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春庭ことばのやちまた>「して見る」か「してみる」か

2012-05-27 07:00:00 | 日本語学
2012/05/27
春庭ことばのやちまた>「して見る」か「してみる」か

おさむうございます でもお元気そうでニコニコ♪
toukuro
滅多に掲示板に書き込みしないのですが、本日は中学生並みの質問がありまして又あほらしいかも知れませんが、ちょいと教えて下さいませ ぺこぺこ

と言いますのは最近になって自分が誤った言葉の使い方をし過ぎかなと感じているのです
子供の折基本的な事を疎かにしたまま生きてきたからでしょ
カラオケでも間違ったまま覚えると後でなかなか正しいメロディで歌えないのと同じかなと思っています

実は 見るという漢字を間違って使っていると良く注意されます
して見る 何て何の気無しに使うのですが 
してみるじゃ無いといけない 視覚に関係無い物は見るは可笑しい!そう指摘されました
確かに言われて見れば・・・言われてみれば・・是も見ればと使っちゃいけないのでしょうね?
どうもその辺りが混乱してます

その通りです なんかもそのとおりです じゃ無いといけませんか? 
そんな物も知らないのかはそんなものも知らないのかで無いといけませんか?
物もものと使った方が良い時有る?
無いと言うのも つまらないの時はつまら無いとしてはいけ無い・・・?
しょうがないはしょうが無いじゃいけませんか?
いけませんも行けません何て使っちゃいます
有難う御座います 何て平気で使っていますし私のPCなんてのはありがとうございますと打ち込むと有難う御座いますって即変換するほど日常に使っています
まぁ 余り気にしていなかったのですけど いないも居ないって使う事多いですしね
こう言う使い方は矢張り止めた方が良いのでしょうか?
私の場合は言葉使いの枝葉末節より肝心の主題の方を考えなおさないといけない危ないレベルかもしれませんが★
間違った事指摘されれば誰の言葉でも聞かないといけないでしょうけど先生の言葉は有難味が一味違うかと
何卒 愛のお言葉を ニコニコ♪
2011-02-19 11:52:02 返信フォームへ 掲示板へ戻る

愛のお言葉
haruniwa
ニコニコ♪教の教祖様からのご下問に、お返事おそくなって申し訳ございません。
昨日は朝から家をでて、食べ歩き、夕食はラオス料理なるものをたらふく詰め込んで、またまた三段腹を四段にもふくらませておりましたゆえ、帰宅がおそくなりました。

漢字仮名表記には、一応の基準はありますが、「文章表現」は、自己表現ですから、通じる限りにおいて、自由に表記して良いのです。ただし、人に誤読されると困りますから、読みにくい文字にはルビをつけておく、という程度の配慮があれば、「海」という字に「やま」とルビをふっても、個人の表現です。

さて、一応の基準について。

1)「ありがとう」は、すでにひとつのあいさつ語として定着しており、「めったに存在しない、貴重である」という意味の「有り難し」という元の意味は薄れています。ですから、わたしは「ありがとう」とひらがなで書くことが多い。でも、元の意味を生かして「有り難う」と書きたければ、そのように表現してもなんら差し障りはありません。

2)動詞本来の意味で用いる場合、文法用語で「本動詞」といいます。補助的な意味、文法的な意味で用いる場合を「補助動詞」と言います。

「私は山を見た」の「見る」は本動詞です。
「手作りお菓子を食べてみた」の「みる」は、「ためす、少しだけ行って動作を確認する」という意味合いで用いられる補助動詞であり、「視覚によって物事を認識する」という「見る」の意味とは異なります。そのふたつを区別したいとき、「食べてみる」「やってみる」と、平仮名で書くことが多い。ただし、「試み」という動作を「見る」という視覚に置き換えて表現スルのはそれだけ「見る」という行為に多様性を持たせているわけですから、「食べて見る」と書きたければ書いてもいいのです。ただ、「お菓子を食べて見た」と書いた場合、「まずお菓子を食べ、それからお菓子を見た」という意味を表現することもできます。その誤解を避け、「試みる」の意味をはっきりさせるためには「お菓子を食べてみた」というほうがよいと思います。

3)「夫は事務所に居ます」「下の畑に居ります」という場合、人物の存在を表すので、「居る」という存在を示す漢字が用いられます。本動詞の使い方。
「私は食べています」というときの「います」は、継続動作を表す「~ている」という補助動詞(アスペクト)です。
この「いる」は、「存在する」という本来の意味から派生したものですから、本動詞としてのいみではないことをはっきりさせるために「私は毎日食べ歩きを続けている」と、平仮名で書く方が多い。ただし、これも「食べることこそ私の存在意義だ」ということを強調して「食べ続けて居る」と表現することも可能。

4)「この焼き鳥は私の物ですから、あなた、食べちゃだめです」というとき「物」は具体的に「焼き鳥」を指し示しています。この場合は「物」と表記する。
「あん様は洒落ものにござるな」というときの「もの」は人物を表しているので「しゃれ者」と、「者」で書く。
「わちきは、アン様のものじゃわいなぁ」というときの「もの」は「者」なのか、微妙なのですが、一応人を表すので「もの」
「男女の仲って微妙なものよ」というときの「もの」は、具体的な存在物を指し示しているのではないので、ひらがなで書くのがよい。

5)
この基準に照らせば、「こう書かなくてはいけない」「じょうがない」「つまらない」になります。
「しょうがない」をアホな外人教師が「It's gingerless.しょうがない」と言って、お得意ジョークにしていましたが、それを聞くたびに、「しょうもないクソガイジンめ」と思っておりました。しょうがないは「生姜無い」ではなく「仕様が無い」ですが、本人はわかっていてジョークにしているつもりなのですが、馬鹿学生は本気で「しょうがない」は「生姜ない」だと思っているのですから、ジョークにならんのです。
「しょうがない」は「しょうがある」とは言いませんし、「とんでもない」は「とんでもある」と言いません。そのように、現実のあるなしに関わらないとき、「とんでも無い」と書くよりひとつのまとまった語句として「とんでもない」と平仮名でかくほうが、「とんでも無い」と書くより、多数派の使い方になってきている、ということで、「どうしょもない」を「如何仕様も無い」と漢字で書くのもアリです。
2011-02-20 10:43:49 ページのトップへ
愛のお言葉請求書♪
haruniwa
以上、基本は本動詞は漢字で書く。補助動詞は平仮名で書く、ということですが、別段「食べて見る」と書いたら軽犯罪法に触れるってこともなく、自由に書いていいのです。表現は自由が基本です。

はい、以上の「愛の日本語文法基礎講座」無料で教授いたしたいところですが、これまでの教授代もツケにして溜まっておりますし、次回「顔を合わせてみる」の折りには、焼き鳥でもたこ焼きでもおごってくださいましな。

なにせ、来月、春庭は「博士号」を授与されることに決まったのであります。
春庭ハカセの誕生です。目出度きかな。おめでたいかな。
3年間の艱難辛苦を乗り越えて、ようやく手にする博士号。ハカセ号とったからって給料上がるわけでもなし、せいぜい名刺に(phD)と書き込めることが御利益なんですけれど、私にとって還暦記念品です。自己満足です。
では、焼き鳥とたこ焼きとお好み焼きをお待ちしています。ヨーコちゃんと三角関係で飲みましょう。でもヨーコは私のものよ。
さて、この「もの」はどの漢字?
2011-02-20 10:45:12 ページのトップへ

どもども有り難う御座いました♪
toukuro
なるほど 本動詞と補助動詞と言うのが有りますか
初めて聞くような言葉ですけど聞いていてもすっかり忘れていたのかもしれません
まぁ 基本どおりに本動詞だけを漢字に書くようにします

カラオケに凝りだしてから歌の詩を注意して見るように成りました

人に依っては価値と言う言葉にルビをふって重さ等と気障に言う人も居て時にはお洒落な言い方とも思っていました
しかし日常で毎日それが当たり前と言うのも泥臭い野暮にみえます
注意しておきます

おお~ついに博士ですか
おめでとう御座います
アメリカの映画など見てましたら医者でもないのに博士をドクターと呼んでいるのをみて随分カッコイイなぁ何て思っていました
博士と言うのは今の大学の地位としての教授じゃなく学問の高度なランクの呼称として博士イコール教授と感じています
ドクターよりプロフェッサーの方がもっともっと尊敬を込めた言葉じゃないかと思っています

まあそう言うお人にタメクチを連発し野次を飛ばしているなんざ無礼千万 
昔なら市中引き回しの上百叩き江戸所払いだったかも
それが時代とは言え心安く友達付き合いさせて頂きこれもネット時代の有り難さと感じています
博士の呼称は営業的にはそうメリット無くても授業を受けた学生にとっては博士から講義を受けたと生涯の自慢になります
博士号を手にするまで食べ過ぎによる頓死など無きようご注意ください
ほどほどにしておいて妖艶なるベリーダンスにお励みください

