ニルヴァーナへの道

究極の悟りを求めて

最近の状況

2007-12-22 02:43:32 | 

最近、やっと時間がとれるようになり、読書やブログへの書き込みもできるようになりました。まあ、こういう環境は、来年の正月の三日間ぐらいまでということでしょう。

仏教関連の本では、現在ロバート・サーマンの「現代人のためのチベット死者の書」を読んでいます。前半の仏教やチベットの死の科学についての解説は非常に分かり易くて勉強になるのですが、その解説の箇所の後半のチベット人の死の技術の解説の部分になるとタントラの考え方も加わってきて、なかなかむずかしくてついていけませんねえ(苦笑)。しかし、この本の翻訳のおかげで、「死」について、もっと真面目に考えていかないといかんなあ、と思うようになったことが、収穫でしょうか。まあ、この本は、今後、何回も繰り返して読んでいく座右の書になることは間違いないでしょう。それだけの価値のある本です。

「それでも死後の意識など信じることができない、という筋金入りの物質主義者には、パスカルの「賭けの論理」を使えば、納得してもらえるのではないかと思う。死後には何もかもがなくなってしまうのなら、何か準備をしたところで、それを後悔することもないだろう。でも、死後も何ものかが存在しているのに、準備を怠ったり、いいかげんにしかしなければ、後で苦い思いや激しい悔恨に駆られることだろう。つまり、準備しなければ、苦い思いしか得られないが、準備をすれば得られることがあろうし、失うものはない。また、何もないことに対して準備をするならば、ほんの少ししか準備に時間をかけなくても、永遠に後悔することなどないことになる。そして、何かがある、と思っているなら、ビジネスや快楽にかまけて準備をせずにいれば、貴重な資源を無駄使いしてしまったと永遠に深く悔いることになるだろう。」

とロバート・サーマンは述べていますが、これと同じようなことを、オウムも言っていましたよね。オウムの市販ビデオ「死後の世界は存在するか?」は、非常に刺激的で、何回も繰り返し見たので、このパスカルの「賭けの論理」をサーマンの本で読んだとき、とっさに、これは確かどこかで聞いたことがあるぞ、と思い浮かんだというわけです。このオウムのビデオの中でも、パスカルの「賭けの論理」を語っていたはずです。

ダライラマ法王のチベット問題についてのインタビューの日本語訳を掲載していますが、ダライラマ法王と上田紀行さんとの対話「目覚めよ、仏教」(NHKブックス)は、仏教や日本仏教を考える上で、大いに刺激を受けたという感じですね。でも、日本の坊さんはなかなか目覚めないだろうな、という思いもありますねえ。
上田さんは、「宗教と現代がわかる本」の中で、日本仏教は哲学的には深みに達して壮大な大系をなしているけれども、仏教界全体が「教え」のほうを向いていて、「慈悲は説くが慈悲は実践しない」という状態に陥っており、実際の実践は「葬儀」のみだ、と批判していますが、考えてみれば、この日本仏教の「慈悲の不実践」こそが、新興宗教が起こってきた大きな要因のように思います。従来の仏教は「葬儀」のみしていればいいのであり、「現代社会の苦悩に立ち向かう社会参加宗教」として、創価学会や霊友会や立正佼成会などが存在しているのである、という考え方もできるでしょう。まあ、ある意味、それぞれが、棲み分けをしているとも考えられますね。
生長の家創始者谷口雅春先生は、「生命の実相第39巻、仏教篇」で、次のように既成仏教の実態を批判しています。

「現在の多くの宗派仏教、寺院仏教は檀徒というものを持ち、その檀徒の布施に常に寄生しながら生活している。そうして、あるいは葬式の行事をし、あるいは死骸にお経を上げるというようなことを仕事にし、生きた人を教化することを忘れてしまったのです。・・・・要するに仏教はたんなる哲学でもなければまた死骸にお経を上げ理ような、そんなくだらない無為消極のものでもない。人間に生老病死の四苦の縛がある。その縛を敢然解き放って、そうして本当に自由な人生を生き、その自由な人生をさながらに体験させるのでなければならない。」

なるほど、そうなんですよね。もともと仏教の開祖のお釈迦さんは、出家修行者は葬儀にはかかずらうべきものではない、本来やるべき修行にはげんで、人に教えを説き、悟りに導かせることが本来の仕事、というスタンスだったのだと思います。果たして、現在の日本の坊さんは仏教本来の僧侶の資格(出家修行者)があるのか、という問題があり(まあ、わたしは妻帯することに関してはそれはそれでいいのではないかという考えですが)、それに加えて、果たして、修行しているのか、という大きな問題もありますねえ。

NHKブックスでは、「ブータンから見た日本仏教」今枝由郎著も、非常に面白かったです。日本仏教を考える上で大いに参考になります。

島田裕巳先生の「日本の10大新宗教」(幻冬舎新書)も面白かったです。
PL学園出身の桑田真澄投手が信仰しているPL教団の教えなどは、なかなか知ることができませんが、この島田先生の本では、教団の成り立ちや中核の教えなどが簡潔に非常に分かりやすく、書かれており、さすが、現代日本の気鋭の宗教学者、宗教評論家だなという気がします。真如苑や真光教団や立正佼成会や霊友会など、大きな教団にもかかわらず、どんな教えを説いているのか外部の人間には知ることがむずかしいのですが、この本によって、最新の情報と共に知ることができます。自分の日本人の宗教世界についての認識が広がったという思いです。阿含宗や統一協会はカルト度が強くて、この10大新宗教には入っていませんが、問題宗教には間違いないので、また、後で、これらの団体についての本を書いてほしいものです。

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