五説経の一つに数えられる「山椒太夫」。猿八座は昨年「鳴子曳き」の場を初演しましたが、通し上演を目指して、先ず今年10月に上演時間約2時間の三段組みを新潟県村上市塩谷で初演します。昨年「信太妻」公演を企画して頂いた塩谷地区の皆様が「古典芸能を楽しむ会」を結成し主催して下さいます。
三段組みの内容
初段 信夫の里:筑紫に流罪となった岩木判官の赦免を求めて妻子が上京の旅に出る。 直井の浦:直江津に着いた妻子(安寿、厨子王姉弟と母)と供の姥竹は人買いに騙されて佐渡と丹後に売り分けられるが、姥竹の子で剛力の小八は人買いを捕らえて姉弟のあとを追う。
二段 姉弟山別れ:丹後由良の山椒太夫に買われた姉弟は逃亡が発覚して額に焼き金をあてられるが、守りの地蔵尊が身代りとなり、安寿は厨子王を逃して京へ向かわせる。 山椒太夫館:厨子王を逃した安寿は折檻されるが、小八が救い出して佐渡へ向かう。
三段 鳴子曳き:佐渡に売られた母は悲しさのあまり目を泣き腫らして盲目となり、粟畑で鳴子を曳いて鳥を追っている。小八に負われて瀕死の安寿が佐渡に辿り着くが、小八が水汲みに行って離れた折に、安寿を恋う母の鳥追いの唄が聞こえてくる。這い寄る安寿を母は土地の者のからかいと思い杖で追い払う。杖が急所に当たって安寿は息絶える。 母子対面:安寿を葬った母と小八は、父の赦免の願いが叶い母を尋ねて佐渡へ来た厨子王と対面、厨子王が地蔵尊を母の眼に当てると開眼する。