思考の踏み込み

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戦国夜話10

2014-03-22 09:35:02 | 歴史
道三、久秀、村重とくれば極め付けはやはり宇喜多直家であろう。

世に下克上の流行していた時代、直家こそはまさにその申し子の様な男といって差し支えないと思う。



毛利元就、尼子経久と共に中国地方の三大謀将と言われているが、悪人ぶりでは直家が小気味いい程に一つ抜けている。

何故なら彼の下克上の手段はほとんど合戦というものがなく、毒殺や闇討ちなどの暗殺、謀殺につきているからである。

ここまで陰惨だといっそ清々しいほどの悪人ぶりといえよう。

だが、この尋常でない所業も直家の幼少期、祖父が暗殺され、父と共に放浪の境涯を送った過去ということを考えると理解できなくもない。

彼はその復讐を成人して後、見事に成功させている。
このあたり、他の戦国成り上がりの野心家達とは少し趣が違うといえる。

だが、その実弟でさえ兄直家の前に出るときは鎖かたびら無しでは恐ろしくて出られなかったという逸話を考えると、その周辺の景色の異様さは戦国の風景の中でも突出している。

人はどこまで悪行を行う事が出来るか ー 直家の人生は心理学者などには貴重なモデルケースといえるかもしれない。