思考の踏み込み

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祝 一周年8

2014-10-31 05:13:38 | グルメ
このコアントロー、バーでよく使われる一般的なモノより度数が高い。
製品としても面白くて、瓶のように見えて実はこれがペットボトル。



環境に配慮しているのか、単なる遊び心なのか、向こうの人のやることだからよくわからない。

感覚的にはベーシックなモノより度数が高い分、オレンジリキュールとして香りの立ち上がり方がより華やかな様にも思う。

そこにたしかタンカレー テンを使っていたと思うが、ジンの風味が加わり、シェイカーの中で無理なく融合されてこのショートカクテルは出来ている。

カルヴァドスのリンゴからオレンジの香りへ ー 。

天高く飛翔し、やがて沈む夕日がオレンジ色に染まってゆくのを眺めながら、ゆっくりと帰還してゆく様な、そんな絵画的気分にさえさせられて、そろそろこの日のフィナーレも近い事を満足感の中で想った ー 。

かたや、ギャ氏。

まだまだ右へ左へ旋回を愉しんでいる。マスターは楽々とその動きに応える。



アイレイモルトのスモーキーさが苦手な人でも、飲める飲み方はないのか?と以前マスターがお客さんに聞かれて色々試した、そしてアイレイに一滴だけカルーアを垂らす、これがけっこうイケるんだよ ー と、そういう話があってそこから「じゃカルーアで何か。」
と注文する。

少し写真がブレてしまったが、この辺りまでくると酔っ払いのコト、ご容赦頂けよう。

アイリッシュリキュール、ベイリーズとカルーア。
まるでデザート。
ああ、ギャ氏もなんだかんだで帰還に向かっている。

祝 一周年7

2014-10-30 07:34:57 | グルメ
それにしてもカクテルを何杯も飲むというのは究極のチャンポンと言える。

何種類もの酒をごちゃ混ぜにチャンポンして飲むと、普通悪酔いしがちなものだが、クオリティが高いとまったくそういう事が起こらないから不思議である。

しかし多少酔いは回ってくる。

酔いが回れば副交感神経優位になり、自然、身体が緩んで消化器が動く。

それを見抜かれているのかいないのか、パテあるんだけど食べる?という発言。



そんな誘惑に勝てる筈もなく、再び是非!

パテ ド カンパーニュ。
しかもこの日のモノは白レバーを使った贅沢なモノ。

マスターのパテは何度も食べてきたが、その味の密度の濃さ、凝縮感の高さたるや、翌日になっても消えないほどの完成度で、しかも毎回ハズさない。

今回のモノは白レバーの繊細で滑らかな風味と肉の重厚な旨味が、完全に調和していて、ハッキリいってこんなものを出されてしまうと困る。
赤ワインが飲みたくなってしまうではないか!

しかし今日のテーマを思い出し、なんとか踏みとどまって次を注文。



コアントローとジン。あと何か少し入れていたのか?ともかくもシンプルなカクテル。

しかし当然だが、そんな単純な一杯でない。

祝 一周年6

2014-10-29 05:36:20 | グルメ
まだまだ行きます。

次もショートで、と希望。

カウンターの横で、冒頭でも登場して貰った女性客が、連れの男性とお酒の話を色々しながらわからない事は無邪気にマスターに質問している。

中途半端なウンチクを語るマニア客より遥かに清々しいお客さんである。

マスターの丁寧で、それでいて余分な言葉は省いた謙虚な対応と回答を脇で聞いているのも、これまた楽しい。



そうこうしている内にお酒が来る。

コザックの変形ヴァージョン。
これもブランデーが効いている。
コザックなんて初めて聞いたカクテルだが、スタンダードがライムを使うところをレモンで作っているらしい。

詳しい事は知らないが、他にも分量の変化や微妙なオリジナリティが加えられ、仕上げられている様だ。

まるで、まるっきり楽譜通りには弾かないが、楽譜の ー その曲の魅力を全て出し切ってしまう名ピアニストの様でもある。

ギャンブラー氏、こちらのコザックの軌道に寄せたくなったのか、また急旋回してウォッカを希望している。

ー 少しマスター考えてサッと出して来たのが、ザクロを漬け込んだスミノフ。
もちろん自家製。
そこにシェリー酒を合わせてシェイク。



色も美しいが、味も当然素晴らしい。

これまた世界で一杯だけのショートカクテル。
スタンダードなごく普通のスピリッツやリキュールを使って、まるで錬金術の様に質の事なる一杯を生み出す。

これぞカクテルの醍醐味であるが、ここまでのパフォーマンスをサラッとできるバーテンダーが果たしてこの東京でも何人いるだろうか。

祝 一周年5

2014-10-28 06:24:23 | グルメ
三杯目のブラーは前回来た時に目を付けていたもの。

ジャックローズを飲んでしまうと、やはりアップルブランデーのつながりで飲みたくなってしまう。

まさかジャックローズのときからマスターに誘導されていたのか?
カクテル縛りは私も三杯目にして早くも崩れた。

一口。

陶器瓶特有のお酒の静けさ。
だが、しばらく舌の上で転がしていると遠慮深げに、しかし着実にリンゴの香りが開いてくる。
ブランデーとしての甘みより、味わい深い苦味の方へと針が振れたお酒といえるかもしれない。

マタタビのピクルス。


今思い返してみると、一杯目のベルモットのビター感から一本の線で繋がっている様にさえ思う。
しかしこれはさすがに偶然だろう…と、思うがどうだろうか。

さて、一方のギャンブラー氏はペルノで一気に高々と舞い上がって、そこから大きく急旋回しようとしているらしい。



ようやく写真が追いついてきた。
マスターのオリジナル。
ジェット27を使ってミルクとシェイクし、ジンジャエールでフルアップしたもの。

このミルクの泡立ち加減が、マスターのシェイクの技術の並々ならぬ事を物語っている。

甘いモノ好きのギャ氏、ペルノから一気に回帰するのにこれ以上のモノはないかもしれない。
一口頂く。

グラスホッパーのロングカクテルバージョンといったら、少しイメージし易い。

文句なく美味しい。




祝 一周年4

2014-10-27 06:29:50 | グルメ
ジャックローズは有名なショートカクテルだが、初めて飲んだ。
もっと甘いイメージをしていたが、割とアルコール感がしっかりしていて、どちらかというと硬派なお酒という気がした。

もちろんそれはカスクドールスタイルなのかもしれない。
これは飲み比べしてみなければわからないが、少なくとも私の味覚にはピタッとはまる仕上がり。

三杯目 ブラー。

一杯目アメリカーノがスムーズな離陸だとすれば、見事にジャックローズで上昇軌道に入った。
この軌道だと今日はどのくらいの高度まで飛翔させてもらえるのか、楽しみだ。

ペルノオールドも味見させてもらったが、言うまでもなく美味しい。
横に座っているだけで、ニガヨモギ系の独特な香りが伝わって来てクオリティの高さを物語っている。
一応、現行品のペルノも一口出して貰ったが如何ともしがたい薄っぺらさ。

ここで、牛タンの塩釜焼き作ってみたんだけど食べる?
というマスターの一言。

否やもなく、是非。



美味しい。

味付けは塩だけらしい。
使っている塩と、その分量が絶妙。
今度、世界中の塩を取り寄せて「塩祭り」やりましょうよ、そんな話になる。

カクテルに食事を合わせる困難さを、この牛タン料理はまったく感じさせない、そういう酒の邪魔をしない見事な一皿だった。