ。

■参院選を最優先した民主党の国会運営

 もう一つは、6月16日に通常国会を閉会してしまったことである。自民党をはじめ野党からは、内閣が代わったのだから会期を延長して審議を継続すべきだという声が強かった。民主党内でも一時期は、参院選の投票日を7月11日から25日に延ばそうという声も上がっていたが、結局、審議をせずに会期通り閉じてしまった。メディアが「民主党は逃げ切りを図り、参院選への突入を最優先している」と厳しく批判したため支持率が落ちた、という見方である。

 国会の会期については、民主党には民主党の言い分があると私は思う。仮に2週間延長したとしても、自民党など野党は法案審議をする気などなく、たいした議論は行われなかっただろう。

 野党が狙っていたのは、荒井聰国家戦略相の事務所費問題を徹底して攻めること。あるいは「政治とカネ」の問題で小沢一郎さんや鳩山由紀夫さんの証人喚問を求めること。そう、予想された。

 事実、それまでの国会でも野党の攻めどころは「政治とカネ」の問題ばかりで、法案審議は一向に進まなかった。だから会期を延長したところで、たいした審議もないまま2週間が過ぎてしまうという判断があったのだろう。「政治とカネ」の問題で2週間も国会を延長するなんて、民主党にとって良い影響は何もない。

 民主党内では特に参院議員から会期延長に反対する声が強かった。鳩山内閣のときは、7月の参院選で民主党は30議席に届くかどうか、とさえ言われていた。参院議員会長の輿石東さんなど民主党の大物は、ほとんど落選するのではないかと言われ、危機感は相当強かったのである。

■消費税で選挙に負け、首相のクビが飛んだ自民党時代

 ところが、菅内閣になったとたんに支持率が60%を突破した。「このままなら50議席以上、いや、うまくすると60議席近くまで伸びそうだ」と、鳩山内閣のもとで諦めかけていた人たちが息を吹き返したわけだ。だが、せっかく上がった支持率も時間が経てば下がってしまう。そのため、民主党の参院議員から会期延長に反対する声が強く上がったのである。

 新聞やテレビは、これを「国会審議をやらずに選挙に逃げた」「国会軽視である」と批判した。新聞やテレビが常に批判に回ることを私は良いとは思っていないが、彼らの批判が支持率の低下に影響を与えたことは確かだろう。

 消費税の問題に戻ろう。民主党はずっと野党であったため、消費税の怖さがわかっていなかったのではないか、と私は思う。

 消費税の導入は1989年4月のことで、竹下登首相のとき。その直後の89年7月の参院選で自民党は負けた。そして、97年4月に消費税を3%から5%に増税したのは橋本龍太郎首相で、これも98年7月の参院選で負けた。それ以後、自民党は「消費税を上げれば選挙に負ける」「首相の生命が絶たれる」と非常に怖がって、ついに消費税増税ができなかった。

■小泉内閣かその次の内閣で消費税率増税をすべきだった

 小泉純一郎さんが首相のとき、私は小泉さんに次のように言ったことがある。いわゆる「郵政解散」総選挙(2005年9月)で大勝したあとの話だ。

 「自民党総裁の任期はあと1年あるのだから、消費税率を引き上げるべきだ。消費税5%の国なんて、ほかの先進国には例がない。たとえばドイツやフランス、イギリスは20%近いし、スウェーデンなど北欧三国は25%だ。日本は、消費税率が低くて税収が少ないから借金が多くなる」

 それに対して、小泉さんはこう答えた。

 「消費税を上げないことを公約にして選挙に勝った。次の内閣では消費税を上げないといけない」

 ところがその後、安倍晋三氏、福田康夫氏、麻生太郎氏と続き、彼らは消費税問題に腰を据えて取り組む間もなく次々と首相を交代した。結局、消費税は変わらなかった。

 私は、小泉内閣か少なくとも次の内閣で消費税を上げるべきであった、と考える。09年、藤井裕久さんがまだ財務相だったとき、消費税を上げるなら税率はどれくらいかと聞いてみた。藤井さんは「とっかかりとして13%から14%程度」と答えた。

