毛利元就の行った業績のうち、"厳島の戦い" が頼山陽によって日本三大奇襲 (河越夜戦、桶狭間の戦いと共に) に選ばれていたりして、軍人としての元就の評価を高めている。
だが個人的には元就の最も面白い業績は毛利水軍を組織した所ではないかと思っている。
古来から日本人は陸戦には定評があるが海戦となると必ずしも強くない。
四方を海に囲まれていながらこれは不思議なことでもあるが、それは今はいい。
だが、この時代に限っては日本の水軍の力は侮れないものがあるといってよいだろう。
元就は丹波水軍、隠岐水軍、村上水軍らをまとめ上げ強力な毛利水軍を創り出した。
やがてそれは九鬼水軍を従えた織田水軍と摂津木津川で死闘を演ずることとなる。
初戦ではこてんぱんに織田水軍を叩くが、第二次木津川の戦いで、天才信長による鉄甲船の大安宅船という空前の戦艦の前に敗れてしまう。敗れはしたがその後も戦国期いっぱいは瀬戸内の制海権を握り続けた。
やはりそれは容易な能力ではない。
日本人は海戦が得意でないと書いたが、後の日露戦争における日本海海戦は世界海戦史でもこれ以上ない完璧な勝利と言われる。
そこで村上水軍の戦術が日本海軍に採用されたことは有名な話である。彼ら毛利水軍の優秀さは400年の後も生きていたことになる。
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