先生と言うのは講義の後に必ずテストをし自分が言った事を愚かな生徒が理解するか確認すると言う 生徒にとっては実に根性悪ですが 
ヨーコは私のものよ のものは所有物としてのもの 丁度昔の奴隷を人としてじゃなく物として見ていた事と同意義だと思います
従って人であろうと財産的な物だと判断します
こう言うものものしい問題はもの凄く悩むではありませんか
個人的には幾ら自分の所有物と思っても美しい女性を物とは言いたくありません
女性から私のものよ~んといわれたい気がします
人間が正直ですから序に言いますが例え小春やヨーコと互いに三角関係であって小春がヨーコを私のものよ と言おうがヨーコが小春を私のものよと言おうがどぞどぞご自由にと人間の大きな所を見せる用意あります
私の物ですと言うのは毎度申しておりますように 色っぽい感度良好小股の切れ上がったすっきりとした美人の年増しか眼中にはありません
確固たる信念を持っております

いずれ又お目にかかれる機会あれば焼き鳥・チューハイ食べ放題飲み放題コース位は何とかご期待にそいたいものと♪

先ずは博士おめでとう御座いました
益々 ご健康でご活躍のほどを ニコニコ♪
2011-02-21 10:36:57 ページのトップへ

春庭ことばのやちまた>至極か珠玉か

2012-05-23 07:00:00 | 日本語学
2012/05/23
春庭ことばのやちまた>至極か珠玉か

ご無沙汰しております
todaysong
きょうは漢字のことで教えてほしいことがあり、お邪魔しました。
研究会の副会長が学校だよりで
「至極の時を過ごした」と書いたのを読み、「珠玉の時」ではありませんか、と質問しました。返答は「両方あって前者を選んだ」という答えでした。
国語辞典では、至極の時という使い方は意味の上からはありませんでした。
そこで、こちらにお邪魔した私大です。
ひまな時にでもコメントをいただけたらとあつかましくもお願い致します。
2010-11-14 15:17:41 返信フォームへ 掲示板へ戻る

Re:ご無沙汰しております
haruniwa
こんにちは

「至極の時」は間違いで、「珠玉の時」が正しいのではないか、というのが、todaysongさんのご質問の骨子だろうと存じます。

 私も「至極」は「至極当然のこと」「迷惑至極」「恐悦至極」などのような使い方をしますが、「至極のとき」という使い方をしたことはありません。
 しかし、インターネットの用例では、
「至極の時」は 1,500,000 件の用例が表示され、一方の「珠玉の時」は 869,000 件の用例がありました。

 用例の数のみで言えば、「至極の時」の使用例のほうが倍以上多いのです。これには私もびっくり。私も「至極のとき」を使ったことがなかったので、「至極」のこのような用例が広がっている背景は何か考えるきっかけを与えて頂きました。

 もともと「至極」は名詞としての使い方と副詞的な使い方「至極迷惑です」などがありました。名詞に「の」をつけて連体修飾にする「至極の」という用例は比較的新しい用い方だろうと推察しています。
 「至高のメニュー」などの言い方が漫画を通じて広まったのに合わせて、「至極の」という使い方がでてきたのではないかと春庭は推察しています。
しかし、語彙研究はたいへん難しく、過去の用例を調べるのは膨大な作業となるので、うっかりした結論は出せません。

 ことばの使い方は人によって個性がありますね。
ことにネット時代は、誤変換も多くなって、誤変換が思わぬ用例の広がりを生み出すこともあります。

 ネット時代の語彙使用頻度を調べる調査で昔に比べて異様に「藁」という漢字の使用頻度があがった、という調査結果が出て、漢字学者たちがびっくりした、ということがありました。
 私は驚きはしませんでした。謹厳実直な漢字学者と違って、2チャンネルなども除いてきた私、ネット小僧たちが、BBSなどで「笑った」という意味で「藁」という漢字を用いていたのを知っていたからです。
 語彙は、時代によってさまざまな意味の変化を遂げ、用例もさまざまに変わっていきます。

 「至極のとき」という使い方をしている人が多数派になれば、それが正しい日本語になるのです。
2010-11-14 17:50:18 ページのトップへ


ネットフローリング中
haruniwa
todaysongさんの足跡に

2010/11/14 15:17 todaysong ネットフローリング中。朝の来ない夜はない(^-^)/

と書いてあるのを見つけて、私は「ネットフローリング中」とはいったいどういう意味だろうと興味を持ちました。

フローリング、フロアリング(flooring)とは、一般的には床材を用いて、主として木質系の床を建設することを言います。

ネットでフローリングするというのは、いったいどのようなことをするのかと興味を持ったのです。

 私は足跡に「ことばの海を漂流中」と書くことが多く、漂流中とは「フローティング (floating)
 浮いていること。また、そのものが浮動的、変動的であること」。また「ドリフティング(drifting): 漂流」という意味での漂流中です。

 ドリフティング漂流中ともフローティング(浮動中)ともことなる、フローリング中どいう新しい表現で、どのような意味を表したいのか、お伺いしたく思っておりました。

ぜひ、お知らせください。
2010-11-14 18:00:11 ページのトップへ


そこで、こちらにお邪魔した私大です。
haruniwa
todaysongさんの文の中の
「そこで、こちらにお邪魔した私大です。」
というのは、明らかな誤変換で、
「こちらにおじゃました次第です。」が正しいのだろうと思います。

 誤変換から新しい表現が生まれることもあります。

 2チャンネルではひところ「ガイ出」という言葉が流行りました。
 既出を「ガイシュツ」と誤読したことからみながおもしろがってマネして「既出キシュツ」ではなく、「ガイシュツ」が「すでに出ている同工異曲の質問、意見」という意味で用いられました。

 私は「至極の時」は、そのような誤用から始まったモノだろうと想像しますが、すでにそのような用い方をする人が増えているなら、「至極のとき」も「現代的な使い方」として市民権を得ているのです。

 春庭がいつも言葉の意味の変化で出している「あらたしい」の誤用である「あたらしい新しい」が日本語として定着し、現代では「ヤバイ」が誉め言葉になっている、というのも、言葉の変化の一例です。

 言葉は常に変化する。
 「至極の時」がこれから先も日本語として市民権を得ていくのかどうかは、使う人私大(次第)です。

2010-11-14 18:06:32 ページのトップへ

春庭ことばのやちまた>日本語の表記システム

2012-05-13 07:00:00 | 日本語学
2012/05/13
春庭ことばのやちまた>日本語の表記システム

日本語の表記システム
投稿者:acha1
英語を使う環境に私は有りませんから、覚えなくても一向に構わないけれど、
日本語をもっと勉強したく思う昨今。
「やまと言葉」って、良いのか良く判らないけれど、例えば「つくし」「土筆」「ツクシ」
同じものを「日本語」のように、カタカナ・ひらがな・漢字この様に、三つを使って表すような言語ってありますか?
韓国は「ハングル」と「漢字」の、二種類?

という質問にお答えします。
2009-02-24 07:01:26 返信フォームへ 掲示板へ戻る

Re:日本語の表記システム
haruniwa
日本語は、漢字、平仮名、片仮名の3種類の文字を用いて表記することが標準の書き方になっています。

日本語と発音が似ている言語も世界にはたくさんあるし、文法が同じような言語もありますが、表記法に関しては、世界にこのような3種類の文字を混ぜ合わせて使っている言語はありません。

文字表記に関しては、日本語は世界で稀な方法を用いている独特の言語です。
そのため、たとえば「下手人」というとき「げしゅにん」と読み、音読みでは「下手」はゲシュです。しかし同じ「下手」でも「へた」と読むと「じょうず」の対義語であり「しもて」と読むと「かみて」の対義語であって、舞台のむかって右側左側を表すことばになります。
「上手」は、「じょうず」「かみて」のほか、「うわて」と読むと、「将棋の腕前は彼より上手だ」という使い方もあります。

一つの漢字熟語にいくつかの読み方があること、ひとつの漢字を見るとふたつ以上の読み方が同時に頭の中に浮かんでくる訓練を長年にわたった公教育で受けること、これらは日本語母語話者にとって重要なことがらになっています。

「ごかん」という音を聞いたとき、「語感」「五感」「互換」「語幹」「五貫」「語間」「後漢」「後閑」など、たちまちいくつかの語彙が頭のなかに浮かびます。文脈によってどの語なのか、推察して受け取る訓練が日本語母語話者に求められています。

「春庭はいつもごかんのよい文を書こうとしている」の時は語感ですし、「春庭は動詞のごかんについて研究している」のときは語幹です。
「春庭は、2月23日午後6時前にごかん駅を通過した」というときは、「後閑駅」です。昨日は母の墓マリに帰省し、帰りに雪を見るために水上駅まで行って見たのですが、水上にはもうあまり雪が残っていませんでした。越後湯沢まで行ってみようかなとも思いましたが、帰宅の時間を考えてやめにしました。

また「緑色」という文字を見て、「みどりいろ」という音と「りょくしょく」という音の両方が頭の中に鳴り響くのが日本語母語話者です。

宇宙という文字の読み方、文部省の常用漢字の読み方の範囲内では「うちゅう」だけですが、「そら」と仮名をふることも、書き手の表現の範囲で認められます。

このように、ひとつの文字表現に数種類の音が対応している、ひとつの語彙に多様な表記が可能である、ということが日本語の大きな特徴になっています。

文字表記については、もっともっと語るべきことはありますが、今日のところは、ご質問にある「ほかにこのような表記の言語がありますか」
へのお答えにとどめます。

韓国は、従来は漢字ハングルの交ぜ書きで、日本語と似た表記でしたが、日本語のように訓読みの漢字熟語はありません。全部音読み(中国語発音読み)でした。
しかし、現在ではほとんどすべての雑誌新聞、本、教科書がハングル表記のみを主として表記し、自分の名前が漢字で書けない小学生、自分の名前以外に漢字を書けない大学生も出てきています。