 消費税を上げれば必ず選挙で負け、総理大臣のクビが飛ぶ。自民党はそれが怖くて、消費税問題に取り組めなかった。09年9月に政権交代を果たした鳩山内閣も、消費税は次の選挙までは上げないと言ってきた。

■国民に誠実に、命がけで説明すべきだ

 2010年度予算は、税収が37.4兆円、国債発行額が44.3兆円である。借金が税収よりもはるかに多いこの状態は、09年の衆院選マニフェストで掲げた政策を実行するなら来年はもっと悪化する。

 消費税がいかに怖いものか。その認識が欠けていた民主党は、論理でもって政策を進めるべきだと考えていたのだろう。だが政治というものは、論理的ではない部分がとても多い。鳩山内閣の支持率は10%台にまで落ちたが、小沢さんと二人が辞任して60%を超えた。これは論理ではない。

 私は消費税率を引き上げるべきだと考えているが、そのためには、なぜ引き上げなければならないのかを国民に誠実に、命がけで説明すべきだと思う。

 6月22日、日本記者クラブで9党首の討論会が行われた。それを見て私は、菅さんの印象が非常に薄いと感じた。それに先立つ17日の参院選マニフェストの記者会見で消費税について言及し、それに対して野党やメディアから批判が強かったからだろうか。大人しくしていようとでも思ったのだろうか。あるいは、自信がないのだろうか。

 それはともかく、国民は消費税増税に強く反対する。仮に消費税を上げても政府がムダに使ってしまうだろうと疑っている。政府に対する不信感が強いのだ。また事業仕分けによって、独立行政法人や特殊法人にムダの多いことがはっきりとわかった。国民は、行政つまり官僚組織にも多くのムダがあるのではないか、と感じている。

■連合に支援されている民主党に公務員制度改革ができるのか

 消費税増税をやる前にムダを徹底的に省かなければいけない。民主党は、国家公務員の人件費を2割、地方公務員の人件費を2割削減し、国会議員の数を衆参合わせて120人減らすと言っている。

 だが、民主党は本気にそれを考えているのか。民主党の最大の支持団体である連合(日本労働組合総連合会)には国家公務員や地方公務員が大勢いる。その連合に支援してもらっている民主党に公務員の人件費削減が実現できるのか。菅さんの言葉には、リアリティーがないのではないか。

 消費税を上げる前に、いかにムダを削減していくのか。なぜ消費税を上げなくてはならないのか。そうした説明をもっと一生懸命にやらないと、民主党の支持率はもっと落ちるだろう。

 一方、消費税増税に反対を唱えている野党の理由が、正直言って私にはわからない。国の借金がさらに膨らんでもいいのか。「消費税を上げれば景気が回復しない」「年収200万円以下の人が1000万人を超えている。これを何とかしろ」「消費税の前に法人税を上げろ」──社民党や共産党など野党のこうした発言は、国民の耳にはあたりが良いかもしれない。だが、国の借金が880兆円を超え、国内総生産(GDP)比で180%超にもなり、国の財政は破綻に向かっているのだ。国が破綻すれば、国民は大変苦しい思いをすることになる。

 そういう危機意識が日本にはない。国民にも、おそらく欠けている。それだけに、民主党はなぜ消費税増税が必要なのかを、必死になって訴えなければならない。私はそう思う。

 消費税についてどう訴えるかで、7月11日の参院選での民主党の議席がどれくらい増えるか、あるいは減るかが決まるのだと思う。

2010年6月25日 日経BP

仕分けアピール枝野流の選挙戦術

2010年06月27日 | ニュース政治
「小沢流」と一変、「枝野流」選挙戦術

【断面 2010参院選】

 ■公務員削減で連合と関係悪化も

 多くの人々が集まる繁華街で「顔」を売り、無党派層を狙う民主党の枝野幸男幹事長の選挙戦術は、これまで同党の選挙戦を仕切ってきた小沢一郎前幹事長のスタイルと大きく異なっている。小沢氏は都市部よりも農山村部を重視するとともに、労組の組織票にも気を配ってきたが、枝野氏は同党最大の支持団体、日本労働組合総連合会(連合)本部の幹部との選挙区行脚も手控えている。枝野氏の登場で、民主党の選挙戦は様変わりしつつある。

