小沢氏の政治哲学には共鳴するところも多い。もちろん、全面的に賛成というのではないが、賛成できるところもあるということですね。 特に、官僚主義からの脱却というところが最も共感できるところです。お上意識を卒業せよ、ということですね。 外交政策に関しては、いわゆる、「吉田ドクトリン」からの卒業、ということでしょうか。そのためには、憲法改正が、どうしても求められると私は思うのですが、この点に関しては、小沢氏は現行憲法でも十分可能だと主張しているのですが、私はこれには賛成できない。 まあ、その他、いろいろあるのですが、去年のタイム誌のインタビュー記事の日本語訳を載せていきながら、書いていきたい。
http://www.time.com/time/world/article/0,8599,1885041,00.html
TIME: President Ozawa, you've always had a reputation for 25 years as being a man behind the scenes in Japanese politics. Do you want to be Prime Minister?
小沢代表、あなたは25年間、日本政治のなかで、舞台裏の男と言われてきました。あなたは日本の首相になりたいのですか?
OZAWA: I don't say that I really like doing jobs behind the scenes. Rather I'm very much good at, fond of, working at practical things and therefore I don't like to be showy on the stage.
わたしは本当に舞台裏で仕事をするのが好きでたまらない、ということではないんです。むしろ現実的な物事に取り組むのが得意であり、大好きなのです。ですから、あまり表舞台で目立つのは好きではないんですね。
In responding to your question, if I was able to win the general election as the President of the Democratic Party of Japan (DPJ), and I am supported by the majority of the voters, then I am ready to deliver my responsibility.
それで、あなたのご質問にお答えしますと、もし私が民主党の代表として総選挙に勝つことができ、有権者の支持を得ることができるならば、自分の責任を果たす用意はできています。
TIME: I think that's a yes. But what do you think is the main concern of the Japanese electorate and how would you address that concern?
ということはイエスということなんですね。では、有権者が最も関心を持っていることは何だと考えていますか。そして、それに対してどのように対処していかれるのでしょうか。
OZAWA: Looking back over the past 10 years, the government under the Liberal Democratic Party promoted excessive deregulation in the name of globalization and reforms. If you take a look at the situation in the area of national income, (corporate) managers were able to increase their income by twice to three times, and shareholders' dividends increased by twice that again. But the real income of salaried workers declined by 7% to 8 %. This demonstrates an excessive market economy produced a handful of super-rich people and the income gap widened. We have to rectify the disparities in the distribution of income.
過去10年間を振り返ってみますと、自民党政権は、グローバリゼイションと改革の名の元で、行き過ぎた規制緩和を推進してきました。国民の所得の実態を調べると、会社の経営者の所得は2倍から三倍に増加し、株主の配当金は2倍以上に増えています。しかしサラリーマンの実質の所得は7パーセントから8パーセント下がっています。ことことは、行き過ぎた市場経済は一握りの富裕層を生み出し、ますます所得格差が広がっていることを示しています。わたしたちは極端な所得格差を是正しなければならないのです。
Now Japan's economy has been hard hit by this financial crisis. Under these circumstances, Japan's traditional safety net ― the lifetime employment system ― was forced to be changed to a great extent. As a result of policies particularly pursued by the Koizumi administration, this employment system has completely collapsed. As a result we are witnessing a large growth in unemployed people, which creates a lot of concern.
今、日本経済は深刻な財政危機に見舞われています。このような状況下で、日本の伝統的なセーフティネットーー終身雇用制度ーーは大きな変更を強いられました。特に小泉政権によって行われた政策の結果、この日本の伝統的な雇用制度は完全に破壊されました。この結果、わたしたちは現在大量の失業者を目撃しています。これは社会全体に不安をもたらしています。
TIME: Is the answer to go back to the traditional Japanese conception of lifelong employment, or is it to create a genuine social safety net with a reformed pension system and reformed medical care system?
小泉政権による行き過ぎた規制緩和による社会破壊に対処するためには、伝統的な日本の終身雇用制度に戻るのか、それとも改革された年金制度や医療制度をともなった、本物の社会安全ネットを作ることですか?
OZAWA: Well, we have no intention of going back to the traditional system. We have to incorporate free-market competition into the lifetime employment system. But we need to keep the good aspects and benefits of that old system so that we can mix them together.
わたしたちは古い制度にもどるつもりはありません。終身雇用制度のなかに自由市場の競争を導入する必要があります。とはいうものの、伝統的な制度の良い面や恩恵は維持しながら、安定と競争を混在させることができるのです。