中国の経済力が強まるにつれて、韓国でも漢字教育を重視する層が出てきたので、これからの韓国は英語教育とともに漢字教育も復活し、ますます韓国の教育は学力主義、エリート主義が強まるだろうと思います。
韓国の教育熱は世界一です。
一流大学にいれるために、教育ママは「教育鬼」となっています。めざす大学に入ることができなかった青年の挫折感も大きく、大学に合格できなかった層が大量に日本留学をめざす、という留学事情もあります。

私は、日本語の漢字かな交ぜ書き方式は、日本語にあっていると思います。
ただし、この表記システムの習得には時間がかかるので、国語教育に時間をあててほしいと考えています。中途半端な小学校の英語教育は、失敗することが目に見えており、やめたほうがいいんじゃないかなあと、思っています。


2009-02-24 07:37:49 ページのトップへ

春庭ことばのやちまた>語彙論わたくし雨

2012-05-09 07:00:00 | 日本語学
2012/05/09
春庭ことばのやちまた>語彙論・わたくし雨

わたくし雨
wxm68971
「わたくし雨」についてありがとうございました。
納得できました。

ついこの間、芭蕉記念館に行き、千住大橋の「矢立はじめ」の碑も見てきました。
中山道を歩けない時間を近隣の芭蕉を歩いてみようと心がけています。この次は「奥の細道」の最初の宿泊場所、芭蕉が書いている早加=草加にでも出かけようかと考えています。
2009-01-17 17:04:57 返信フォームへ 掲示板へ戻る

わたくし雨
haruniwa
私雨につき、参考になったなら幸いです。

日本語学の授業で、学生に課題をだします。
1)「ラクダ」を表すことばをあげなさい
2)「魚」を表すことばをあげなさい。例)サンマ、さば、さけ、、、

学生達、魚の種類はどんどん出してきます。まぐろ、ぶり、はまちなど、寿司屋で見かける魚名が多いですが。
しかし、「らくだ」は、駱駝一語しかしりません。

そこで、「文化とことば」の講義をします。海に囲まれ、漁業文化が豊富な日本語では、魚の名前は子供でもいくつも知っている。しかし、駱駝に関する言葉は駱駝しか知らない。でも、アラビアやアフリカの砂漠で駱駝を遊牧して暮らしている人々にとっては、駱駝に関する語彙は日本語の魚の名前と同じくらいあるし、北極のイヌイットはあざらしに関することばを何種類も知っている。

そして「来週の課題」を出します。「日本は世界でももっとも雨が豊かにふり、水の文化が豊富な国です。雨のことばをできるかぎりたくさん集めてきてください。」

宿題の発表をさせると、春雨、五月雨、梅雨、夕立、霧雨など、いろいろな雨のことばが出てきます。

俳句の季語をかじった学生なら、時雨や小糠雨などの語もでてきます。

しかし「狐の嫁入り」が。陽がさしているのに雨が降っていることをいうのだ、とか、「わたくし雨」について、すでに20代の学生には知られていないことばになっています。

日本語言語文化のなかの「雨」のことば、伝えていきたいです。

私は、「梅雨晴れのわたくし雨や雲ちぎれ」という俳句を知りませんでした。
おそらく芭蕉俳句集には入っていなかったからだと思います。

ひでさんの句碑のお話でこの俳句を知ることができました。ありがとうございます。

来年の「日本語の語彙が表現する雨」の授業のときは、この俳句をエラソーに教えてやろうと思います。
2009-01-17 18:04:49 ページのトップへ

~~~~~~~~~~



春庭ことばのやちまた>芭蕉はせを

2012-04-26 07:00:00 | 日本語学
2012/04/26
春庭ことばのやちまた>芭蕉はせを

芭蕉はせを
haruniwa
>ところで、ひらがなの「は」はどうして「者」という字の略語になっているのでしょうか?
最近芭蕉に興味を持っていて、「芭蕉」の石碑に「はせを」とあり、その草書体?行書体?「は」の文字が「者」を崩した「は」になっています。 >

現代仮名遣いの「は」は、「波」という漢字の草書体をもとに字体が作られました。明治期に標準表記が定まるまでは、さまざまな仮名が用いられており、明治以降つかわれなくなったこれらの仮名は「変体仮名」と呼ばれています。

「HA」にあたる仮名には、「波」「者」「盤」「八」の草書体があります。
芭蕉は仮名文字で署名するとき、本来なら「芭蕉」の仮名文字は「はせう」となるはずなのに、わざわざ「はせを」と書いていました。
芭蕉の「は」には、「者」の草書体からつくられた=「は」をあてた。「はせう」であるべきところを、おそらくは間違いであることを承知の上で「はせを」と書いたのは、芭蕉のこだわりなのでしょう。江戸時代の仮名遣いは、藤原定家が定めた「定家仮名遣い」が基本になっています。しかし契沖は、定家仮名遣いを訂正した仮名遣いを定め、これが現在では「旧仮名遣い」「歴史的仮名遣い」と呼ばれています。
このように、江戸時代には仮名遣いの用例がかなり揺れている時期なので、芭蕉も「はせを」という表記でよしとしたのでしょう。

2008-12-21 09:55:13 コメント(0) ページのトップへ

春庭ことばのやちまた>ぱぴぷぺぽ

2012-04-23 07:00:00 | 日本語学
2012/04/23
春庭ことばのやちまた>ぱぴぷぺぽ

ぱぽぷぺぽかぽか
ご質問
toukuroさんより
ぱぴぷぺぽの半濁音 何時頃日本語に登場いたしましたか?
擬声語 外来語では良く見受けますから遅い時期と思いますが
其れにしては イロっぺぇとかはっぴょう等と使用しております
検索して見ましたが今一判りません
2008-06-22 21:46:33 返信フォームへ 掲示板へ戻る

Re:ぱぽぷぺぽかぽか
haruniwa
お答えします

日本語の発音において「ぱぽぷぺぽ」
pa pi pu pe po は、特別な歴史をもっています。

現在私たちが「はひふへほ」と発音している音は、飛鳥時代以前には、ぱぴぷぺぽと発音していました。

「花」はパナでした。「ひよこ」はピヨコでした。

奈良時代から徐々に発音の変化が起こり、室町時代までに「ファフィフフェフォ」という発音にかわりました。

それが現代では「はひふへほ」にかふぁりました。

しかし、室町末期から江戸時代にかけて、外来語としてパピプペポの発音が流入し、結局、パピプペポの発音も使われることになりました。
2008-06-22 21:50:26 ページのトップへ

Re:ぱぽぷぺぽかぽか
haruniwa
発表します。
表(ひょう)という語の前に「ツ行」がくると、「ひょう」「ぴょう」

パ行はぱ行に変わり
ます。

発表、一本、一筆、疾風など、みな、この法則。
この法則は、「漢字語構成に伴うリエゾン変化」です。

色っぽい、安っぽい、、バカっぽいなど、「ぽい」という接尾辞がついています。

つまり、外来語のパピプペポは、室町末期以後に入ってきた音。

しかし、一方には、古代日本語の残存のぱぴぷぺぽもある。
沖縄八重山地方では花をパナという。
2008-06-22 22:18:41 ページのトップへ
~~~~~~~~~

今日はお日柄も良くヨタ話など?
toukuro
ドモドモ有難う御座いました♪
序ど言っちゃ何ですけど是はヨタ話
先日或る御仁とPC変換にヴがあってうに点々が無いのが可笑しい と大激論?
所が う゛ こんな文字を作り出して威張って見せに来る始末

それで思ったのですけど 濁音も鼻濁音も文字とすれば同じですよね
其れは 改めるべきだと暴論を・・・アッ是は私が思いついただけ
例えば が は濁音にして かにマルを付けたら鼻濁音にすればって
ガハハ てんで話しに成らないなら、マルはまるで話に成りませんか●
しかし ヴが在るのにう゛が無いのは ヴは勝ち組見たいじゃ無いかと文句垂れてます アハハ よたよた親父のヨタ話でした ニコッ
2008-06-24 08:06:14 返信フォームへ 掲示板へ戻る

Re:今日はお日柄も良くヨタ話など?
haruniwa
「かきくけこ」に半濁音の○をつけた表記は、鼻濁音の表記として、アナウンサー読本などに表記されています。

カタカナの「ヴ」は、正式な表記として文部科学省の仮名文字表にあり、ヴァイオリン、ヴィクトリア女王などの表記に用います。
ローマ字表記では「vi」です。

いっぽうひらがなの「う゛」は、漫画ではよく使われている表記です。

母音の「あいうえお」に濁点をつけた文字、強い叫び声をあらわすのに、「あ”~」などの表記がされているのです。

漫画の場合、「う゛」は、「ヴ」と同じ音声ではありません。

濁点のついた「あ”、い”、う゛、え”、お”」は、声門閉鎖音という、のどをいったん閉めてから発音する音の表記としてつかわれているのです。

以上、ヨタ話に、ものすごくまじめな音声学および日本語表記学の回答を行いました。

焼き鳥5本。
2008-06-25 09:07:41 ページのトップへ

アハハ ドモドモアンガトでした♪
toukuro
案外ヨタでも無かったです♪
NHKが鼻濁音用の文字作っているとは知りませんでした
アハハ 人間考える事はそう変わらないと…☆

