「ヒゲの隊長」として有名な自民党参議院議員の佐藤正久氏が、11月10日の予算委員会で質問をされた。
NHKなどで中継がされなかったために、あまり広くは知られていないが、一部の新聞(web版)では報道されている。
また、佐藤正久氏のブログでは、質問の大まかな内容が紹介されている。
ヒゲの隊長、岡田外相にかみつく「あなたが若葉マーク!」
(なお、参議院のインターネット審議中継のページで見ることができる。)
この佐藤氏の質問ついては、おおむね好意的な評価がなされているようだ。
しかし、私としては、むしろ気になる点が多々ある質問であったと思う。
一つ一つ検討するのは面倒なので、気になったポイントだけ書きます。
(1)福島みずほ少子化担当大臣に対する質問
社会民主党の宣言の中で自衛隊は「明らかな違憲状態」であると書いていることにたいして、どのように「明らか」なのかという質問。
この質問に対しては、専守防衛の観点から国外に行くのは問題があるという回答でつっぱねられてしまった。
もちろん、質問の問いに対して真正面から答えていないのは福島大臣であるが、
質問の仕方を工夫することでもっと巧くやれたのではないかとも思う。
(同じ問答を繰り返すことになっていたので、時間の浪費だろうと思う。)
おそらくは、一般論・規範として、まず「明らかな違憲状態」の定義を聞くべきであった。
ここは「一見極めて明白に違憲無効」との境界など、法的な議論になる部分でしょう。
そこで社会党の規範を明確にした上で、あてはめとして、自衛隊について聞いたほうがよかったのではないかと思う。。
(先に述べた規範に当てはめなければいけない分、逃げにくいだろう。)
(2)死生観に対する質問
これは、質問が漠然としすぎていて、答える側としてはどのようにも逃げられる質問になっている。
また、着地点としても、単純に見解を聞くだけで終わってしまう構成だったような気がする。
この質問によって獲得すべき成果とはなんだったのかについて、再検討をするべきだ。
(3)インド洋の給油回数について、海賊対策にシフトしている南部エリアでは給油の需要があるという指摘
これはかなりまずい質問だと思う。
目的と手段の転倒、法目的からの逸脱について、岡田外務大臣にクリティカルに反論されてしまっている。
こうなると、海賊対策もテロ対策の一環だというしかなくなるが、それが妥当な解釈なのかは疑問がある。
(4)岡田外務大臣の若葉マーク発言について
この質問については、岡田外務大臣が言葉の意味をすり替える答弁をして逃げ切ってしまっている。
車にたとえて言えば、岡田外務大臣はAT限定をもって「若葉マーク」だといっているようなものであり、
それは一般的な「若葉マーク」の用法=免許取得後まもなく、習熟していない という意味からは外れている。
これも、「若葉マーク」の一般的な用法から攻めたほうがよかったのかもしれない。
(5)インド洋での給油活動における、給油の燃料代についての質問
これは、佐藤氏が冒頭で行った、インド洋で活動中・先日出航した艦船の名前を聞く質問とは性質がことなるものである。
艦船の名前を聞く質問は、政府首脳の現場に対する認識の甘さ、現場をしらないという点をあぶりだすしつもんであるから、
事前に通告しては意味が無くなる質問である。
対して、この質問は、インド洋給油活動の是非とアフガニスタン民生支援の是非の前提となる質問である。
なので、北澤大臣が苦言を呈したように、先に質問内容を通知しておくべき性質のものであったと思われる。
***
国会での質問をみていると、質問も何種類かのカテゴリーに区別することができるんじゃないかと思える。
例えば、事実の確認、見解の確認、見解に対する批判、自説の主張、支持者に対するパフォーマンス など。
このうち、一番重要なのは「見解に対する批判」だと思うが、これについては質疑応答の模擬戦をやるなどして、
もう少し練る必要があるように感じられた。
NHKなどで中継がされなかったために、あまり広くは知られていないが、一部の新聞(web版)では報道されている。
また、佐藤正久氏のブログでは、質問の大まかな内容が紹介されている。
ヒゲの隊長、岡田外相にかみつく「あなたが若葉マーク!」
(なお、参議院のインターネット審議中継のページで見ることができる。)
この佐藤氏の質問ついては、おおむね好意的な評価がなされているようだ。
しかし、私としては、むしろ気になる点が多々ある質問であったと思う。
一つ一つ検討するのは面倒なので、気になったポイントだけ書きます。
(1)福島みずほ少子化担当大臣に対する質問
社会民主党の宣言の中で自衛隊は「明らかな違憲状態」であると書いていることにたいして、どのように「明らか」なのかという質問。
この質問に対しては、専守防衛の観点から国外に行くのは問題があるという回答でつっぱねられてしまった。
もちろん、質問の問いに対して真正面から答えていないのは福島大臣であるが、
質問の仕方を工夫することでもっと巧くやれたのではないかとも思う。
(同じ問答を繰り返すことになっていたので、時間の浪費だろうと思う。)
おそらくは、一般論・規範として、まず「明らかな違憲状態」の定義を聞くべきであった。
ここは「一見極めて明白に違憲無効」との境界など、法的な議論になる部分でしょう。
そこで社会党の規範を明確にした上で、あてはめとして、自衛隊について聞いたほうがよかったのではないかと思う。。
(先に述べた規範に当てはめなければいけない分、逃げにくいだろう。)
(2)死生観に対する質問
これは、質問が漠然としすぎていて、答える側としてはどのようにも逃げられる質問になっている。
また、着地点としても、単純に見解を聞くだけで終わってしまう構成だったような気がする。
この質問によって獲得すべき成果とはなんだったのかについて、再検討をするべきだ。
(3)インド洋の給油回数について、海賊対策にシフトしている南部エリアでは給油の需要があるという指摘
これはかなりまずい質問だと思う。
目的と手段の転倒、法目的からの逸脱について、岡田外務大臣にクリティカルに反論されてしまっている。
こうなると、海賊対策もテロ対策の一環だというしかなくなるが、それが妥当な解釈なのかは疑問がある。
(4)岡田外務大臣の若葉マーク発言について
この質問については、岡田外務大臣が言葉の意味をすり替える答弁をして逃げ切ってしまっている。
車にたとえて言えば、岡田外務大臣はAT限定をもって「若葉マーク」だといっているようなものであり、
それは一般的な「若葉マーク」の用法=免許取得後まもなく、習熟していない という意味からは外れている。
これも、「若葉マーク」の一般的な用法から攻めたほうがよかったのかもしれない。
(5)インド洋での給油活動における、給油の燃料代についての質問
これは、佐藤氏が冒頭で行った、インド洋で活動中・先日出航した艦船の名前を聞く質問とは性質がことなるものである。
艦船の名前を聞く質問は、政府首脳の現場に対する認識の甘さ、現場をしらないという点をあぶりだすしつもんであるから、
事前に通告しては意味が無くなる質問である。
対して、この質問は、インド洋給油活動の是非とアフガニスタン民生支援の是非の前提となる質問である。
なので、北澤大臣が苦言を呈したように、先に質問内容を通知しておくべき性質のものであったと思われる。
***
国会での質問をみていると、質問も何種類かのカテゴリーに区別することができるんじゃないかと思える。
例えば、事実の確認、見解の確認、見解に対する批判、自説の主張、支持者に対するパフォーマンス など。
このうち、一番重要なのは「見解に対する批判」だと思うが、これについては質疑応答の模擬戦をやるなどして、
もう少し練る必要があるように感じられた。