ニルヴァーナへの道

究極の悟りを求めて

ダライラマCNN-IBNインタビュー(4)

2007-12-31 23:59:28 | カルト
Dalai Lama - Exclusive Interview 3 (three) on april 8th



Karan Thapar: One quick question: You have been waiting patiently for 50 years to return home. Do you think in your lifetime you will see Tibet again?

ゲイカ、すぐ終る質問をさせてください。ゲイカはご自身の祖国に帰ることを50年の間、辛抱強く待っておられました。ゲイカが生きているうちにチベットへ再び帰ることができると考えていらっしゃいますか?

Dalai Lama: I think judging by today's development and developments in China, I am hopeful.

今日の状況の進展や中国国内における状況の推移を見ていますと、希望を持っています。

Karan Thapar: You are an optimist

ゲイカは楽観主義者なんですね。.

Dalai Lama: Yes, I am an optimist

そうです、わたしは楽観主義者です。.

Karan Thapar: And if you don't see Tibet again. If God forbid, you were to die without seeing your home again, would you be unhappy?

もしゲイカがチベットへ再び帰れないとしたら、もし神が禁止して、ゲイカが再びチベットへ帰れないままに亡くなったとしたら、あなたは不幸になりますか?

Dalai Lama: No problem. I am a Buddhist monk, now over 71-years-old. These several years I have trained my mind according to Buddhist teachings. Doesn't matter.

何の問題もありませんよ。わたしはただの仏教の僧侶で、現在71歳です。ここ数年来わたしは仏教の教えに従って心のトレーニングを行っています。それによって心が乱れるということはありません。

Karan Thapar: In November, when Hu Jintao visited India, the Indian Government went to extraordinary lengths to stop Tibetan protests. Tenzin Tsundue, one of your more colourful protestors, was even barred from leaving Dharamsala. Do you think that it is proper that the world's biggest democracy should have behaved in this way?

去年の11月胡錦祷主席がインドを訪問したとき、インド政府はチベット人の抵抗活動を阻止するために途方も無い措置をとりました。あなたがたの派手な抗議者の一人である、テンジン・ツンドゥーは、ダラムサラから離れることさえ阻止されました。ゲイカは、世界で最も巨大なデモクラシーの国家がこのような行動にでたことを妥当なことだと思われますか?

Dalai Lama: Usually, I publicly express that the Government of India's attitude or policies regarding China in general and Tibet in particular are overcautious. Sometimes, of course, the Government's attitude creates more resentment among Tibetans.

通常、わたしはインド政府の、総体的な中国に関しての、また、部分的なチベットに関する姿勢や政策は慎重すぎるのではないかと公に表明しています。時々、たしかに、インド政府の姿勢はチベット人の間に憤りを引き起こしています。

Karan Thapar: Has this created resentment among Tibetans?

今回のインド政府の措置はチベット人の間に憤りを引き起こしているのですか?

Dalai Lama: On several occasions in the past―sometimes due to some incident ― there has been resentment among the Tibetan community. It is then that I tell them to look at the Government of India from a holistic point to view. In certain fields, the Government of India's policies disappoints us, but if you take a holistic view, the Government's policies over the last 50 years have been very helpful.

過去において、いくつかの機会においてーーちょっとした事件のせいによってですがーーチベット人の間において憤りがありました。そのときわたしは彼らに、インド政府の行動については、ホーリスティックな(全体観的)視点から観るように言ってきました。ある分野においては、インド政府の政策はわたしたちを失望させました。しかし、ホーリスティックな視点に立つと、インド政府の過去50年のチベットに関する政策は非常に有益だったKaran Thapar: Looking at the Government of India's overall policies towards Tibet holistically—as you said—do you think that the time has come for the Indian Government to revise its Tibet policy or at least redirect it?

インド政府のチベットに対する総合的な政策をホーリスティックに眺めるならばーーゲイカがおっしゃられたようにーー、ゲイカは、インド政府はチベットについての政策の見直し、少なくとも、方向の修正を行うべき時に来ていると思われますか?

Dalai Lama: I think the Government of India's policies towards Tibet since early '50s, and particularly in '54, are difficult to change. Even if certain mistakes were committed at that time, it is difficult to change them. However, it is very important to review the policies from time to time

そうですね、インド政府のチベットにたいする政策は、50年代の初期以来の、特に、54年の政策は、変えることはむずかしいと思います。たしかに、その当時には、いくつかの失敗は行われたと思いますが、基本的な政策を変えることはむずかしいですね。しかしながら、時には、それらを再検討するのは非常に重要ですね。

Karan Thapar: So, it is important to review the policies from time to time?

つまり、ときどき、インド政府は自分たちの政策を再検討することは、重要なのだ、ということなのですね。

Dalai Lama: Yes.

はい。おっしゃる通りです。

Karan Thapar: Let me quote to you Brahma Chellaney, one of India's better known thinkers, who writing in The Times of India during the Hu Jintao visit said, "The only way that India can build counter-leverage against Beijing is to quietly reopen the issue of China's annexation of Tibet and its subsequent failure to grant autonomy to the Tibetans."

インドの著名な思想家の一人である、ブラフマ・チェラネイが、胡錦騰主席がインド訪問時にインドタイムズに書かれた文章を引用させてください。彼は
次のようの言っています。「インドが北京に対して影響力を打ち立てる唯一の方法は、静かに、中国と、中国のチベット併合とそれに続くチベット人に自治を与えることに失敗したことについて、交渉を始めることだ。」

He added that New Delhi can diplomatically make the point that China's own security and well being will be enhanced if it reaches out to the Tibetans and concludes the deal which brings the Dalai Lama back. Do you agree with that sentiment?

かれは続けて、インドは、もしインドがチベット人に援助の手を差し伸べて、ダライラマが祖国に帰ることができる協定を中国と結ぶことができれば、
中国の安全と幸福を向上させることができるという主張を外交的に証明できると述べていました。ゲイカはこの考え方に賛成されますか?

Dalai Lama: That sounds very nice, whether it's realistic or not I don't know.

それが実現できるかどうかわたしには分かりませんが、非常に素晴らしいアイデアですね。

Karan Thapar: But it sounds nice?

素晴らしいと思われるのですね。

Dalai Lama: It sounds nice.

そうでね。素晴らしいと思います。

Karan Thapar: And you wish that the Indian Government would listen to it carefully?