是で焼き鳥11本チューハイ2杯の借りだと記憶して居ますが夏に中国のエリートと大阪で会われる際には多分債務履行出来るのではないかと♪

骨折もそれまでには完治して居るでしょう 
暑くなりますが元気にお勉強に励んで頂戴♪ 
アハハ お手数かけました アンガトです☆

2008-06-25 19:43:24 ページのトップへ

春庭ことばのやちまた>古代の「むかつく」

2012-04-16 07:00:00 | 日本語学
ことばの知恵の輪「むかつく」
haruniwa

投稿者:wxm68971 (2007 10/31 14:48)

腹が立つ、頭にくる、むかつく、その前はなんと言ったのでしょうね。
===========

「竹取物語」などのすでに「腹立つ」「腹悪し」などの語がでているので、平安初期以前の語ということになります。

 「怒る」「いからす」などは日本書紀や万葉集に出ています。

 万葉集以前のことば、文献にない語は、方言に古語が残存していることがよくあることなので、方言を調べると、古い形の語がみつかることがあります。

 「けったくそ悪い」は、算木を用いた占いの「卦体が悪い」から来ている、など、「むかつく」のたぐいの表現もいろいろありますね。

2007-10-31 21:11:44 コメント(0) ページのトップへ

春庭ことばのやちまた>古代ローマのラテン語について

2012-04-12 07:00:00 | 日本語学
2012/04/09
春庭ことばのやちまた古代ローマのラテン語について

ことばの知恵の輪 古代ローマのラテン語について
haruniwa
投稿者:w******* (2007 10/10 22:13)


英語がえらいのではなく、一番普及している
だけのことと解釈してよいのですか?
しかしあんなにヨーロッパにローマは広がったのにイタリア語がどうして普及しなかったのでしょうね?ローマは各民族の自主性を重んじたのでしょうか・・・

<返信>
古代ローマのことば、ラテン語
haruniwa
ひでさん、春庭へのコメントをいつもありがとうございます。
おたずねの、ローマ帝国とイタリア語について。

古代ローマ帝国の人々が公用語として使用していたのはラテン語です。

ラテン語は、現在ではローマカトリック公式用語としてバチカンなどで用いられていますが、家庭のなかのことばとしては死語になっています。

ただし、ラテン語と各地のことばが融合してできたイタリア語、フランス語、スペイン語、ルーマニア語などのロマンス諸語が、ラテン語の末裔として現在もヨーロッパにありますから、古代ローマのことばは、ヨーロッパ一円に広がって、当時の世界語であったといえます。

現在もっとも世界で広く用いられているのは、英語で、世界中に母語話者は4億人にすぎないのに、生活用語ビジネス用語として英語を話す人は10億人。最も普及した世界語です。

私としては、エスペラント語こそ世界語になってほしかったのですが、19世紀はイギリス注銀の産業の時代、20世紀はアメリカ中心の時代21世紀はインターネット中心のコンピュータ時代ですから、英語が幅を利かせるのは、しかたがないことなのでしょうね。

英語帝国主義と私は言ってますが、本来、英語は学びにくい、教育しにくい言語です。
と、言っても、経済と軍事の覇者のことばが世界語になるのは、とめられませんからね。
2007-10-10 23:54:15
2007-10-11 00:02:35 返信フォームへ 掲示板へ戻る
Re:ことばの知恵の輪 古代ローマのラテン語について
wxm68971
この欄の使い方が判らず、返信できずにいました。
丁寧なご教授に感謝します。
2007-10-14 08:32:34 ページのトップへ
Re:ことばの知恵の輪 古代ローマのラテン語について
wxm68971
yearとearについても、詳しく解説いただきありがとうございました。

春庭ことばのやちまた>ふもと

2012-04-09 07:00:00 | 日本語学
2012/04/05
春庭ことばのやちまた>ふもと

『ふもと』と『たもと』
purelife11
春庭さん、おはようございます。
今朝ある方の日記からあれ?って思ったのですが、『たもと』と『ふもと』の使い分けに付いて、お聞き致します。

辞書で調べても分かる範囲の事ではあると思うのですが、敢えて皆様方と共有出来るものと考えて質問させて頂きます。

山の『ふもと』は麓が漢字で使えますので合っていると思いますが、よく、町のガイドブックなどに「富士の『たもと』何とやら」みたいな書き方がされています?

今日あれ?って思ったのは、「城のふもと」と言う表現でした。

『ふもと』と『たもと』は対象物に対する主観的空間認識で使い分けが出来る様ですが、本来の使い方に付いてお教え頂けると有難いです。
(〇〇さん、ごめん、ちょっと勉強の為だから載せたけどいじめたりではないからね)
2006-06-26 07:53:10 返信フォームへ 掲示板へ戻る

Re:『ふもと』と『たもと』
haruniwa
「たもと」は原義「手のもと」そして、「ふもと」は、原義「踏みもと」です。

この原義を示しただけで、もう回答のようなものですが、さらに付け加えるなら。

「ふもと」は、足で踏み分けて行く土地の土台にあたる場所全体。やまのすその部分をさします。

山がなだらかに広がるすその部分を「山裾」といいます。
印欧語(西洋語)では「山のスカート」と呼ぶ。どの言語にも共通した表現があります。

見た目で、山の全体像をとらえ、その形の形容から、山が着物をきている裾にあたる。山がスカートをはいているスカートにあたる、と見なした名詞。

「ふもと」は、足で踏み分ける意味がありますから、見た目だけではなく、生活上、山に関わり山の中を踏み分けて進んでいく、という意識があります。

たきぎや山菜をとりに入っていく里山の場合、「山の裾野に済んでいます」というより「山のたもとに済んでいます」になるでしょう。

仰ぎ見るだけで、山に登ることは日常していないなら「富士の裾野に住んでいる」のほうが、「富士のたもとに住んでいる」よりいいでしょう。

「富士のたもと」と表現する人は、地元でしょっちゅう富士に自分の足で登山し、富士が踏みいるなじみの山なので、自分自身にとっては、「富士のたもと」という意識なのでしょうね。
2006-06-26 09:28:16 ページのトップへ

Re:『ふもと』と『たもと』
haruniwa
さて、「てもと」は、「肩から肘までの部分」を表わし、その部分をおおっている衣服の部分をもたもとと言うようになりました。さらに、手首から肩をおおう衣服の部分=袖をたもとと表現するようになりました。

「たもと」は、手+元が転音(母音交替)によって、te→taと、音が変化しました。
「手のこころ→たなごころ」なども同様

今では「手元てもと」という語もあり、「てもと」のほうが、実質的に自分の手近にある空間を表わしています。

しかし、「たもと」も、自分の身体近辺の空間を表わす意識があるので、自分の身の回りに関わる空間のもとを表わすときには使用しています。
「橋のたもと」など。

「城のふもと」という表現。天守閣を毎日仰ぎ見て、城に踏み登っていく、という意識を持っている人にとっては、「いつも踏み行っていく城の下」にいる、という感覚なのかもしれません。

というのは、語彙論からつけた理屈です。
実際には、ただ、人は適当にその場の気分で語を選んでつかいます。

語は、もともとの意味から意味が拡大したり、縮小したりして使われます。

漢字の「楽」の意味の拡大について、2006/06/25に紹介しましたが、日本語和語や漢語の意味も、歴史上意味の拡大縮小は起こっています。

「けらい、しもべ」を意味していた「僕」の意味から、男性一人称を表わす語になり、宮中で働く女官を意味していた女房が「自分の妻」を表わすようになったり、ことばの意味は時代によって変化します。

「ふもと」「たもと」も、厳密な使い分けをしていくことはなく、どちらの意味も相互乗り入れ的につかわれていくことでしょうね。

以上のことは、岩波古語辞典と角川基礎日本語を参照していますが、私の「語彙論研究20年」の成果を加えて、分りやすく解説しているので、たぶん、どの辞書みるより、わかりやすい解説です。(自慢)
2006-06-26 09:28:55 ページのトップへ

Re:『ふもと』と『たもと』
purelife11
春庭さん、有難うございます。
お世辞でなく、辞書を引いてもここまで詳しく書かれてないし、比較表現も薄いものでしょうから、大変有り難いです。
女房が女官からと言われれば納得です(笑)
〇〇さんには、「日記の一部を勉強の為にharuniwaさん宅で利用しました」とちゃんと伝えました。その後直ぐに訪問でおはようとありましたから、多分訪問して頂いていると思います。
有難うございました。
また何か有りましたら、その都度レス立てますので、お願い致します。お休みなさい。

春庭ことばのやちまた>「は」と「が」

2012-04-02 07:00:00 | 日本語学
2012/04/02
春庭ことばのやちまた>「は」と「が」

質問です!
penkizzan
春さんへ
いつも御訪問感謝です。

ところで、外国人の友人から
日本語の『が』と『は』は
何が違うのか質問を受けました。
どのように説明すればいいのか
困っています。。。。
教えて下さい!!
2006-06-14 09:27:35 返信フォームへ 掲示板へ戻る

Re:質問です!
haruniwa
 「が」と「は」の使いわけについては、何冊もの専門書が出版されていて、500ページの考察をついやしても、全部を説明しきれないので、簡単にいうことは、できません。
 それでもなお、1ページの分量で言わなければ、日本語教師クビと強要されたら、、、、

