思考の踏み込み

写真付きで日記や趣味を書くならgooブログ

戦国夜話12

2014-03-23 06:23:58 | 歴史


毛利元就の行った業績のうち、"厳島の戦い" が頼山陽によって日本三大奇襲 (河越夜戦、桶狭間の戦いと共に) に選ばれていたりして、軍人としての元就の評価を高めている。

だが個人的には元就の最も面白い業績は毛利水軍を組織した所ではないかと思っている。

古来から日本人は陸戦には定評があるが海戦となると必ずしも強くない。
四方を海に囲まれていながらこれは不思議なことでもあるが、それは今はいい。

だが、この時代に限っては日本の水軍の力は侮れないものがあるといってよいだろう。

元就は丹波水軍、隠岐水軍、村上水軍らをまとめ上げ強力な毛利水軍を創り出した。



やがてそれは九鬼水軍を従えた織田水軍と摂津木津川で死闘を演ずることとなる。

初戦ではこてんぱんに織田水軍を叩くが、第二次木津川の戦いで、天才信長による鉄甲船の大安宅船という空前の戦艦の前に敗れてしまう。敗れはしたがその後も戦国期いっぱいは瀬戸内の制海権を握り続けた。
やはりそれは容易な能力ではない。



日本人は海戦が得意でないと書いたが、後の日露戦争における日本海海戦は世界海戦史でもこれ以上ない完璧な勝利と言われる。
そこで村上水軍の戦術が日本海軍に採用されたことは有名な話である。彼ら毛利水軍の優秀さは400年の後も生きていたことになる。

戦国夜話11

2014-03-23 06:16:41 | 歴史
それにしても中国地方の戦国史は面白い。

宇喜多直家はじめ陶晴賢、尼子経久、、など悪人どもの巣窟の如き観をなしている。

陶晴賢

尼子経久

特に中国地方で史上唯一、山陰地方から山陽道まで侵攻し巨大な尼子帝国を築き上げた尼子経久は、こんにちけして有名でないが、もっと再評価されてよい対象であろうかと思う。

東で伊勢新九郎こと北条早雲が戦国の口火を切ったのと、時をほぼ移さずに西国で下克上の魁をなした経久。
悪人どもと前途したが、当然かれも単なるその枠に当てはまるような男ではない。

その魅力の余韻は尼子十勇士というロマンを謳った物語として後世の人々を楽しませた。



そんな中国地方を最終的にまとめ上げたのはこの尼子経久や宇喜多直家とともに謀聖、謀将と称される毛利元就であった。

なかでも元就は単に謀の上手い将というよりは一段上の "智将" という評価を与えてもいいかもしれない。