9月からの4公演が盛況のうちに終わりました。ドナルド・キーンセンター柏崎で2回、寺泊養泉寺、村上教育情報センター、各会場とも定員いっぱいのお客様にご覧いただきました。感染予防対策にご苦労なさったスタッフの皆様、お客様に心より感謝申し上げます。お客様の熱い視線を感じ、生の舞台がお客様にも演じる側にも欠くことの出来ないものと、改めて実感しました。科学が進歩した今も昔も変わらずにやって来る災い、死に如何に向かうのか、古浄瑠璃の登場人物は現代人にも大きな示唆を与えます。
公演が出来なかった二年を振り返ってみると、昨年は1995年に猿八座が旗揚げして25年、今年は渡部八太夫を座付き太夫に迎えて10年目です。これを記念して来年5月の連休の頃、新発田の稽古場で「説経・をぐり」六段通し上演を主とした自主公演が出来ないかと考えております。コロナ感染の状況も見ながら、企画がまとまり次第お知らせいたします。
村上公演 「説経 をぐり」三段目 横山のもくろみが外れ、小栗は人食い馬の鬼鹿毛を見事に乗りこなす。
同じく五段目 閻魔大王により娑婆へ戻された小栗は餓鬼阿弥の姿で土車に乗せられ藤沢から熊野へ再生の旅に出る