 同じ民主党にありながら、枝野、小沢両氏の戦術は水と油ほどの違いがある。枝野氏が選挙向けに強調するのは、民主党政権発足以来の最大の成果と位置づけている「事業仕分け」の重要性。連合は仕分け自体には反対していないが、枝野氏の姿勢を突き詰めれば、公務員人件費の2割削減問題など、公務員労組を抱える連合の利害と対立する可能性がある。

 「幹事長になるまで事業仕分けの最前線に立った。今後は(行政刷新担当相の)蓮舫さんがビシビシやっていく」

 枝野氏は25日、数百人の買い物客が見守る福井市内のデパート前の街頭演説で事業仕分けの成果をアピールした。「客寄せパンダになる」と周囲に語る枝野氏は今後、全国の街頭演説で事業仕分けをテーマにする考えだ。

 菅直人首相は21日の記者会見で、蓮舫氏、公務員制度改革担当相を兼任する玄葉光一郎政調会長、国会議員定数削減を担当する枝野氏の名を挙げた。首相に「3人の名前を出し、無駄削減をアピールすべきだ」と進言したのが枝野氏だった。3人とも40代で、党刷新を印象付ける狙いがある。半面、新執行部と連合の関係は疎遠になった。枝野氏は連合の古賀伸明会長と選挙区行脚を実施することで合意はしたが、いまだに日程は決まらない。そのため、連合内には「支持団体と距離を置こうとしているのか。小沢氏と同じような関係が築けるか不安だ」(産業別労組幹部)との疑心暗鬼が広がっている。

 一方、小沢氏は25日、青森市内の「連合青森」を抜き打ちで訪問、連合との深い関係をアピールした。さらに、枝野氏と対照的に青森県平川市の山村地域でわずか25人ほどの聴衆に次のように語りかけた。

 「民主党は都会の連中ばかりいるという感じをもっている人が多いが、そうじゃない。地方の声を政治に生かしたい」

2010年6月26日 産経新聞

感無量の号外

2010年06月27日 | コラム
【編集局デスク】感無量の号外

 昨日の朝、出勤途中の名古屋の地下鉄車内で眠そうな顔つきの人が目立った。「いよっ、ご同輩、あなたも三時起きか」。眠気と戦いながらも満足げな表情の人が多い。何とも見事なサッカーW杯南ア大会デンマーク戦の勝利であった。

 中継テレビの瞬間最高視聴率は、名古屋地区で39・8%に達したという。ある程度は予想できた。午前三時すぎにマンションのベランダに出たら、ご近所の部屋の明かりが次々にともるのが見えた。引き分けでも決勝トーナメント進出とあって、期待する人が多かったらしい。

 その期待に日本イレブンは応えてくれた。あるいは期待を上回る快挙だったのかもしれない。

 後味の悪い事件が頻発している。角界に広がる野球賭博汚染、多くの人を殺傷した元期間従業員によるマツダ工場暴走事件、自分の子に食事を与えず、意識不明の状態にした名古屋市天白区の両親による育児放棄事件。こういう報道に接して、日本の将来を案ずる人もいただろう。

 そういう暗雲を振り払ってくれるニッポンの活躍だった。「まだまだ日本は大丈夫だ」。こうした思いは小惑星探査機「はやぶさ」の帰還時にも感じた。地球から太陽までの四十倍にあたる六十億キロメートルもの「宇宙の旅」を可能にしたイオンエンジンの開発技術で日本は最先端にあるという。