ゲイカはこのアイデアをインド政府が本気で考えてくれることを望みますか?

Dalai Lama: That's up to the Indian Government.

それはインド政府自身の考え方次第です。

Karan Thapar: But the smile suggests that the answer is yes, even if diplomatically you can't say so. Your Holiness, a pleasure talking to you on Devil's Advocate.

ゲイカの笑顔は、イエスだ、と示しているようにわたしには思えます。外交的にイエスとは言えないとしてもです。ゲイカ、この番組に登場していただいて、本当に楽しい会話ができました。

Dalai Lama: Thank You.

こちらこそ、ありがとうございます。

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インドの知識人の中にも、チベット問題を真剣に考えている人がいるのだな、とこのインタビューで知ることができました。
「チベットの大義」と「中国の主張」とでは、どちらに、より正当性があるのか?それは、当然、チベットの大義のほうでしょう。
チベットは暴力団によって、暴力でもって、チベットを乗っ取られているというのが、ほんとうのところでしょう。暴力を否定すする日本のマスコミはこの状況をどう考えるのか。本心を知りたいところです。
中国によるチベットへの民族浄化を許すのか?
日本にとって、これは他人事ではないのだ。
明日は、我が身なのだ。
台湾問題もしかり。


日本人が知らなさ過ぎるチベット問題

2007-12-30 01:15:51 | ダライラマ
この前、同じニュースの簡略版を紹介させてもらいましたが、完全なヴァージョンがアップされています。
上村さんの言うように、日本は中国に対して言うべきことはいうべきでしょう。
それが日本の最低限の義務だと思うのですが、中国からの仕返しが恐いのか、なぜか、チベット問題に言及することを避けようとする。
勝谷さんが暴露しているように、日本のある大新聞が来日していたダライラマとインタビューしたにもかかわらず、それを発表しないままにしたとすれば、これも大問題でしょう。いかに、マスコミが、大国からの恫喝に弱いか、よく分かるというものです。これでは、「ジャーナリスト宣言」している組織としての拠って立つ根本の哲学は一体何なのか、分からなくなります。

日本人が知らなさ過ぎるチベット問題 2-1


日本人が知らなさ過ぎるチベット問題 2-2




佐藤優氏のオウム分析

2007-12-29 15:17:38 | カルト
佐藤優氏が、「ナショナリズムという迷宮」(朝日新聞社)のなかで、オウムの「救済思想」について、興味深い分析をされている。

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魚住 ソビエト崩壊と時を同じくして、オウム真理教はロシアに進出しますよね。その頃、麻原彰晃はこの思想と出会ったんですね。

佐藤 誤解を恐れずに言えば、麻原彰晃は「宗教人」として非常にレベルの高い、カリスマ性のある人物だったと思うんです。彼はこうした終末論を真面目に受け止めて吸収し、人類の救済を真剣に考えたのでしょうね。もちろん、フョードロフの思想をそのまま移植したというわけではありませんが、ロシアに進出して以来、言説の基礎が完全にキリスト教的になっています。教団が発足したころは、輪廻からの脱却、つまり次に何かに生まれ変わるという循環から抜け出すことが中心課題だったはずです。ところが、輪廻で次によいものに生まれ変わることに積極的な価値を見出すようになってしまった。この考え方は明らかにキリスト教における復活と同じ構造だと言えるでしょう。

魚住 では、1995年の地下鉄サリン事件、あれは大量殺人とは別の側面があると?

佐藤 彼らの内在的論理では、自分たちを攻撃する警察官僚を「救済」するということになります。それは前回お話しした、オウム真理教の殺人を肯定する論理ーーオウム真理教のすばらしいドクトリンを破壊しようとしている人たちがいる。その人たちは何かに惑わされていて、そのままにしておくと彼らの魂が汚れてしまう。そうなっては、いつかわれわれの手で復活させてやるチャンスがきたときに、彼らを復活させてやることができない。それでは可哀想だ。だからいま、肉体的な生命を抹殺することによって永遠の生命を担保してあげるーーというのは、このような脈絡から生まれてきたのです。

魚住 なるほど。でもどこか倒錯していませんか。

佐藤 勿論倒錯しています。しかし、このような異常な発想は、たとえば、宗教改革を唱えたマルティン・ルターにもあります。彼は1524年に起きたドイツ農民戦争を目の当たりにして「農民の強盗団について」という論文を書いています。その内容は、一刻も早く農民を皆殺しにせよと諸侯たちに訴えたものだったんです。どういう論理構成かというと、農民たちは権威に盾突いている。これは神の意思に反することだ。これ以上放置しておくと彼らの魂が汚れ、復活できなくなる。いま皆殺しにすれば、最後の審判の日にも彼らも永遠の生命を得られるかもしれないと。

魚住 オウム真理教の論理と同じじゃないですか。

佐藤 そうです。「救済」という発想はひとつ間違うととても恐ろしいものになるんです。その発想の源泉は新約聖書にあります。100匹の羊がいて、99匹は群れをなしているが、一匹だけ外れている。その一匹を群れのなかに連れ戻すべく、羊飼いは努力をするんだと。それを積極的な価値として語っているんですね。しかしその羊は水を飲みたかったかもしれないし、寝転がりたかったのかもしれない。放っといてくれと。しかし、放っといてくれないんです。こういうキリスト教の思想に対して、決定的な異議を唱えたのが、近代の自由主義思想なんです。群れから外れた一匹の羊に関しては、他の99匹に危害を加えないかぎり放っておいてもいいじゃないかと。

魚住 麻原彰晃にはその発想がなかった?