 朝鮮韓国語にも、「が」と「は」に相当する助詞があるので、韓国出身の人は、「が」と「は」を使いこなせます。

 penkizzanさんに質問した相手がドイツ語母語話者と想定して、英語、ドイツ語圏の人のクラスの人を思い描いて答えます。ただし、とても一言ではいえないので、一部分だけ。

「が」は、格助詞です。
 名詞にくっついて、行為の主体(主語)、状態の主体(主語)、をあらわす。subject markerです。主語という文法用語はつかいたくありません。

 英語やドイツ語の主語とは文法的な性質がことなるのに、主語と言ってしまうと、英語などの主語と同じと思ってしまう学習者もいる。
 主語(行為主体者)を省略できるという日本語の特色が、わかってもらえなくなる。

行為の対象(目的語)などをあらわすこともある。「水がのみたい」などのとき。

「は」は、副助詞(係り助詞)です。
 名詞その他にくっついて、話し手が、「このテーマについて会話したい」と思っていること、会話の主題(トピック)を表わす。
 英語圏の人には「topic marker」と説明します。
2006-06-14 21:50:49 ページのトップへ

くわしい説明
haruniwa
1、今現在目の前で起っているできごとは、「が」で表わす。
「あ、りんごが落ちた」
 
2、主題についての説明文は、「は」で表わす。
「りんごは丸い」=「りんごに関して申し述べるならば、丸い」

「は」は、「~について、お話するなら、それは」という意味です。

3 新情報と旧情報

 病院で、たくさんの患者が待っています。看護師が名前を呼びました。
「春さん、2番診察室へどうぞ。はるさん、いますか?春さんどなたですか?」

 このときは「はい、私が春です」と答えます。
「はい、私は春です」とは答えませんね。「春という人」がいることはわかっているのです。
 「はい、私は春です」と言いません。

 初対面の人に挨拶するとき、お互い、相手の名前を知らないときは、「はじめまして、私は春です」と言います。
 「はじめまして、私が春です」と言ったとしたら、相手は、だれかから「自分の名前を聞かされているだろう」と推察した場合だけです。
 
 「昔、むかし、おじいさんとおばあさんがいました」
と、話がはじまりました。おじいさんとおばあさんは、今、読者の前にはじめてでてきたので新情報です。「おじいさんがいました」と、読者に新情報を伝えます。

 もう、読者はおじいさんとおばあさんがいることは知っているので、この情報は新しくありません。
 もう、知っていることとして、おじいさんおばあさんについての説明をします。
 そのときは、「おじいさんとおばあさんに関して、お話しするならば」という意味で、「おじいさんとおばあさんは、とても仲良しでした。」
と言う説明をします。
2006-06-14 21:52:03 ページのトップへ

授業料請求
haruniwa
そのほか、対比の「は」
例文「魚はたべます。でも、肉はたべません」

複文のなかの「は」と「が」
例文、
「わたしは、友達がテレビをみている部屋に入った。」
テレビをみているのは友達。部屋にはいったのは「わたし」

というように、まだまだ、説明することがあるのですが、また、いつか、「ニッポニアニッポン語」シリーズで解説します。

 以上の授業料 請求書
「春庭が、大阪にいったとき、大阪で一番うまいたこ焼きをごちそうすること」

 前件の「行く」という行為をするのは、「わたし」「ごちそうする」のは、penkizzanさんです。

「春庭は、大阪にいったとき、大阪で一番うまいたこヤキをごちそうする」これなら、ごちそうする人は、春庭です。
「は」があると、文章の最後まで述語動詞に関わります。

じゃ、授業料のたこ焼き忘れずに。ごちそうしていただく日をたのしみにしています。

授業料の「極上たこ焼き」、お忘れ無きよう
2006-06-14 21:52:41 ページのトップへ

Re:質問です!
penkizzan
うわ~~~、感激です!
御丁寧にお答えいただきありがとうございました。
これをわかりやすく友人に説明するのも
難しいですが、頑張ります。
授業料の件、了解です☆
お好み焼きも一緒に食べましょう!
2006-06-15 00:45:57 ページのトップへ

春庭ことばのやちまた>人称・敬称

2012-03-29 07:00:00 | 日本語学
2012/03/14
春庭ことばのやちまた>人称・敬称

Re:ドイツの敬称 
haruniwa
日本語で話し手が自分を指し示す語=自称は「わたし、我輩、拙者、俺、朕、、、、」などあるし、話の聞き手(対称)をあらわすのも「あなた、おまえ、貴様、そこもと、、、、」などたくさんありますね。

印欧語の二人称と日本語の「聞き手を指し示す他称名詞」は、文法上の性質がおなじではありませんが、日本語でも「親しい相手に用いる自称と対称」「礼儀を正して用いる自称対称」を使い分けることができます。

留学生に最初に注意することは、「あなた」はyouと同じではない、目上の人に使っては行けない、ということ。

日本語では、「あなた」や「あんた」は、親しい相手に用いる。親しくない相手に対称をつかうとき、仕事上の名称、肩書きがわかっていれば、その肩書きを対称として用いる、というのが、基本。

相手が社長なら「社長はゴルフお好きですか」とたずね、相手が大工の親方なら「棟梁は、いなせですねぇ」とほめておく。

日本人が肩書き好きで、まず最初に名刺の交換をしないと話がしずらいのは、対称として肩書きを用いなければならないことがあるのだろうと、私は思っています。
2006-03-22 23:07:01 ページのトップへ コメント削除

ぽかぽか春庭ことばのやちまた>請求書と御見積書

2012-03-26 07:00:00 | 日本語学
2012/03/26
ぽかぽか春庭ことばの知恵の輪>請求書と御見積書

請求書と御見積書
anjin3
 以前から時々思っていたのですが、今日、会社の請求書をPCで作っていて、どうも気になって仕方がありませんので、春さんのお考えを聞かせてください。
 現在の所、見積りでは、表題は「見積書」と「御見積書」が並存していて、「御見積書」が多数だと思います。そして、文は、「下記の通り御見積り申し上げます」となっています。
 一方、請求書では、御請求書などは見たことがありませんが、多くは「御請求申し上げます」になっていることに気がつきました。他所からの請求書だけでなく、当方の複写式請求書もそのように印刷されています。

 慣用的に、こうなっているのでしょうか。丁寧語というよりは、自分の行為に対する事だと思うので、「見積書」「請求申し上げます」でよいと思うのですが、いかがでしょうか。
2005-12-14 01:54:45 返信フォームへ 掲示板へ戻る

Re:請求書と御見積書
haruniwa
 以下の解説、日記本文にも転載させていただきました。ご笑読くださいませ。

 まず、「御」「お」が、自分の行為であっても、相手に関わっている場合には、関わる相手への敬意を表わすために、美化、丁寧化されることが原則。
 たとえば、自分が書いた手紙であっても、相手に差し出すものだから、「お手紙にて、失礼いたします」などと、「お」をつける。

 「請求」や「見積もり」の場合も、自分が見積もりを出したり、請求したりするのだが、相手のために見積もったり、相手に請求するのだから、相手との関わり上、丁寧に言おうとする。
 本文では、「御見積り申しあげます」「御請求申し上げます」になる。

 表題の差は、漢語か和語かの違いによるのだろうと思う。「みつもり」は「見る」と「つもる」が合わさった「見積もる」という複合動詞が名詞化したもの。和語意識が残っている。一方、請求は漢字熟語である。

 「みつもり」は、和語由来なので、「おみつもり」にして抵抗がなく、「おみつもり書」と、複合名詞にして書くことに違和感がない。

 漢字熟語のなかで、「する」をつけて動詞として用いられる場合を「する動詞」という。「掃除→おそうじする」「洗濯→おせんたくする」「食事→おしょくじする」などのように、日常生活でよくつかわれ、特に女性語として用いられる場合は、「お」をつけて丁寧化される。「お電話する」
2005-12-14 23:39:04 ページのトップへ コメント削除

Re:請求書と御見積書
haruniwa
 漢語意識が残っている場合は、丁寧化は「御(ご)」をつける。「ご家族」「ご無事」「ご住所」「ご職業」など「する」をつけられない名詞のみの語と、「する」をつけて、「動詞」としても使われる語がある。
 相手が動作をする場合「ご心配なさる」「ご質問なさる」「ご希望なさる」「ご来店なさる」など。
 自分がした動作が相手に向けられている場合「ご招待する」「ご伝言する」さらに丁寧にいおうとすると、近頃増殖著しい「させていただく」を使う。「ご協力させていただく」など。
 「請求」も、「つぎの通り請求します」より、「つぎの通りご請求申し上げます」

 動作を含む漢字熟語を名詞として使い、複合名詞を作る場合、「質問欄にご記入ください」「ご質問欄にご記入下さい」「利用者名は、下の欄にお書き下さい」「ご利用者名は、下の欄にお書きください」どちらが、しっくりくるか、人によって受け止め方がことなり、丁寧の「ご」をつけるかつけないか、厳密に決まっているわけではない。

 表題を「請求書」とするか、「御請求書」とするか。グーグル検索では、請求書が1,990,000 件、御請求書358,000 件。
 現在のところ、「御請求書」が少数派といっても、こののち、「御請求書」のほうが多数派になっていくであろうことは、推察できる。
 丁寧さの意識は、どの語であっても使うにつれ磨り減ってしまうから、より過剰に丁寧な方向へ向かう。
 