 W杯に戻ると、本紙の号外を眺めながら感慨にふけっていたら、名古屋グランパスファンの知人から電話があり、一部わけてほしいという。「名古屋駅周辺で待っていたがあっという間になくなり手に入らなかった。自宅の壁にはって毎日拝もうと思っていたのに」

 二十九日のパラグアイ戦は午後十一時の試合開始なので朝刊の最終版に間に合うため、号外を発刊する予定はない。寝不足もなさそうである。

2010年6月26日 中日新聞 編集局デスク
名古屋本社編集局長・志村 清一

パチンコの原型発明の会社が破産

2010年06月27日 | ニュース一般
パチンコの原型発明の会社が破産

パチンコの原型「正村ゲージ」正村商会が自己破産

 現在のパチンコ台の原型とされる「正村ゲージ」を発明したパチンコホール経営の老舗、正村商会(名古屋市西区)が事業を停止し、弁護士に自己破産などの事後処理を一任したことが分かった。同社は、正村ゲージの特許を申請しておらず、巨額の富を得られなかった。負債額は約11億6400万円という。

 帝国データバンクによると、正村商会は1941年創業。本社ビルでパチンコ店を経営していたほか、観光ホテルなどの運営も手がけ、ピークの2005年4月期には売上高36億9700万円を計上した。

 しかし、大手パチンコチェーンの出店攻勢で客足が落ち込み、業績が悪化していた。

 創業者の正村竹一氏は、それまでクギが均等に並んでいるだけだった台を改良し、パチンコの娯楽性を高めた。50年ごろ、盤面の上部に4本のクギを並べた「天クギ」や、八の字にクギを並べて入賞口に玉を誘導する「はかま」などアイデアを盛り込んだ正村ゲージを生み出した。

 ところが、特許を申請しなかったため、同業他社や遊技機メーカーが相次いで「正村式」のパチンコ台を製造し、パチンコ人気に火がついた。

 現在、1億円以上の役員報酬の開示が進み、遊技機メーカーの経営陣が相次いで1億円以上の報酬を報告している。

 もし、同社が特許を取得していれば…。経営者の教訓となりそうだ。

2010年06月26日 ZAKZAK

消費税を問う 「第三の道」真贋見極めよ

2010年06月27日 | 社説
消費税を問う 「第三の道」真贋見極めよ

 ■大きな政府と成長阻害は困る

 消費税問題が参院選最大の焦点になっている。自民党に続き、民主党の菅直人首相がこれまでの税率引き上げ反対方針を転換したからだ。昨年の衆院選のマニフェスト(政権公約)を反故(ほご)にした説明責任を果たさねばならないが、方針転換自体は間違っていない。

 日本の長期債務残高は国、地方合わせて860兆円を超し、国内総生産(GDP)の1・8倍と、先進国に例のない破綻(はたん)寸前の水準まで悪化した。これは国民が享受する行政サービスという「受益」と「負担」のギャップが積み重なった結果である。

 しかも、高齢化社会の急進展で年金、医療、介護といった社会保障の必要財源は急増し、このままでは受益と負担の不均衡拡大で社会保障制度の維持が困難になる。国民の将来不安はここに根差しており、社会保障財源を確保しつつ財政健全化を図るしかない。

 安心を提供する社会保障には安定的、かつ国民全体で負担できるような財源がふさわしい。それは税収が景気に左右されにくく、若年層から老人まで負担する消費税以外にあるまい。

 その税率は5%と、北欧諸国の25%はもちろん、欧州連合(EU)主要国の20%前後より格段に低い。これが「中福祉・低負担」と指摘されるゆえんであり、税率引き上げの必要性に議論の余地はないだろう。

 ≪あるべき社会保障像を≫

 問題は菅首相の消費税引き上げ論が生煮えで、その使途の方向性もおかしいことだ。

 菅氏は税率について「10%が参考になる」とし、引き上げ時期については「2~3年後かその先」と述べている。しかし、この発言は「当面10%」という自民党への対抗上なされたもので、給付と負担のバランスなど社会保障制度のあるべき姿を考えて導いたわけではない。

