日高見製作所 業務日報

「鉄分」欠乏中。。

沢内村が消える日、共に消えるものは

2005年02月27日 01時14分46秒 | ニュース見たり聞いたり
岩手県沢内村が湯田町との合併にむけ、協議を進めている。順調に行けば3月末に知事に合併の申請をするという。
そのこと自体は珍しいことではない。いま「平成の大合併」などと称して、「ふるさと崩壊運動」が推し進められている。

では、なぜ私が沢内村の合併に関する話題を取り上げるのか。
その理由はこの記事の中にある。
沢内村は全国で唯一、60歳以上の高齢者医療費が無料(自己負担ゼロ)なのである。
その高齢者医療費助成制度が合併によって消えるのだ。
合併後は「対象年齢を65歳以上に引き上げ、入院で月5000円、通院で同1500円」を自己負担することになるという。

かつて沢内村は無医村であった。冬に高齢者の病人が出ると村人は、病人をソリに乗せて和賀町の診療所へ連れていった。
そして冷たくなった者を連れて帰ったという。
そんな状況を打ち破るために深沢晟雄(後に生命村長と呼ばれた)が立ち上がり、病院の誘致と老人医療費の無料化を果たしたのである。
それから45年間。沢内村は高齢者医療費を無料にしつづけてきた。

その歴史がまもなく幕を閉じることになる。
自己負担の導入は世の趨勢にならうもので、やむをえない。
だが、これからも「年寄りが安心して住める土地」でありつづけて欲しいと願う。

なお、「生命村長深沢晟雄」については、「村長ありき」(及川和男著)に詳しい。

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