 和語系の「御見積書」に比べ、「御請求書」が、今のところ少数派であるとしても、これから増えていくのではないかと思います。
2005-12-14 23:39:28 ページのトップへ コメント削除

Re:請求書と御見積書
anjin3
毎度、ご教授ありがとうございます。この間の敬語の復習ですね。尊敬・丁寧・謙譲の大体の把握はできていると思っていましたが、日本語が分からなくなりました。時代変化と活用の幅が広がった、と解釈しましょう。
「ご笑納ください」などは日本語的だと思いますが、「御納品書」「御納品させていただきます」などになってゆくとついていけないようです。^^;
2005-12-15 18:54:48 ページのトップへ コメント削除

Re:請求書と御見積書
florentmy
横からお邪魔します。
今日仕事で、「ご迷惑をおかけします」。。。と言ってから、「ご迷惑」の「ご」に固まりました。
相手への敬意を表すといっても、自分がかけた迷惑を美化していいものでしょうか。。。
あ、この1行目、「お邪魔」の「お」もですよね。。。
なんかむしかえしちゃったようで、「お手数」おかけします。。。
2005-12-15 23:44:48 ページのトップへ コメント削除

Re:丁寧語美化語
ていねいな言語表現というのも時代によって変わってきます。
会話の中で、相手に関わると思われる語は、自分の行為自分の物でも「お」をつける。自分が書いた物でも相手に差し出すのであれば「お手紙」と書いてさしつかえない。
「お」は丁寧語という範疇よりもさらに「美化語」になっていて、飲食業界などでは、外来語にはつかないとされる「お」も、「おビール」「おジュース」と、どんどん「お」がくっついていく傾向にあります。

~~~~~~~~~~~~~~
「お越」と「お来し」
haruniwa
 漢字表記にはゆれがあります。

 慣用的な使い方、当て字などがあり、この「漢字表記のゆれ」については、春庭が「誤読みから慣用読みへ」というタイトルでテーマにしたことがありますので、そちらを参照いただければ幸いです。
http://www2.ocn.ne.jp/~haruniwa/nipponia0502.htm

 「お越し」ではなくて、「お来し」ではないか、というご指摘、漢字表記に関心を持っていらっしゃること、とてもすばらしいですね。

 結論から言ってしまうと、どちらの表記も可能です。

 「今までたどってきた年月とこれからの先の年月」という意味で使われる「こしかたゆくすえ」も、「来し方」という本来の表記のほかに、もともとは当て字であった「越し方」という表記も辞書にでており、社会使用上は、両方とも許容されています。

「来し」は、カ段変格活用の「来」(こ、き、く、くる、くれ、こよ)の未然形「こ」に助動詞「し」がついたものです。

 しかるに、ことばは常に誤用があり、ゆれ動くもの。
 平安時代の女性文学、女流日記などには、すでに「こし」のかわりに、「きし」という誤用→慣用表現が現れています。

 「お越し下さい」という場合も、「越す」の連用形名詞「越し」を丁寧にした「お越し」に「ください」がついたものと考えることもできるし、カ変動詞「く」の未然形「こ」に助動詞「し」がついたものに、丁寧の「お」が加わって、「お来しください」になった、と考えることもできます。

 昨日2006/07/08の春庭コラムに、もともとは「嶮悪」という漢字表記だったのが、「剣幕」に変った、という例をあげました。

 漢字表記に、その時代その時代の「正書法」「ただしいとされる読み方」はあるのですが、ことばが、年ごとに変化し、移り変わっていくように、漢字表記も、誤字誤読を経たり、慣用的な読みかたを経て、かわっていくのです。

 「お越し」と「お来し」は、現在ではどちらの表記も可能となっている、という考え方でよろしいと思います。
2006-07-09 19:05:04 ページのトップへ



ぽかぽか春庭ことばのやちまた>鉄カブト

2012-03-22 07:00:00 | 日本語学
2012/04/01
ぽかぽか春庭ことばの知恵の輪>鉄カブト

ありがとう
rokujyou
先日 ゴミ置き場に百科事典がくくられて出されていました。
今やネットで検索出来る様になって場所をとる 百科事典は無用の長物となってしまいました。
しかし国語、漢和辞典を捨てると古い言葉や言い回しが分らなくなると先輩からの助言です。広辞苑の言葉が次々替わって居るからと言われましたがどんなもんでしょ。

そのうち乳母車、下駄箱、昇降口、父兄会等も 替わるでしょうか?
先日 ヘルメットがとっさに出て来なくて「鉄カブト」と言って大笑いされました。

目下 明治時代の書簡を読んで居りますが明治から昭和まで 使われる言葉が目まぐるしく変わっております。
「小生義 以テ拝趨鳴謝可仕筈之処、先日来 間歇熱状ニテ平臥罷在暫時不敬可
御海恕奉願候」
の様な手紙が もの凄い崩し字で書いてあると 本当にこれを遣り取りしてたのかなと不思議に思います。
読まずに食べたに違いない  メエ~
2005-12-11 23:45:03 返信フォームへ 掲示板へ戻る

Re:ありがとう
haruniwa
 辞典類、仕事柄、新版がでたらすぐに欲しいし、かと言って古い版も残しておきたいし。さすがに「現代用語の基礎知識」のようなのは古のは処分するけれど、岩波国語辞書、二、三、四版あって、娘にじゃまにされる。
 「あんたたちだって、FFとかドラクエとか、同じシリーズがずらりとならんでいるじゃないの」というと、これは全部中味がちがう、といばる。ま、辞書は「中味が全部ちがう」と言えない弱みがあります。

 明治の手紙、すごいですね。熱出て寝てるからお礼言いに行けなくってすいませんって言うのも、なかなかたいへんだったのね。
 樋口一葉、生前に唯一印税を手にできたのが、「通俗書簡文」手紙の見本帖だったっていうのもわかるわ。
 見本のなかに、忘れ物をみつけて届けてやるときの手紙、猫の子をもらいにやるときの手紙、離縁したいときに出す手紙とかあって、みんな見本を見て、まねしいしい書いたのでしょうね。

 見本の一葉は達筆だったけれど、せっかくまねして書いた手紙、相手には読めない文字で、白山羊さんから届いた手紙、黒山羊さんたら、読まずに食べるしかなかったのでしょう。
2005-12-12 21:06:13 ページのトップへ コメント削除
~~~~~~~~~~~~~


<つづく>

ぽかぽか春庭ことばのやちまた>色彩名称、日本語系統その他

2012-03-15 07:00:00 | 日本語学
2012/03/15
ぽかぽか春庭ことばのやちまた>言語学研究について

Re:ご訪問に感謝!
haruniwa
 oniさん、ようこそ。これからよろしくね。
 さて、言葉に関して興味深いサイトのご紹介をありがとうございました。
さっそく訪問し、興味を引かれた項目をよませていただきました。
 独自の言語観を披瀝されている内容で、oniさんが、面白く読んでおられること、納得です。

 「バベルへのツアー」管理人さんは、「異論反論があったらどうぞ」と、書いてくださっているのですが、言葉に関しては、さまざまな言説が飛び交い、ひとつひとつ反論していったら、きりがありません。

 ひとつだけあげておくならば。
「みどりご」を、鈴木健次さんは「肌に青緑色の蒙古斑のある生まれたての子供」と解釈しておいでです。
 今日、たまたま留学生への日本語の授業で、「和語による色彩表現」という講義をしました。和語の古来からの色彩表現は「黒、白、青、赤」の四色のみ。

 茶色や緑色などの色彩語は、「茶の色」「緑の色」として、後代に出来上がった色名で、「みどり」とは「新しく萌え出た葉」「生き生きした新鮮なもの」「つやつやした美しいもの」を表わすことばである、と説明いたしました。

 「みどりご」とは、生まれ出たばかりの、新しい生き生きしたこども」の意味である、というのが、古典学、日本語学の解釈です。
 このことは、日本語学研究、古典文学研究、言語学研究の定説となっています。

 ですから、鈴木健次さんの解釈は、「江戸時代の国学以来の研究成果とことなる新解釈」と言うこともできますし、「古来からの研究成果を顧みない、とんでも言語学」と評することもできます。
 世に「独自の言語研究」を標榜する民間言語学者は数多く存在します。たとえば「万葉集は、すべて韓国語で解釈できる」という類のものです。
 独自の研究から新しい視点を得られることもできますが、言語学の先行研究をふまえない解釈は、ときとして「とんでも系」となることも多いようです。
2005-11-29 18:03:08 ページのトップへ コメント削除

Re:ご訪問に感謝!
haruniwa
<続き>
 しかし、日本語に関して、すでに研究が行き届いている分野もありますので、それを無視することはできません。
 鈴木健次さんの言語解釈は、古代日本語から上代飛鳥奈良の言葉、平安古典語、室町期、江戸期の口語表現などについての研究が不足していると感じられます。
 言葉について直感を生かして、自分なりに解釈することはたのしい作業ですが、用例をあつめ、古典を解釈し、古代中国語、古代朝鮮語などとの比較、各地方言との比較など、膨大な研究の積み重ねで、ようやくひとつの言葉の解釈が出来上がるのです。

