カンボジア Pav.の「アンコールワットと黄金色の稲穂」 ~大阪関西万博 51
カンボジアのユネスコの世界文化遺産・アンコール・ワット遺跡は12cのヒンドゥー教の聖地として知られている。
また、舞踊や影絵芝居など9c発祥のクメール朝が生んだ伝統芸能もまた、ユネスコ無形文化遺産に登録されている。
カンボジア・パビリオンはコー・ケー遺跡をモチーフにしており、アンコール・ワットの外観模型や、その回廊にある天地創造神話「乳海撹拌(にゅうかいかくはん)」のレリーフの複製品を展示するほか、神話の場面を再現する古典舞踊アプサラダンスを披露する。
きらびやかな衣装を身に着け優雅で繊細な動きの「天女の舞」は見る者の心を奪う。
展示物の前には黄金色の水田が広がり、メコン川流域の肥沃な土壌に恵まれた農業大国であることもアピールしている。
黄金色に実る稲穂は、「命を救う」というテーマを印象づける。
日本人としては、黄金色の稲穂と水田風景には親近感と郷愁を憶える。
周囲のスクリーンに投映される空の色は徐々に変化し、朝や夕方の荘厳な寺院の雰囲気を演出する。
ポップアップ・ステージでカンボジアが誇るクメール文化の華「アプサラの踊り」が披露されていた。
9世紀ごろに生まれたクメール朝の宮廷舞踊は、アンコール・ワット遺跡のレリーフにも数多く登場する。
アプサラは「天女・天使」とみなされ、踊りは神への祈りとしてささげられるものである。
踊りの中で頭や腕、足の微妙な位置や、手・指のねじれ具合、反り返った手と指の動き、形、広げ方など全てが意味を持ち、生命の営みを花の芽生えから実が落ちるまでに例えたり、宇宙の循環を表現しているという。