二銭銅貨

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二人のフォスカリ(日本オペラ振興会)2023

2023-10-25 | オペラ
二人のフォスカリ(日本オペラ振興会)2023

作曲:ヴェルディ、指揮:田中祐子
演出:伊香修吾、美術:二村周作
演奏:東フィル
合唱:藤原歌劇団合唱部/新国立劇場合唱団/二期会合唱団
出演:フランチェスコ・フォスカリ:押川浩士
   ヤコポ・フォスカリ:海道弘昭
   ルクレツィア・コンタリーニ:西本真子
   ヤコポ・ロレダーノ:杉尾真吾

合唱から始まる。重唱、多重唱の多いオペラで、合唱と重唱を楽しめた。あらすじがシンプルなので観客に飽きさせないような演出は難しそう。舞台には装置らしきものがほとんど無く、スクリーンのようなものに文字や映像を映し出すだけだった。衣装は黒ずくめで、現代風のカジュアルなスーツっぽいものを使っていた。唯一、主役が総督在位中に羽織るコートと円錐形の帽子だけが赤だった。ただし3幕目冒頭の合唱は庶民が楽しむカーニバルだったので、この部分だけはカラフルでカジュアルな衣装に目元だけを隠すマスク着用。演出は凝ったものでは無く、基本的に歌唱を重視するものでこちらもシンプル。ちょっと演奏会形式に近い感じ。

押川はやや鼻にかかったような声質にも聞こえたが声量のある良い響きが気持ちよく出ていた。海道は声量のある綺麗な声のテノール。西本は声が低く聞こえてメゾっぽいと感じたが、安定していてかつ情熱的な歌唱。合唱の時の声も良く通っていて気持ち良かった。杉尾は硬質で良く響くバス。大変に良かった。事務的で慇懃無礼な小悪党の芝居を綺麗に決めていた.

演奏はしっかりと安定した感じ。歌唱優先でバランスが良く、迫力あるところもしっかりと演奏されていてメリハリが効いていた。カーテンコールでの田中は「やり切った」という感じで、少々感激しているようだった。オケに盛んに拍手していた。

23.09.10 新国立劇場、オペラパレス


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