 独自の言語解釈は、おもしろいし、「的を得た内容」もあるのです。一概に間違っていると、一蹴する必要はありません。(「的を得た」は、「的を射た」の誤用表現が若者に広まっている慣用句です。)
 その解釈が正しいものと思いこみさえしなければ、楽しんで読んで、言葉への興味を持つきっかけとなります。

 oniさんが、楽しくことばに興味をもちながら読んでいらっしゃること、大切なことだと存じます。どうぞ、これからも言葉への興味を持ち続けてくださいませ。

 厳密な言語科学としての言語学、日本語学とは別のものとして、「楽しむことばの解釈」としてなら、鈴木健次さんの言葉のサイトは、とても面白いサイトだと存じます。
 ご紹介ありがとうございました。
2005-11-29 18:03:53 ページのトップへ コメント削除

ご感想ありがとうございました。
purelife11
タイトルに続き→とても参考になるお言葉ありがとうございました。
専門的解釈を頂き、勉強になります。
和語の色彩表現は四つしかなかったのですか。へ~と、驚くばかりです。
日本は外国の七色?よりも多いのかと思っていました。

それでも、歴史のいつを以ってということになりますから、西洋の七色というのも出展も明らかでないし、私が何かの書物を読んで感激し、単にそう記憶してしまっただけでしょうね。

ある本で読んだ話では日本語はどこの国の言葉にも属さないとか、なんだったか南の島国の言葉と似ているので、あれ、もう忘れてます。

言葉は、相手に自分の意志を伝える、伝え合うというコミニケーションツールであるばかりでなく、自分自身に自分の思いや考えをフィードバックする、思惟、熟慮の為には絶対に無くてはならないものだと思っています。

その意味では、日本人は文化に根ざした日本語の勉強をもっとする必要があるとも考えています。

語彙語蒐を増やす事によって、表現力が増すばかりでなく、記号で表される科学数学の分野に於けるエネルギーや状態の表現が豊かに適切になり、より数式化しやすい状況で脳内作業が行われ、発見や発明に寄与していると思っています。

それはアインシュタインや日本のノーベル物理学者の方、あれ?だれだっけ、最近物忘れがひどい!

まあ、科学者と言われる人の文章を読んでいて、そう思いました。
私たち凡人よりも、遥かに動詞や形容詞等の使い方が的を得ていると、、、。
これを、言語学的見地からはどのように言われているのでしょうか。

と、質問する前に、先生のホームで先に勉強して見ます。

何か大学に入り直した様な気になります。
今後ともよろしくお願い致します。
2005-11-29 20:14:23 ページのトップへ コメント削除

ことば大好き
haruniwa
 私は、ことばそのものも好き、特に日本語によって表現された言語文化作品が好きなのですが、「下手の横好き」から「好きこそものの上手なれ」までの道のりは遙かとおく、という所です。

>日本語はどこの国の言葉にも属さないとか

 学者によって、言語の分類には諸説あるのですが、日本語がウラルアルタイ語族のなかのひとつであることは、定説であると言ってよいでしょう。
 すなわち、朝鮮韓国語、モンゴル語、シンハラ語、タミル語、トルコ語などと、語の並び順(シンタックス)は同じです。

 ただし、インドヨーロッパ語族の中で、ドイツ語と英語が近縁関係にあり、スペイン語とポルトガル語のちがいは、日本語と沖縄方言のちがいより小さい、という程度の近さにある、ごく近い関係の言語はありません。
 最も近い関係にある韓国朝鮮語との関係も、語彙調査によれば、近い類縁関係にあるとは言えません。その意味では、日本語は、ウラルアルタイ語族のなかでも、孤立した存在です。

>なんだったか南の島国の言葉と似ているので

 大野晋さんが、タミル語(スリランカの言葉)と日本語が近い関係にあるという説をとなえていますが、大野さんの学説も、日本語研究のひとつの考え方であるにすぎず、タミル語が日本語の源流であると言い切ることはできません。
 むしろ、日本語は、南方系、北方系の「クレオール言語」であるというのが、最新の学説のひとつになっています。

>日本のノーベル物理学者の方

 寺田寅彦をはじめ、日本の物理学者には、名文家が少なくありません。
 1949年、日本で最初にノーベル賞を受けた湯川秀樹博士も、名文を残したひとりです。
http://www2.ocn.ne.jp/~haruniwa/oi0311a.htm
に、春庭エッセイとして、湯川秀樹の著書『ある物理学者の回想』についての感想と、「アインシュタインロマン」についての感想を伸べました。(春庭エッセイ2003/11/10)
あわせてお読みくだされば、うれしく存じます。

 ことばについて話していると、とても楽しいです。
 oniさんのおっしゃる通りに、言葉は伝達の手段であり、思考を形成する道具です。
 また、ことばについておしゃべりしたいです。
2005-11-29 23:22:07 ページのトップへ コメント削除

Re:ご訪問に感謝!
haruniwa
 oniさんが「母国性というアイデンティティを持たない」言語とおっしゃることがよくわからず、的確な返信ができませず、すみません。
 日本語を母語として生活している日本語母語話者のなかには、日本を母国としていない国籍の異なる日本語母語話者も大勢います。
日本語を母語(マザータング)とすることと、日本国への帰属意識を持つ、日本人アイデンティティは別のものだと思っています。

 クレオールについては、ご理解の通りでよいと存じます。
 「日本語はクレオール言語である」という説も、定説というわけでもないし、さまざまな論の中の一つとして存在する、という紹介です。単一の祖語をたどれる言語ではなく、さまざまな音声、語彙、シンタクスが複雑に重なりあった言語のひとつ、と言いたかったのです。

 ことばに関しては、さまざまな立場から、多様な見方、考え方があると思います。人それぞれの感じ方、直感によって自分の言語観を出していけば、それでよろしいかと。
2005-11-30 22:59:45 ページのトップへ コメント削除

Re:気をつけては正しい?
haruniwa
 私が自分を「ニッポニアニッポン語教師」と称しているのは、「どんどん変わっていく日本語容認派」だからです。
 今、主張しているのは、「ひらがなの長音表記も「ー」にしましょう」
カタカナでは長音表記を「ー」にしたのだから、もーそろそろ、ひらがなでもいいんじゃない?

 「本来の使い方」とは、何をさすのかわからないけれど、「今、わたしはこういう意味でこのことばを言っている」というのが、万人に受け入れられるなら、それが正しい使い方。
 春庭の「みんなが間違えて読めば、それが正しい読み方になる」という誤読についての一文を読んでね

 世界に3000以上ある言語の中で、日本語は音声と分法は難しいほうじゃありません。
難しい面があるとしたら、「場面に依拠して表現する」という部分でしょうね。
2005-12-01

ズがひく~い!
haruniwa
 頭がたか~いのも、鼻がたか~いのも歓迎ですから、そんな平身低頭なさらずに。
なんだか知らないけれど、どっかで無頼漢やってきたの?
春庭ウェブログハウスは、管理人がそもそも無頼カンであるからして、だれも遠慮しないで、タメグチきくことになってます。

 それとね、私、purelife11さんから授業料貰ってないので、私のこと「先生」って呼ぶのはNGで~す。
 他の人たち、「春さん」「HAL」と呼んでくれるので。どうぞ、「おはるさん」でも「はるさん」でも、敬称略「HAL」でもけっこうです。
あ、授業料1億円払った人には、私を先生と呼ぶことを認めます。

振込先:口座番号*******
2005-12-05 19:38:41 ページのトップへ コメント削除
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<つづく>

日本語の中のギリシャ文字

2012-02-21 00:30:57 | 日本語学
2006/02/06 月 
I・Ro・Ha Jirui Show Time(色葉字類抄待夢)>ギリシャ文字(1)ぐざいとシグマ

 ワープロソフトを利用していて、思いも寄らない文字に変換されるときがあります。

 春庭bbsに正月に食べたものの話を書いていたときのこと。
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Re:美味しかったよ~ by haruniwa
うちでは、おせち料理、一日目二日目は和風ですが、3日目は「おせち、そろそろ飽きたね」ってことで、洋風&エスニックデーになりました。

 今年は、主菜がチーズフォンデュ、具材は、フランスパン、ブロッコリー、ジャガイモ、アスパラガスなどでした。
 副菜はメキシコ風トルティーヤ。薄いお好み焼き(クレープみたいな)の中に、トマト、レタス、ローストビーフ、スモークサーモンを包んで食べる。
どちらも、おいしかったです。
2006-01-22 10:23:35
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 という、他愛ない話だったのですが、びっくりしたのは、チーズフォンデュの「ぐざい」と入力したら、いきなり「ξ」が出てきたこと。

 見慣れない文字。キリル文字(ロシア文字)とはちがうな、たぶんギリシャ文字と推理して、確かめると、はたして、ギリシャ文字のひとつでした。

 何種類かのアルファベットの中でも、ラテン文字(ローマ字)は日本語にも利用されています。
 アルファベットの語源は、ギリシャ文字の「アルファ」+「ベータ」→アルファベータ→アルファベット。

 アルファベットには、さまざまな種類があります。源流はシナイ半島で書かれはじめた文字。
 原始シナイ文字→フェニキア文字→ギリシャ文字→ラテン文字(ローマ字)、キリル文字など。

