思考の踏み込み

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戦国夜話8

2014-03-20 07:42:49 | 歴史
戦国時代がカラリとしているせいか、史上 "悪人" として扱われている者たちでさえ、どこか愛すべき存在に思えるのもこの時代の日本の特徴ではないかと思う。

彼らの所業は松永弾正久秀に見られるように主筋への謀反や裏切り、さらには中世的権威の象徴たる大仏殿焼き討ち、そして室町将軍の暗殺と、まことに凄まじい。



それは信長をして、常人になし難いことを三つもやりおおせた男。と言わしめたほど。
( 信長は密かにそんな久秀に私淑?していたのか?家臣の所業に厳しいこの男が何故か久秀の裏切りを二度も許し、三度目さえ許そうとしていた。)


彼ら悪人どもは太平の世なれば行い難い事もためらいなくやってしまう。そこには七面倒な正義や悪といった倫理観が置き忘れられたかの如く存在せず、変革期特有の時代のうねりだけが真実として有り、彼らを突き動かしていた様でさえある。

さて、世に三大梟雄といえば北条早雲、斎藤道三、松永久秀であるが、彼らに共通しているのは深い教養と軍事的才能、そしてそれに伴う謀略の力であろう。

そしてこの時代の流行であった茶の湯。

久秀などは名物 "平蜘蛛" と共に爆死した程に傾倒していた。
( 日本史上初めて爆死した男ともいわれる。)

これらの多才さが彼らをして単なる悪人に終わらせていない理由であろうか。
またキリシタンという文化 ー この時代の武将達にとっては "宗教" ではなく文化として受け入れていた感が強い ー も
この時代を彩った重要な要素として注目すべきである。

その刺激によって例えばこの時期の甲冑の美しさと多様性はもはやまぎれもない芸術であり、この戦国という舞台を美しく昇華させる最高の小道具となっている。以下一例。

会津宰相蒲生氏郷

徳川四天王井伊直政

越後の龍上杉謙信

黒田長政大水牛兜