 もっと理解に苦しむのは、増税の理論的根拠となっている「第三の道」と称する「増税による成長」論だ。確かに1990年代の欧州では増税が成長政策になった。とくに、イタリアでは市場が増税などで財政健全化が進展すると判断、2ケタだった長期金利が半分に低下して成長を支えた。

 ただ、これはあくまで増税が財政健全化に結びつく場合で、日本でも金利上昇の抑制や株価上昇に効果を発揮しよう。だが、「第三の道」はまったく違う。

 消費税など増税による収入を医療や介護、環境の分野に投入する。それで雇用と消費を増加させ成長と税の自然増収を図るという。先進国に例のない実験だが、果たして説得力を持つのか。

 そもそも、こうした需要サイドへの財政出動は波及効果が小さい。貯蓄に回れば効果が減殺されるからで、成長政策というより社会政策に近い。となると、税収増もあまり期待できないから、残るのは大きな政府と財政健全化の停滞ということになりかねない。

 ただ、重荷であるはずの医療や介護は貴重な成長分野になり得る。需要は必然的に拡大するからで、問題はこれをどう産業化するかだ。そのカギは混合診療の解禁をはじめとした規制改革だろう。こうした具体的手順のない机上の「第三の道」の真贋(しんがん)を見極めることが重要である。

 ≪時期は景気回復が前提≫

 貴重な消費税の増税収入はどう効率的に使い、どう財政健全化に役立てるかに尽きる。自民党は社会保障目的税化を打ち出しているが、民主党と同様に診療報酬を大幅に引き上げるという。歳出は抑制すべきは抑制しないと増税に歯止めがかからなくなる。

 消費税引き上げのタイミングも極めて重要である。不況の中で引き上げれば経済活動に負荷がかかるからで、景気回復を前提にするのが妥当だろう。それには麻生太郎政権時代にまとめた税制「中期プログラム」が参考になる。

 財政健全化工程に合わせて2011年度引き上げを目指したが、前提には「景気回復」を置いた。その認定条件は潜在成長率の達成を意味していた。税率もいきなり10%でいいのか、それとも「たちあがれ日本」がいうように8%程度から始めるべきなのか。

 菅氏は確たる案を示していないが、「野党と協議して今年度内に抜本改革案をまとめる」としたうえで、引き上げる際は「国民に信を問う」と述べた。ならば、改革案がまとまり次第、解散総選挙を実施することを明言すべきだ。

 消費税引き上げが本気なら、その覚悟を国民に示してほしい。

2010.6.27 産経新聞 主張 

6/27産経抄

2010年06月27日 | コラム
6/27産経抄

 鴨緑江を挟んで北朝鮮と国境を接する中国の丹東の丘に朝鮮戦争の記念館がある。ちょうど60年前に始まったこの戦争で中国は途中から約20万の「義勇軍」を投入、鴨緑江近くまで迫った米軍などを南へ押し返した。その戦いを称(たた)える館(やかた)なのだ。

 数年前ここを訪れると、北朝鮮からも見えるという高い塔が立っている。「なぜこんなものを」という質問に、中国人ガイドが真顔で答えた理由に驚いた。「北朝鮮は中国軍のおかげで独立を保てたのに、今はそれを忘れたみたいだ。思い出させるための塔なのです」。

 半ばジョークだったのかもしれない。だが歴史を巧みに外交に利用する、いかにも中国らしい発想に思えてならなかった。つまり、何十年も前の戦争の「恩」を繰り返し押しつけることで、北に服従を迫る。その結果、自らの国際的地位も高まるという計算だろう。

 その中国で、朝鮮戦争が北朝鮮の侵攻で始まったことを認める特集記事が国際情報週刊紙に掲載されたという。この「北侵攻」説は、国際社会では「常識」である。ところが中国では今も公式には、戦争は「米韓の帝国主義による侵略」ということになっているのだ。