 日本人は、ラテン文字(ローマ字)だけをアルファベットと思っていますが、ロシア語のキリル文字も、ギリシア文字も、全部アルファベットです。

 仮名文字に平仮名とカタカナがあるのと同じように、アルファベットにも、ラテン文字やキリル文字がある。
 仮名文字がどちらも漢字をもとにして作られたように、アルファベットの各種は、どれも原始シナイ文字、フェニキア文字を元にして作られました。

 ラテン文字のアルファベットは、日本語のローマ字表記で使うし、中学校で英語を習うと、英語の文字として、義務教育で読み書きします。
 しかし、ギリシャ文字は、いくつかは日常生活でお目にかかるものの、グザイ「ξ」は、ぜんぜん知りませんでした。

 ギリシャ文字のアルファαは、「プラスアルファ」という外来語として日本語語彙のひとつになっている。ベータβは「ベータカロチン」などでなじみがあります。
 そのほか、私がなじんだギリシャ文字は、以下の程度です。

 「ガンマ=γ」、電磁波のひとつ。癌コバルト照射治療ガンマ線でなじみ。医療関係者だけでなく、一般の人も「ガンマ線」と聞くと、なんだかすごい治療をしているんだな、と思う。

 地図で見る河口三角州を、デルタ地帯と呼ぶのは、ギリシャ文字デルタの大文字が「デルタ=Δ」だから。小文字は「δ」。

 電気でなじみのオーム「Ω」。オームの法則ってならったなあ。カンペキ忘れました。

 ギリシャ文字のP・ρの読み方は「ロー」であって、「ピー」はΠ・πなので、ややこしい。
 円周率のパイ「π」は、ギリシャ文字「ピー」の別名「パイ」だ。

 円周率の3・14をいちいち計算しなくてよい「π」と書いておけばよいと言われたときは、面倒な計算が減ってうれしかったが、高校数学で「シグマ=Σ」が出てきてから、私の頭にとって数学は宇宙語になった。理解できる方々、尊敬しています。
<つづく>
08:48 コメント(14) 編集 ページのトップへ
2006年02月07日


ぽかぽか春庭「ギリシャ文字(2)パイとファイ」
2006/02/07 火 
I・Ro・Ha Jrui Show Time(色葉字類抄待夢)>ギリシャ文字(2)パイとファイ

 日本製のロケットの名前。「カッパ=κ・Κ」「ミュー=μ・Μ」「ラムダ=λ・Λ」
 パナソニック製のデジタルハイビジョンテレビの製品名は「タウ=T」これも、ギリシャ文字の読み方から。日常生活で見かけたギリシャ文字、もうこれくらいかな。

ギリシャ文字の読み方、4種類あります。古代ギリシャ語読み、現代ギリシャ語読み、英語読み、日本語慣用読み。
 日本語慣用読みは、ギリシャ語読みを取り入れる文字と英語読みを取り入れる文字が混じりあっています。

 「α・Α」は、古代ギリシャ語読みではアルパ。現代ギリシャ語読みだとアルファ。「δ・Δ」は、現代ギリシャ語読みだと、ゼルタだが、日本語慣用読みは、古代ギリシャ語読みと英語読みのデルタ。

 「ι・Ι」は、英語読みアイオタ、現代ギリシャ語読みはヨタだが、日本慣用読みは、古代ギリシャ式のイオータ。「π・Π」は、ギリシャ式はピーだが、日本語慣用読みは、英語式のパイを採用。
 「ξ・Ξ」は、ギリシャ語読みと日本語慣用読みはクシー、英語読みだとグザイ。
 
 ギリシャ文字Ωは、日本語慣用読みは英語式で「オメガ」。現代ギリシャ語読みだとオーメガ。
 昨日紹介した電気抵抗の「オーム」とは、Ωの文字の読み方ではなくて、人名です。
 オームの法則を発見したドイツの物理学者ゲオルク・ジーモン・オーム(Ohm)にちなみます。

 電気抵抗単位としてオームの名を採用するにあたって、頭文字「O」は、数字の「ゼロ」と紛らわしく、単位記号なのか数字なのか、区別するために、ギリシャ文字Ω(オメガ)をオームと呼ぶことにしたのです。

 a******さんからのコメント、ありがとうございます。
 「 時計のオメガ Ω とオーム Ωと一緒ですね。・ω・
シグマは、○菱自動車のΣ がありましたね。
仕事で使う円の直径はパイというのにファイφを使うのが解せません。
投稿者:a***** (2006 2/6 17:31) 」

 ファイΦ・φは、見たことあったけれど、なんだったっけかな、そうだ、音声学でいう両唇摩擦音の国際音声記号だっ。思い出せてうれしい日本語教師。
 日本語だと「ふ / f / 」の発音だと思い出したが、確認のためにチェックすると。日本語慣用読みは、英語式ファイ。ギリシャ語読みフィーの「φ」、さまざまな記号として利用されている。

・音声記号として、「φ」は「無声両唇摩擦音」をあらわす。
 「そう、そう、やっぱりねっ。りょうしんまさつおん!」

・建築では、管の直径をあらわす。200φ=直径200mm「にひゃくぱい」と発音される。
 「へぇ!そうなんだあ。建築関係のお仕事をなさっているa*****さんも、直径200mmを200パイと呼んでいるんですね。」

 数学でπ(パイ)とは3. 1415926535 8979323846 2643383279 ..........のことだから、もし「200パイ」が「200π」のことなら、200×3.14のことになってしまい、直径200mmのことじゃ、なくなってしまいます。
 「φ」は、「直径」を意味する記号です。

 昔の人は「ファイ」という発音が難しかった。「フィルム」と発音できないから、「フイルム」と発音したように、直径をあらわす記号「ファイ」を「パイ」と発音し、それが現代まで慣用読みとして引きつがれているのだと思います。
 建築用語の「200パイ」は、「直径200」という意味です。
<つづく>
00:07 コメント(8) 編集 ページのトップへ
2006年02月08日


ぽかぽか春庭「ギリシャ文字(3)ファイとグザイ
2006/02/08 水 
I・Ro・Ha Jrui Show Time(色葉字類抄待夢)>ギリシャ文字(3)ファイとぐざい

・φは、アスキーアート顔文字で、筆記具を持った手を表現するのに用いられる(例:φ(..))
 「ふ~ん、使ってみよっかな。私、毎日φ(..)しています」

・数学で空集合を表わす「 Oに斜め線」の文字の活字がない場合に、φを代用記号として使用することがある。又、しばしば黄金比の記号としても用いられる。
 「空集合って何?黄金比って、聞いたことあったなあ、3:2?4:3?8:5?16:10?あれ、いくつだったっけ」

・電磁気学で、φは磁束密度を表す。
 「磁束密度?なんじゃそりゃ」

小文字のφは、
・素粒子物理学で、ストレンジクォークとその反クォークからなる中間子 (ss 二つ目のsの上に-がある)を表す。
 「? ??」

・量子力学では ψ とともに波動関数を表す。
 「うわぁ、すごいことになってきた。ストレンジクォーク?波動関数?、、、、ううっ、わからん。」

 φだけでも、なかなか頭に入りません。
 さて、「ξ=グザイ」ですが、ギリシャ読みは、クシー。
 数学や物理学をやっている人には、なじみの文字らしいのですが、私には見たことも聞いたこともない文字でした。

 数学と物理は、私にとってもっとも縁遠い存在です。
 チーズフォンデュの具材について書いたおかげで、「ξ」とめぐり会いました。

 チーズフォンデュの具材、パンも野菜もいけますよ。食わずぎらいはいけませんね。って、これからも物理学を食う気はなし。

 世界の文字、現在日常生活に使われている文字は28種類。
 漢字ひらがなカタカナ、ラテン文字(ローマ字)のほか私が習ったことがある文字は、韓国朝鮮語のハングル文字、タイ文字、アラビア文字の3種類のみ。

 書くところを目にした文字は、たくさんあります。私の知らない文字や忘れた文字を使う言語の留学生が自己紹介するとき、黒板に名前を自分の文字で書いてもらうことにしているからです。皆、誇らしげに自分の文字を書きます。

 パキスタン留学生のウルドゥ文字、カンボジア留学生のクメール文字、ラオス留学生のラオ文字、ミャンマー留学生のビルマ文字、モンゴル留学生のモンゴル文字。モンゴルでは普段はロシア文字をつかっていて、モンゴル文字で書けるのは自分のなまえだけだったが、、、、、

 ギリシャ文字を書くギリシャ留学生に出会ったのは、これまでにひとりだけでした。たしか、名前の文字に「ξ・クシー(グザイ)」は含まれていなかった。

 ヘブライ文字を書くイスラエル留学生、ふたり。
 ギリシャ文字、ヘブライ文字、そして、イスラエル国籍のパスポートを持って入国したパレスチナ人留学生が書いたアラビア文字、それぞれの文字に自分たちの母語と言語文化への誇りがあふれていました。
 
 t*********さんからのコメント、ありがとうございます。
 『 ギリシャ文字の読み、「アルファ、ベーター、ガンマ、デルタ・・・」の起源はヘブライ語で、「アレフ、ベツ、ギメル、ダレツ・・・」から借りた物です。
投稿者:t********* (2006 2/6 20:34) 』

 ことばと文字は、文化にとって大切な宝物。どの言語も、どの文字も大切にしていきたいです。
 世界の文字については、 http://www.nacos.com/moji/  のサイト、充実しています。

 じゃ、明日もせっせとφ(..) しますね。
<おわり>