佐藤 ええ、ありませんでした。彼にとっては教えに帰依しない人も、敵対する人も可哀想だから救ってあげないといけないんですね。

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なるほど。オウムの無差別殺人の背景には、佐藤氏が指摘しているようなキリスト教の救済の論理があったのか・・・・・。
興味深いですね。
オウム事件に関しては、タブーをなくして、いろいろな人が、考えていることを自由に発言できる環境を作っていかなければならないと思うのですが、
佐藤さんも、麻原教祖を宗教人として一定の評価をする場合には、「誤解を恐れずに言えば」という言葉を付け加えなければならないほど、まだまだ、圧力はあるのですね。それは佐藤さんも感じておられる。それでも、キリスト教神学を同志社大学で学ばれたキリスト教神学の専門家から、このようなオウム事件の分析を発言されることは、非常に参考になります。
仏教側からの地下鉄サリン事件の分析については、インド哲学者の宮元啓一先生が、仏典「ミリンダ王の問い」の中の一節を解説されながらされていましたが、キリスト教神学に基ついてされているのは、この佐藤さんの対談で初めて知りました。

佐藤さんは、この対談の中で、オウムは「モスクワのソクラテス」と呼ばれている思想家ニコライ・フョードロフの「万人復活の思想」を、「日本のある宗教学者」から紹介され、その思想に大きな影響を受けていて、それが無差別殺人の原動力になったとも語っているのだが、このあたりは、うーーん、どうなのかなあ、というのが今の率直な感じです。この対談の中で、モスクワのソクラテスフョードロフ独自の復活の思想を披瀝してくれているのだが・・・・・・。

伊東乾氏と対談する佐藤優氏




注目の新刊

2007-12-25 23:19:12 | 
わたしが注目している評論家の一人である副島隆彦氏が新刊を出されたようです。
氏のサイトに紹介されています。
http://www.snsi-j.jp/boyaki/diary.cgi

『中国 赤い資本主義は平和な大国を目指す』(ビジネス社)

<目次>

第1章 人民元(じんみんげん)の時代

まえがき…-2
人民元の買い方…-13
中国株の買い方…-16
天津の証券会社で見た現地の過熱ぶり…-22
中国はそう簡単には崩れない……26
エネルギー問題も日本の技術で解決する…-31
2008年から、いよいよアメリカの世界覇権が衰退を始める・…-40
領土問題は国家間の話し合いで解決すべき問題である…-44
アメリカ発の大暴落、その時中国は?…-50
アメリカや日本こそ統制経済を行っている…-53

第2章 中国「赤い資本主義」の深層

やはり中国は覇権を求めて進んでいく…59
中国が日本の「富国強兵」「近代化」に注目するわけ…-66
中国台頭の目的は13億人の生存のため…-74
中国は共産党と資本家たちが治める階級社会だ…-78
独裁者・毛沢東の暴走の歴史…-83
文化大革命を体験した中国人に恐いものなどない…-88
日本人は中国人と対等につき合えばいい…-92
争乱の時代なら、中国はためらわずに武力行使する…-94
他国の人工衛星を撃ち落とす権利がある!?…99
「義」の思想が分かれば、中国人が分かる…-100
民衆支配の思想「儒教」を中国人は憎んでいる…110
「無関心」という中国人の本質…-15

第3章 中国急成長の歴史と原動力

すべては郡小平(とうしょうへい)から始まった-…-125
中国は共産主義を捨て、個人が富を追求する国になった…128
いずれアメリカはアジアから去っていく…-131
今こそ日本の国家戦略を示すべきだ…-133
中国の現在…136
中国は2000年に大変貌を遂げた---137
中国が分裂、崩壊する可能性はない…-139
華僑の力…142
中国経済はバブルか?…-143
急激な成長は1990年から始まった……150
中国の発展に客家は不可欠だ…-153
世界中の華僑資本が中国に流れ込んだ…156
郡小平の南巡講話から始まる…-158
成功した深別モデルを全土に展開する…168
1997年から中国の東アジア経済属国化は始まった…170
中国の腐敗は不動産業の構造にある…174
不動産不正投資のカラクリ…-175
中国の大きな政界対立図…-184

第4章 暴落を乗り越え、着実に中国は昇っていく

中国が絶対に譲らない2つの政治問題……191
政治問題で日本が遠慮する必要はない…198
農民たちの暮らしは今も苛酷だ…200
きれいごとで事実を隠すな!…201
本当の中国の姿を私たちは知らない…206
「中国人は将来の心配などしない」…210
最も深刻な問題は水…212
1ドル=60円=2元時代がやってくる…213
不動産価格暴落の可能性…216
注目すべき主な中国株の銘柄、…220

第5章 世界覇権戦争が始まった

イスラエルVS中国世界覇権を巡る暗闘…231
イランに核技術を渡したのは中国か?…233
中国のエネルギー政策…235
ユダヤ人の反撃が始まる…-237
博打と金儲け好きの中国人が、なぜ共産主義に騙されたのか?…-238
あとがき…242

副島氏の掲示板には、著者が次のように宣伝しておられます。
かなり短期間で書き上げた本のようですが、かなり手ごたえを感じておられるようですね。

「それから、私の新刊本の宣伝である。私が、この3週間、何をやっていたかというと、この『中国 赤い資本主義は平和な帝国を目指す』(26日刊、ビジネス社)を書くことに没頭していた。私、副島隆彦が没頭して書き上げた本の威力(いりょく)を、軽視出来る者がいたら、お目にかかりたい。

私は、日本の国家戦略家(ナショナル・ストラテジスト)としての自負と矜持(きょうじ)において、この本を書き上げた。私の初めての中国研究本である。かつ突貫工事での仕上げである。これほどに自分の脳を酷使したのは久しぶりである。私は、自分の脳にものすごい自信を持った。「遂に、やり遂げたぞ」という感じである。

 この本は、私の「現代アメリカ政治思想(の全流派の)研究の本」(私の主著)に続いて、ついに、私は、私にとっての長年の暗黒大陸(あんこくたいりく)であった中国に遂に、踏み込んで、そして、緒戦(しょせん)の闘いで勝利した。悪戦苦闘の果てでのことだ。一気に、構造体としての「中国全理解」を私は、組み立てて、そして達成した。」

これからの中国を考える上で、大いに刺激を受ける本ではないかと感じています。
この本は購入します。
そして、読後感などをまたここに書き込んでみたいと思っています。



 

ダライラマCNN-IBNインタビュー(3)

2007-12-24 20:48:15 | ダライラマ
Dalai Lama - Exclusive Interview 2 (TWO) on april 8th



Karan Thapar: I understand your attitude, I understand your response to the Chinese PM. Let me now put before you a problem. You are already 71. The Chinese say the age is against you and time is on their side.

ゲイカの姿勢は理解できましたし、中国首相に対するあなたの言い分も理解できました。さて、さらにもう一つの問題をここで提示させてください。
ゲイカはもうすでに71歳です。中国は年齢はあなたの敵であり、時間はわれわれの側にあると述べています。

Dalai Lama: That's okay. The Tibet issue is not my issue–as in, not an individual's issue or "old institution" sort of interest. No, it's not

それは分かりました。チベット問題とは私の問題ではないのです、個人的な問題、あるいは、「古い制度」の問題でもないように。

Karan Thapar: So it will continue?