 中国にしてみれば、そうでないと義勇軍を投じた「正義の戦い」ではなくなってしまう。北に対する「圧力」もおぼつかなくなるからだろう。だが北朝鮮侵攻説を載せた週刊紙は国営新華社通信の傘下にあるという。国の歴史観見直しの兆しなのかもしれない。

 むろん、これが中国の対北外交変更につながるかも分からない。だが日本人にとっては、中国が振りかざしてきた歴史観がいかに政治的なものかを知るいい機会だろう。特にそれを金科玉条のように、押し戴(いただ)いてきた一部の人々にとっては。

◆W杯 ウルグアイ8強一番乗り

2010年06月27日 | ニュース一般
ウルグアイ8強一番乗り、W杯 2―1で韓国に競り勝つ

 【ポートエリザベス(南アフリカ)共同】サッカーのワールドカップ(W杯)南アフリカ大会第16日は26日、ポートエリザベスでベスト8を懸けた決勝トーナメント1回戦が始まり、1次リーグA組1位のウルグアイがB組2位の韓国に2―1で競り勝ち、8強一番乗りを果たした。

 ウルグアイの準々決勝進出は1970年大会以来10大会ぶり。韓国は2大会ぶりのベスト8入りを逃した。

 C組1位の米国はD組2位のガーナとの顔合わせ。

 E組を2位で突破した日本は29日にF組1位のパラグアイと対戦する。

2010/06/27 共同通信

消費税論戦 確かに随分変わった

2010年06月27日 | 社説
論調観測・消費税論戦 確かに随分変わった

 自民党が惨敗し、参院で与野党が初めて逆転したのは1989年7月の参院選だった。この年春導入された消費税やリクルート事件など自民党には逆風が吹き荒れ、消費税廃止を訴えた旧社会党が躍進した。当時の自民党幹部は「この逆転状況は21世紀になってもなかなか解消できない」とぼやいたものだ。

 「予言」通りというべきか。自民党は以後一度も参院で単独過半数を確保できず、連立時代を迎え、昨年、戦後初の本格的な政権交代に至る。その後の日本政治に大きな影響を及ぼした参院選だったとつくづく思う。

 「日本も随分、変わったものだ」。今月23日の毎日社説はこんな書き出しとなっている。もちろん今回の参院選の最大焦点が消費税率の引き上げとなったことを指す。しかも、民主党と自民党がそろって言い出した。選挙で増税を口にするのはほとんどタブーだった従来の政治風土を考えれば画期的な変化だ。

 現実に政権を担ってみて財政再建の緊急性を認識した民主党。従来の「何でも反対」ではない「責任野党」だとアピールしたい自民党。双方が結果的に足並みをそろえたのは政権交代の効果でもあろう。この2大政党以外の多くの党が増税に反対する、かつてない構図である。

 先週の本欄でも紹介した通り、東京新聞が「行政の無駄を徹底的に削ることが先決」と主張しているほかは、在京各紙は「必要とあれば正面から国民に負担増も求める」という今度の消費税論議を前向きに評価する社説を掲げている。

 菅直人首相は「消費税率10%」とする自民党の提案に乗り、「超党派で議論を」と繰り返している。これに対し、「増税分をどう使うか」(朝日)、「税率10%の根拠や新たな財源を何に使うのかはなお不明確」(日経)などと注文している点でも各紙は一致する。税制や社会保障制度改革の全体像、つまり日本の将来像を各党がどう具体的に描くか。それが今度の選挙を決するということだろう。

 有権者には悩ましい選挙に違いない。だが、この20年余で有権者の意識も大きく変わり、政治を見る目は一段と厳しくなっている。ブームと呼べる現象も見当たらない今回。毎日社説が指摘したように「有権者の眼力」が試される選挙でもある。

 無論、争点は消費税だけでない。毎日新聞は選挙中、地方分権や地球環境など忘れ去られている課題も掘り下げて論じていくつもりだ。みなさんの選択の一助となればと願っている。 【論説副委員長・与良正男】

2010年6月27日 毎日新聞