猿八座 Saruhachi-za

佐渡の人形遣いの独り言

2011年

2011-06-01 21:44:43 | インポート

6月1日、何と2011年初のブログ更新となってしまいました。

1月、2月と新発田の稽古場で「信太妻」の稽古を続け、3月11日、新潟へ向かうフェリーの船内放送で地震発生を知りました。4年前の中越沖地震のときも船上にいて、全く揺れは感じませんでした。報道で次第に明らかになる被害の甚大さを気に掛けながら3日間の稽古を終え、15日、新潟市民芸術文化会館(りゅーとぴあ)の初日から二日間は公演を打てたものの、最後の17日は停電が計画されて中止、このあと19日,20日は八王子でも公演の予定がありましたがこれも中止となりました。

震災と、未だに終息しない原発事故の被災者の皆様におかけ出来る言葉は見つかりませんが、4月10日新潟県阿賀野市の「環翠楼」で開かれた公演についてご報告します。環翠楼は五頭温泉郷の旅館で、美しい森と庭園の中に明治・大正の建物が配置されています。震災前から女将さんがご贔屓のお客様に参加を呼びかけて下さいましたが、震災後に申込まれたあるお客様に公演自粛の可能性もあるとお伝えしたところ、こんな時にこそ是非やって下さいと励まされたとのこと。詳しくは環翠楼の若女将さんのブログをご覧下さい。http://kansuirou.blog60.fc2.com/blog-date-201103.html

定員を超える70名のお客様に御覧いただいたことで、どんな状況下でも舞台が果たせる役割があるのだと、確信することが出来ました。                  S078m_2S51m_2

        環翠楼公演 「小栗判官」照手車曳きの段  説経節の会・保戸塚 時久さん撮影

写真の通り、環翠楼公演の語りは越後角太夫さんに代わり、急遽、八王子在住の薩摩若太夫さん(東京都指定無形文化財「薩摩派説経節」の十三代目家元)、相三味線は京屋惹さんが勤めました。角太夫さんは謂わば間接的に震災の影響を強く受け、しばらく舞台に立てなくなりました(現在は健康上の問題は全くありません)。唯一の太夫を失った「越後猿八座」は解散し、残った遣い手は「猿八座」座員として活動を続けることになりました。9月には愛知県で「信太妻」の公演がありますが、これも若太夫さんが床を勤めます。「猿八座」のあらたな出発です。

薩摩若太夫さんのホームページ http://www6.ocn.ne.jp/~sekkyo/satumatop.htm


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