ダライラマの制度は将来も続いていくのですか?

Dalai Lama: Aah, whether the Dalai Lama institution will continue is up to people. As early as 69 I stated that whether the very institution of Dalai Lama should continue is up to people. This is not the issue. The issue is the six million Tibetan people.

そうですねえ、ダライラマの制度が続いていくかどうかはチベット人の意思にかかっているのです。わたしが69歳のとき、ダライラマの制度そのものが続いていくべきかどうかはチベット人の意思によるのだということを発表しました。ですから、これはもう論争議題ではないのですよ。問題は600万人のチベット人なのです。

Karan Thapar: And that is important?

それは重要ですか?

Dalai Lama: So long the Tibetan people remain, this issue–unless you solve is practically and realistically–will remain.

チベット人が存在する限り、この問題はーーチベット人が実際的に現実的に解決しない限りーー残っていくでしょう。

Karan Thapar: So in other words, don't hope that Dalai Lama will die and issue will end. The issue will continue.

つまり、こういうことですか。ダライラマが死んだらこの問題が終るのではないのだ、ずっと続いていくのだ、ということですね。

Dalai Lama: Yes, absolutely.

はい、まったくその通りです。

Karan Thapar: Let me look briefly at the other side. You've advocated a middle way but young Tibetans say the middle way hasn't produced results. They are becoming impatient and are tired of living in exile. They want a more assertive and a more aggressive policy. They even talk about the need of using violence.

少し他の側面に触れさせて下さい。ゲイカは中道を提唱されています。しかし、チベットの若い人たちは中道路線はまったく結果を伴っていないではないかと不満を語っています。彼らはせっかちになり、異郷での生活に疲れています。彼らはより確実なより攻撃的な方法を求めています。そして彼らは暴力の使用の必要さえ語っています。

Dalai Lama: Unfortunately, among Tibetan people – particularly among the youth – there are signs of growing frustration. But meantime, I tell them 'yes, you demands are right, doesn't matter'. But if they really want a different approach then they must assure us, the people the method step by step. That's not very clear.

不幸なことですが、チベット人の中にはーー特に若い人たちの中にはーー不満の増大の兆候がみられます。しかし、それに対して、私は彼らに次のように話しています。「分かりました。あなた方の要求は正しいものであり、問題はありません。」 しかし、もしあなた方が異なるアプローチを望んでいるならば、わたしたちを、チベット人を納得させなければなりませんね、どのような方法でやるのか、一歩一歩。それが明確でないのです。

Karan Thapar: So, you are challenging the youth of Tibet by saying 'I understand your impatience, but if you want to influence policy, you have to do it systematically and show method. You have to show that you are capable of leadership.'

つまり、ゲイカは焦っている若いチベット人たちに次のようなことを語りながら挑発されているわけですね。「あたた方の焦りは理解できます。しかし、もし影響を及ぼす方法を望んでいるのならば、あなた方はそれをシステマティカリーに行い、その方法を示さなければなりません。統率力を発揮できることを示さなければなりません。」

Dalai Lama: That's right

そうです。

Karan Thapar: Let me quote to you Your Holiness what you said in 2003 to a French reporter. You said 'If no results can be achieved in two or three years of negotiations, I would find it hard to explain to the young people that the middle way is effective.' Today, that two or three year period is over. Negotiations haven't started. So what do you say to the young today?

ゲイカが2003年あるフランス人の記者に語った言葉を引用させてください。ゲイカは次のようにおっしゃられましたね。「ここ2、3年の交渉の間に何の結果も達成されないならば、チベットの若い人たちに、中道路線は効果的だと説得できなくなる。」 現在、もう2,3年は経ち、交渉すら始まっていません。この成り行きをどのように若い人たちに説明するのですか?

Dalai Lama: Concrete results have not yet happened. However, the support and sympathy among the Chinese is growing.

具体的な結果はいまだに実現されていませんが、中国人の間に支援や共鳴の輪が広がっているのです。

Karan Thapar: I am not surprised Your Holiness that you see a silver lining on every cloud. Many people believe that the run-up to the Beijing Olympics of 2008 will give you the best opportunity for a settlement in China. Do you think you can grab that and make it happen or will 2008 slip away without settlement?

ゲイカ、いまさら、ゲイカが暗黒の中に一筋の光明を見る姿に驚きはしません。多くの人は北京オリンピックへの準備段階でゲイカに中国との何らかの解決がもたらされるのではないかと考えているのですが、ゲイカはこの機会を捉えて、何らかの解決がもたらされるのではないのか、あるいは2008年が何の解決もなしに過ぎ去ってしまうのではないのか、どのように考えていらっしゃいますか?

Dalai Lama: Yes, many people are appealing for that, saying that before Olympics this is a possibility and after that things may become more difficult. Firstly, as I said, this is one nations' issue, we have an election every five years. So, if youth have serious programme, they must tell the public and let them elect an assertive leader. No problem.

そうですね、多くの人たちはそのことを強く訴えています。オリンピックの前には可能性がありそれが過ぎ去れば、難しくなると。で、私がお話しましたように、まず第一に、これは一つの国の問題なのです。わたしたちは五年ごとに選挙があります。ですから、もし、若い人たちが真剣なプログラムを持っているなら、それを公表しなければなりません。そしてチベット人に明確な指導者を選ばせればいいのです。何の問題もありません。

Karan Thapar: You are throwing a challenge to the youth aren't you?

ゲイカは若い人たちを挑発しているのですか?

