猿八座 Saruhachi-za

佐渡の人形遣いの独り言

安寿塚参詣

2013-07-31 10:21:14 | 日記・エッセイ・コラム

7月28日、猿八座の里帰り公演「山椒太夫」を無事終えました。雨降りが続きますが公演当日は好転に恵まれました。御覧頂いた皆様方、有難うございました。7月30日は外海府、鹿の浦海岸にある「安寿塚」にお参りに行きました。「鳴子曳き」の舞台となった海岸で、波音を聴きながら語りたいという八太夫さんの願いが叶いました。お地蔵様を祀ったお堂の辺りに、安寿の母が鳴子を曳いて鳥を追った粟畑は今はありませんが、青田が何枚かありました。

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人形かしら

2011-06-05 12:42:09 | 日記・エッセイ・コラム

 真明座のかしらで塗りが剥げたものを修理しています。塗りなおすとどうしても元通りの表情通りには眼や眉を描き直せません。名作には出来るだけ手を入れたくないのですが、木部の傷みもあるので、塗りを落として修理し、胡粉塗りから始めます。珍しく作者名の焼印を内部に押したものがありました。

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「一照作」とあり、明治、大正の文弥人形全盛期に遣い手の名人と謳われた一度(いったく)照造(1878~1962)の作品です。20歳前から人形を遣い、かしらは35,6歳から彫り始めたそうです。塗りを落とす時はさすがに緊張しました。


人形体験教室

2011-06-05 11:23:04 | 日記・エッセイ・コラム

 6月3日(金)、文弥人形「真明座」の地元、佐渡市真野の小学校で人形体験教室が開かれました。3年生2学級46人が佐渡を舞台にした「山椒太夫」を観たあと、全員で人形を遣ってみました。この子達の中から後継者が育ちますように。

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      遣い手の下半身を隠す「腰幕」を張って   後ろに背景幕を吊れば教室は舞台に早替り。


春の花々④

2010-04-10 11:42:17 | 日記・エッセイ・コラム

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右はショウジョウバカマ(猩々袴)、赤みを帯びた動植物の名に「猩猩」が付くものが多くあります。顔が人間、身体が猿、酒好きで顔が赤い、能「猩々」や様々な芸能に登場して親しまれてきた想像上の動物です。「ショウジョバカマ(少女袴)」の名札が付いて売られていたとか。解らなくもないけれど、歌舞伎や文楽の公演にイヤホンガイドが使われる時代、伝統芸能の普及に努めたいものです。

左はユリワサビ(百合山葵)、ワサビの仲間ですが根は太りません。地上部はワサビの辛味と風味があって美味です。


春の花々③

2010-04-08 14:20:41 | 日記・エッセイ・コラム

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右はキクザキイチゲ(菊咲一華)、夏前に葉も枯れて一年の殆どを地中で過ごす儚くも逞しい多年草です。左はキブシ(木五倍子)、果実が五倍子(ふし、ごばいし)の代用として使われ、この名が付きました。五倍子はかつて女性の歯を黒く染めたお歯黒の原料で、ウルシ科のヌルデの葉に付く虫こぶです。

四月八日、今日はお釈迦様の誕生日、花祭りです。