Dalai Lama: No, this is the truth. I admire them They are spirited, and are absolutely loyal to our nation. But sometimes they are little impatient

違います。これは真実なんです。わたしはかれらを敬愛しています。彼らは大変熱意がありますし、わたしたちの国に絶対的な忠誠を持っています。しかし、時々彼らはせっかちになってしまうのですね



南京の真実

2007-12-24 15:39:44 | 歴史
チャンネル桜の社長である水島さんが監督する「南京の真実第一部」の撮影が完了したそうです。完成試写会は来年一月25日に催されるようです。
撮影完了報告大会の模様が、ユーチューブにアップされています。

映画 南京の真実 第一部 「七人の『死刑囚』」 撮影完了報告大会【昼の部】パート1

映画 南京の真実 第一部 「七人の『死刑囚』」 撮影完了報告大会【昼の部】パート2

映画 南京の真実 第一部 「七人の『死刑囚』」 撮影完了報告大会【昼の部】パート3
映画 南京の真実 第一部 「七人の『死刑囚』」 撮影完了報告大会【昼の部】パート4

映画 南京の真実 第一部 「七人の『死刑囚』」 撮影完了報告大会【昼の部】パート5
映画 南京の真実 第一部 「七人の『死刑囚』」 撮影完了報告大会【昼の部】パート6

いわゆる「南京事件」当時、南京にいた元軍人の方々の証言は非常に重いですねえ。
わたしは、これは、まったく中国側のプロパガンダだと考えていますが、このプロパガンダが、「歴史の真実」になってしまうのが恐いですね。
日本文化を敬愛しているイギリスのコリンウィルソンですら、こんなことを書いているんですから。嗚呼!!

「1937年12月13日、日本軍は中国中央部の南京に入城し、「近代の集団テロのもっとも残酷な行為の一つ」とされるものを始めた。二ヶ月におよぶ迫害と陵辱と殺害の地獄絵図である。中国の兵士は軍服を脱ぎ、一般人にまぎれこんだ。武器を身につけていなければ、日本軍に殺されずにすむと彼らは考えた。しかし、日本軍は彼らを狩り出し、機関銃による大量処刑を開始した。死体ーー約二万と伝えられるーー
が山積みされ、その上に石油をぶちまけて火が放たれた。まだ息のある人間もかまわず焼き殺された。兵士と区別がつかないため、民間人も大量に虐殺された。女は囲い地に連行された。そこは日本軍による陵辱の修羅場と化した。11歳から80歳までの女約二万人が犯され、多くが腹を割られ内蔵をつかみ出されて息絶えた。・・・・・・二ヶ月が経過すると南京の死者は五万を超えた。周辺部を含めるとその数はやがて二十万に達した。」
「世界残酷物語下」(青土社)より

ウィルソンさん、これはちょっと酷いんじゃありませんか。
わたしは、あなたの本の愛読者ですが、いくら読者へのサービス精神を発揮するとしても、プロパガンダに騙されていいわけではないですよね。
これはいくらなんでも酷いですよ!!
かつて、ウィルソンさんは、歴史家が時と空間の深淵を超えて、歴史の現場へとトロンスポートされてその歴史の現場を目撃したというトインビーの体験を紹介されて、そのような神秘的な超能力を「歴史家のX機能」と呼んでいました。
「南京事件」に関しては、中国側の主張は殆ど嘘のプロパガンダだと日本の歴史家によって解明されています。南京事件を研究する歴史家には残念ながらトインビーのような、時空を超えて歴史の現場にトランスポートされるような「X機能」を持った歴史家はいないと思います。ほとんどが、嘘八百を唱えるだけの二流の歴史屋です。そんな人の歴史の本を信用しないように願います。地道な、実証的な、北村さんや、東中野さんのような歴史家の本も読んでほしいと思います。そういう真摯な歴史の真実に迫ろうという情熱を持った人だけが歴史の真実に迫れるのだと思います。うれしいことに、北村さんや、東中野さんの本は英訳されて出しています。

それでは、日本人はこの歴史の嘘に対して、どのようにして戦っていけばいいのか。
櫻井よしこさんは、「日本よ、「歴史力」を磨け」の中で、

「先ず、世界がいま、新しい座標軸で展開し始めたことを認識しなければならない。20世紀は軍事力が最も強力な支柱として政治力を支えてきた世紀だ。中国やロシアの現状を見つめれば、軍事力は、21世紀においても引き続き極めて重要な役割を担うであろう。とはいえ、21世紀は政治力を支える要素が軍事力だけの世紀では、あり得ない。軍事力を凌駕する力としての「歴史力」に注目せざるを得ないのである。20世紀という近現代史をどう評価するのか、という「歴史力」「歴史解釈力」こそが、21世紀の国家の盛衰と、その命運を左右するだろう。」

と述べていますが、この認識があるからこそ、トルコはアメリカ議会でのアルメニア人虐殺非難決議に、あのように敏感に反応し、アメリカに対してこんな内政干渉まがいの非難決議をするなら自国の軍事基地を使用させないぞ、おどしをかけたのでしょう。あのトルコの行動を見ていると日本政府や外務省の、なんという鈍感な姿勢なのだろうという溜息しかわいてきませんなあ。
日本のラスプーチンこと、佐藤優さんは、「外務官僚の能力低下と不作為が日本の国益を毀損(きそん)している。」と述べているがその通りだと思う。

嘘のプロパガンダに対抗するためには、まずは、「歴史の真実」を執拗に追い求めていく意思が必要だと思う。
「南京事件」に関しては、最近、いろいろ参考になる本や雑誌の特集が出ているが、宝島社からも、「別冊宝島「南京大虐殺」という陰謀ーー中国プロパガンダの正体ーー」が出ています。

ダライラマCNN-IBNインタビュー(2)

2007-12-22 22:24:38 | ダライラマ

Dalai Lama - Exclusive Interview 2 (TWO) on april 8th





ダライラマCNN-IBNインタビュー(1)

ダライラマCNN-IBNインタビュー(2)
ダライラマCNN-IBNインタビュー(3)


Karan Thapar: The Chinese say one other thing, Your Holiness. They say you keep calling for demilitarisation of Tibet, you keep calling for removal of all settlers from Tibet. They say again, this is an attempt to achieve independence by the subterfuge, by the backdoor.

ゲイカ、中国側はもう一つ言っています。彼らは、あたながチベットの非武装地帯化を主張し続けていること、チベットからのすべての移住者の立ち退きを主張し続けること、これは、巧妙な口実による、裏口からの独立を達成する試みではないのかと、彼らは言っています。

Dalai Lama: No. I think they did not carefully read my statement in the eighties. The meaning eventually was–and it was an agreement that India or neighboring states agreed to–that Tibet should hopefully be a zone of peace and must be demilitarised. I just said it as a dream, it’s my dream.

ダライラマ:それは違います。彼らは私の80年代の声明を注意深く読んでいません。その意味するところは結局のところ、ーーそれはインドや近隣の国々も賛成してくれた合意なのですーーチベットは願わくは平和の地帯であるべきであり、非武装でなければならない、ということです。私は、それを一つの夢として語ったのです。それは私の夢なのです。

Karan Thapar: It’s not a condition?

 それは条件ではないのですね。

Dalai Lama: No, not now.

ダライラマ:そうです。現在では、もう条件ではありません。

Karan Thapar: It’s a dream for the future, not a condition?

 それは将来の夢であり、条件ではないのですね?

Dalai Lama: Yes, it’s a dream.

ダライラマ。そうです。それは夢なのです。

Karan Thapar: One other thing: you have called for what you say a “high-level autonomy” for “real autonomy” in Tibet. The Chinese say Tibet already enjoys autonomy under China. What is it that you want and Chinese haven’t given? Where does Chinese autonomy fall short?

もう一つお聞きします。あなたは、あなたのいうところのチベットにおける「真の自治」のための「高度の自治」を主張しておられます。中国側は、チベットはもうすでに中国下において自治をエンジョイしているではないかと言っています。あなたが望んでいること、中国側がまだ与えていないものは何ですか?中国の自治にはどこが欠けているのでしょうか?

Dalai Lama: I think many visit Tibet including many Chinese. When they reach Lhasa, they realise that Tibet is actually ruled by terror. The autonomy is not that. The Tibetan should have their final authority except foreign affairs and defence. The rest of the business Tibetans can handle, may be even batter, because they know Tibetan mentality and geographical situations.

ダライラマ:多くの人がチベットを訪れています。その中には多くの中国人もいます。ラサに到着したとき、訪問者はチベットは事実上恐怖によって統治されていることが分かります。自治とはそういうものではありません。チベット人が、外交と防衛を除く、最終の権威を持つべきなのです。チベット人が扱うことができるその他のビジネスはもっとよくなります。なぜなら、チベット人は自分たちのメンタリティーや地理上の状況を知っているからです。

That's what I am seeking. On paper, yes, there is autonomy. But in reality, every key position is occupied by the Chinese who have no idea of Tibetan culture or Tibetan habits or mentality. Of course, there's no question (of understanding) the value of Tibetan spirituality.

今お話したことが私が望んでいることです。書類の上ではたしかに自治は存在します。しかし、現実は、あらゆる核となる地位は、チベットの文化や習慣やメンタリティーについて何も知らない中国人が占めているのです。勿論、チベットの精神性の価値についても知りません。

Karan Thapar: And here this is a condition. This is not a dream for future. This has to happen now.

今、おっしゃられたことが条件なんですね。これは将来の夢ではなく、今すぐに実現されなければならないことですね。

Dalai Lama: That's right.

そうです。

Karan Thapar: This is very important.

これは非常に重要なことですね。

Dalai Lama: That's right.

そうです。

Karan Thapar: And when the Chinese say they have given autonomy to Tibet, you say that's not autonomy, the Chinese have given terror.

中国側がチベットには既に自治は与えていると主張するとき、あなたは、それは自治ではなく、恐怖であると主張するのですね。

Dalai Lama: That's right. At the moment the rule of terror is the reality of Tibet.

そうです。現在、恐怖による支配はチベットの現実なんです。

Karan Thapar: One other thing Your Holiness. The Chinese say you keep calling all Tibetan-speaking people outside the boundaries of Tibet to be incorporated in a large Tibet. They say that is impractical, it's never happened in history, it can't happen today.

さらにお聞きしたいことがあります、ゲイカ。中国側は、あなたはチベットの国境の外でチベット語を話すすべての人を大チベットに組み入れるべきだと求めていると言っています。そして、その要望は実行不可能であり、歴史上においてもそういうことは起こっていないし、今日においても起こりえないと主張しています。

Dalai Lama: As I mentioned earlier, we are not looking at history. Today's reality is that the danger of diminution of our culture is being felt in all parts of Tibet. So all the six million Tibetans are very much eager to preserve their own culture, language and spirituality. Therefore, we here in free countries–morally speaking and also in reality–are acting on behalf of these people.

先にもお話ししましたように、われわれは歴史論争をしているのではないのです。今日の現実はチベットの文化の消滅の危険がチベットのあらゆる場所で感じられるということなんです。ですから、チベットの六百万人すべてが自分たちの文化や言葉や精神性の保存に非常な危機感を持っているのです。
それで、チベットの外の自由な国にいるわれわれチベット人がチベット国内の人たちのために道徳的な観点から、そして実際的な観点から行動しているのです。

So therefore, since we are not seeking independence or separation, we are very much satisfied if they provide us certain rights within the ambit of autonomy. We are very much working with the Chinese. Our main concern is preservation of our culture, spirituality and environment.

それで、わたしたちは独立や分離を求めていないのですから、もし中国がわれわれに自治の範囲内でしかるべき権利を与えてくれるならばわたしたちは大いに納得するのです。わたしたちは中国の人たちと共に大いに前進していくことができるのです。わたしたちの最も懸念していることは自分たちの文化であり、精神性であり環境なのです。

Karan Thapar: Which is why all Tibetans must be together?

いまおっしゃられたチベットの現在の危機的状況が、すべてのチベット人が団結しなければならない理由なのですね。

Dalai Lama: Yes.

そうです。







最近の状況

2007-12-22 02:43:32 | 

最近、やっと時間がとれるようになり、読書やブログへの書き込みもできるようになりました。まあ、こういう環境は、来年の正月の三日間ぐらいまでということでしょう。

仏教関連の本では、現在ロバート・サーマンの「現代人のためのチベット死者の書」を読んでいます。前半の仏教やチベットの死の科学についての解説は非常に分かり易くて勉強になるのですが、その解説の箇所の後半のチベット人の死の技術の解説の部分になるとタントラの考え方も加わってきて、なかなかむずかしくてついていけませんねえ(苦笑)。しかし、この本の翻訳のおかげで、「死」について、もっと真面目に考えていかないといかんなあ、と思うようになったことが、収穫でしょうか。まあ、この本は、今後、何回も繰り返して読んでいく座右の書になることは間違いないでしょう。それだけの価値のある本です。

「それでも死後の意識など信じることができない、という筋金入りの物質主義者には、パスカルの「賭けの論理」を使えば、納得してもらえるのではないかと思う。死後には何もかもがなくなってしまうのなら、何か準備をしたところで、それを後悔することもないだろう。でも、死後も何ものかが存在しているのに、準備を怠ったり、いいかげんにしかしなければ、後で苦い思いや激しい悔恨に駆られることだろう。つまり、準備しなければ、苦い思いしか得られないが、準備をすれば得られることがあろうし、失うものはない。また、何もないことに対して準備をするならば、ほんの少ししか準備に時間をかけなくても、永遠に後悔することなどないことになる。そして、何かがある、と思っているなら、ビジネスや快楽にかまけて準備をせずにいれば、貴重な資源を無駄使いしてしまったと永遠に深く悔いることになるだろう。」

とロバート・サーマンは述べていますが、これと同じようなことを、オウムも言っていましたよね。オウムの市販ビデオ「死後の世界は存在するか?」は、非常に刺激的で、何回も繰り返し見たので、このパスカルの「賭けの論理」をサーマンの本で読んだとき、とっさに、これは確かどこかで聞いたことがあるぞ、と思い浮かんだというわけです。このオウムのビデオの中でも、パスカルの「賭けの論理」を語っていたはずです。

ダライラマ法王のチベット問題についてのインタビューの日本語訳を掲載していますが、ダライラマ法王と上田紀行さんとの対話「目覚めよ、仏教」(NHKブックス)は、仏教や日本仏教を考える上で、大いに刺激を受けたという感じですね。でも、日本の坊さんはなかなか目覚めないだろうな、という思いもありますねえ。
上田さんは、「宗教と現代がわかる本」の中で、日本仏教は哲学的には深みに達して壮大な大系をなしているけれども、仏教界全体が「教え」のほうを向いていて、「慈悲は説くが慈悲は実践しない」という状態に陥っており、実際の実践は「葬儀」のみだ、と批判していますが、考えてみれば、この日本仏教の「慈悲の不実践」こそが、新興宗教が起こってきた大きな要因のように思います。従来の仏教は「葬儀」のみしていればいいのであり、「現代社会の苦悩に立ち向かう社会参加宗教」として、創価学会や霊友会や立正佼成会などが存在しているのである、という考え方もできるでしょう。まあ、ある意味、それぞれが、棲み分けをしているとも考えられますね。
生長の家創始者谷口雅春先生は、「生命の実相第39巻、仏教篇」で、次のように既成仏教の実態を批判しています。

「現在の多くの宗派仏教、寺院仏教は檀徒というものを持ち、その檀徒の布施に常に寄生しながら生活している。そうして、あるいは葬式の行事をし、あるいは死骸にお経を上げるというようなことを仕事にし、生きた人を教化することを忘れてしまったのです。・・・・要するに仏教はたんなる哲学でもなければまた死骸にお経を上げ理ような、そんなくだらない無為消極のものでもない。人間に生老病死の四苦の縛がある。その縛を敢然解き放って、そうして本当に自由な人生を生き、その自由な人生をさながらに体験させるのでなければならない。」

なるほど、そうなんですよね。もともと仏教の開祖のお釈迦さんは、出家修行者は葬儀にはかかずらうべきものではない、本来やるべき修行にはげんで、人に教えを説き、悟りに導かせることが本来の仕事、というスタンスだったのだと思います。果たして、現在の日本の坊さんは仏教本来の僧侶の資格(出家修行者)があるのか、という問題があり(まあ、わたしは妻帯することに関してはそれはそれでいいのではないかという考えですが)、それに加えて、果たして、修行しているのか、という大きな問題もありますねえ。

NHKブックスでは、「ブータンから見た日本仏教」今枝由郎著も、非常に面白かったです。日本仏教を考える上で大いに参考になります。

島田裕巳先生の「日本の10大新宗教」(幻冬舎新書)も面白かったです。
PL学園出身の桑田真澄投手が信仰しているPL教団の教えなどは、なかなか知ることができませんが、この島田先生の本では、教団の成り立ちや中核の教えなどが簡潔に非常に分かりやすく、書かれており、さすが、現代日本の気鋭の宗教学者、宗教評論家だなという気がします。真如苑や真光教団や立正佼成会や霊友会など、大きな教団にもかかわらず、どんな教えを説いているのか外部の人間には知ることがむずかしいのですが、この本によって、最新の情報と共に知ることができます。自分の日本人の宗教世界についての認識が広がったという思いです。阿含宗や統一協会はカルト度が強くて、この10大新宗教には入っていませんが、問題宗教には間違いないので、また、後で、これらの団体についての本を書いてほしいものです。

ダライラマCNN-IBNインタビュー(1)

2007-12-21 18:51:10 | ダライラマ

インドのニュースチャンネルCNN-IBNで、今年の四月にダライラマ法王へのインタビューが、放送され、それが、ユーチューブにアップされています。チベット問題に対するダライラマの考え方がよく示されていると思いますので、日本語訳とともに、このブログにも掲載させてもらいます。どこかのブログに日本語訳がアップされていないかと探していますが、まだ見つかっていませんので。まず、今回は、第一回目ということです。


ダライラマCNN-IBNインタビュー(1)

ダライラマCNN-IBNインタビュー(2)
ダライラマCNN-IBNインタビュー(3)

After almost 50 years of Tibetan uprising, where does the Tibet issue stand today? That’s the key issue Karan Thapar asked His Holiness Dalai Lama in an exclusive interview on Devil’s Advocate.

チベット人の蜂起からおよそ50年経過して、今現在、チベット問題は、どこにあるのでしょうか?それが、悪魔の弁護人という番組の独占的インタビューで、インタビューアーであるカラン・サパーがダライラマ法王にお聞きする中心の論争議題です。

Karan Thapar: Your Holiness, it’s almost been 30 years since you adopted the middle way, giving up Tibet’s claims of independence and instead accepting meaningful autonomy within China. The problem is that Chinese have shown no flexibility, no willingness to accommodate you and on the other hand, the Tibetan Youth Congress is calling for a more strident, assertive policy. Are you falling between two stools?

カラン・サパー:ゲイカ、あなたがチベットの独立の要求をあきらめて、その代わりに、中国内において、意味のある自治を受け入れるという、中道路線を採用して以来、およそ三十年経過しています。問題は、中国は、何の柔軟性も示さず、あなたと話し合おうという意志も示さず、一方、チベット青年議会は、もっと執拗な、攻撃的な路線を主張しています。あなたは、この二つの間で迷っているのではありませんか?

Dalai Lama: Firstly, we are fully committed about democracy. So, among our community, there are different views, even very serious criticisms of certain policies. However, our position is not seeking independence, but trying to achieve genuine autonomy that Chinese Constitution also provided. I think that though concrete research has not yet come, the Chinese intellectuals and educationists are showing genuine support and appreciation for our approach.

ダライラマ:まず、最初に言っておかなければならないのは、わたしたちは、全面的にデモクラシーにコミットしているということです。ですから、わたしたちのコミュニティーの間で、異なった意見があり、また、ある政策に対する非常に真剣な批判があります。しかしながら、われわれの立場は、独立は求めない、ということです。しかし、中国の憲法が与えている純粋な自治を達成するように求めています。私は、具体的な結果はまだ実現していませんが、中国の知識人や教育者は、わたしたちのアプローチに対して、真の支持や理解を示してくれていると思っています。

Karan Thapar: Let’s explore that Your Holiness. The Chinese Prime Minister Wen Jiabao, on March 16, laid down conditions that he says you have to accept before the Chinese prepare to talk to you. He says first of all you must abandon all support for Tibetan independence and must accept that Tibet has always been, since antiquity, an inseparable part of China. Are you prepared to accept that?

カラン・サパー:それでは、それについてもっと議論していきましょう、ゲイカ。中国の首相である温家法は、3月16日、中国側があなたと話し合う前に、まずあなたが受け入れなければならない条件を示しました。彼は、まず何よりも最初に、あたたはチベットの独立のためのすべての支持を断たなければならない、そしてチベットは大昔から、中国とは不可分の一部であったのだ、と認めなければならないと言っています。あなたは、これを受け入れる用意がありますか?

Dalai Lama: Now, I think the whole world knows that I am not seeking independence. As far as history is concerned, I always make clear – past is past. It’s not a political decision. It’s up to the historian or the legal expert…

ダライラマ:現在、私は、世界中の人たちは、私が独立を求めていないことを知っていると思っています。歴史に関するかぎり、わたしはいつも過去は過去だ、ということを明確にしています。政治的決断ではありません。それは歴史家が決めることであり、あるいは、法律の専門家・・・・

Karan Thapar: Can I interrupt, Your Holiness? The Chinese say that in fact you may claim that you have accepted Chinese sovereignty over Tibet, but many of your statements suggest otherwise.

カラン・サパー:ゲイカ、お話の途中ですが、割り込ませてもらっていいですか? 中国側は、次のように言っています。なるほど、あなたはチベットに対する中国の主権を受け入れていることを主張しているが、多くのあなたの声明の中にはそれとは矛盾するものがあると。

For instance, in statement on Tibetan Uprising Day on March 10, 1995, you said, ‘The reality of today is that Tibet is an occupied country under colonial rule.’ In you famous five points you said ‘Tibet was a completely independent state in 1949 when the PLA entered’. Now the Chinese say these statements prove that you don’t accept that Tibet has always been a part of China. They, in fact, prove you still want independence.

たとえば、1995年3月10日のチベット蜂起の日にちなんでの声明の中で、あたなは、次のようの述べています。「今日の実態は、チベットは植民地下の占領された国家である。」 あなたの有名な5項目提案の中で、あなたは次のように述べています。「チベットは、人民解放軍が入ってくる1949年まで、完全な独立国家であった。」 現在、中国は、これらの声明は、あなたは、チベットはずっと中国の一部であったことを認めていないことを証明するのではないかと言っています。それらは、事実上、あなたはいまだに独立を望んでいることを証明するのではないか。

Dalai Lama: I think, even among Chinese the opinion about history differs. Some time ago, the Chinese government said Tibet was a part of China since seventh century because of marriage. Then eventually, they dropped it and insisted it was since 13th century. Now even on that there are differing views among the Chinese scholars. Anyway, past is past. When PLA came to Tibet, at that time according to legal experts, Tibet was a de facto independent nation. So, according to that view, we consider Tibet an occupied land. But that does not mean that we are seeking independence because the world is changing. The reality is changing. Tibet is a backward country, economically and materially. Spiritually we are very advanced that everyone knows. Therefore, for our own independence and for material growth, we want to remain within People’s Republic of China

ダライラマ:中国人の間でも、歴史に関する考えは異なるのです。いつだったか、かつて、中国政府は、合併によって七世紀以来チベットは中国の一部であったと言っていました。それから、結局その主張を取り下げて、13世紀以来と言い出しました。現在、それについても、中国の学者の間の中では、異なった見解があります。ともかく、過去は過去なのです。PLA(人民解放軍)がチベットに入ってきたとき、法律の専門家によると、チベットは事実上の独立国家であったのです。それで、その見解によって、わたしたちは、チベットは占領された土地であると考えているのです。しかし、これは、わたしたちは独立を求めていることを意味しません。なぜなら、世界は変わっているからです。現実は変化しているのです。チベットは、経済的にも物質的にも遅れた国家です。精神的には非常に進んでいることはみなさんが知っています。ゆえに、わたしたちの自立、そして物質的成長のために、わたしたちは中国内に留まることに異存はありません。

Karan Thapar: So, therefore, you are saying that you have accepted Chinese sovereignty over Tibet?

カラン・サパー:そうすると、あなたは、チベットに対する中国の主権を認めるということですか?

Dalai Lama: Yes.

ダライラマ:そうです。

Karan Thapar: You no longer want independence?

カラン・サパー:もはや独立は求めないということですか?

Dalai Lama: Yes.

ダライラマ:そういうことです。







ダライラマ法王の日本講演

2007-12-20 19:17:55 | ダライラマ
この前、ダライラマ法王が来日しておりました。
あんまりマスコミでは大きく取り上げられずにいたので、ご存知でない方が、このブログにアクセスしておられる方の中にもおられるかもしれません。

久しぶりに長田幸康さんのブログを読んでいたら、ダライラマ法王の日本講演をブログにアップしておられる方のブログを紹介していました。

早速読ませてもらいました。
さすがにダライラマ法王らしくご自身の持論を非常に魅力的にアピールされています。

この長田さんのブログには、チベット問題に関するニュース解説をユーチューブにアップしていることも紹介してくれています。
チベット問題に関心のある人には必見だと思います。