思考の踏み込み

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戦国夜話付録13

2014-04-07 02:02:20 | 歴史
今度こそラストです。

まだあった不識庵謙信。

これだけの具足が残っていることを考えるとこの不識庵という男、その芸術的な戦術も含めて、もはや戦を完全にライブかなにかの様に考えていたと思う方が的を射ているかもしれない。

要は一人だけ他の戦国武将達と別次元の所に命を燃やしていた男という事である。甲冑を見て行くことで謙信像の意外な側面が見えてくるというのはおもしろい。
峯界形 ー 山脈を象った意匠。

珍しく渋めかと思ったら上杉憲政拝領のモノらしい。

平安期に既に流行していたという頭形という意匠をモチーフにした古頭形兜。

前掲の飯綱権現はレプリカだったが、これは上杉神社蔵の逸品。飯綱権現は有名な毘沙門天とは違う、神仏混交の軍神で、川中島への通り道に祀られていた。
武田信玄もこの飯綱信仰があり、飯綱法虎の巻と言われる秘伝書を所蔵していたとされる。

この飯綱の法という修験の術は戦場息災、強敵降伏、未来予知、とその修行によっては通力自在となっていくものと言われた。
こうしたことを非科学的と一蹴してしまう事は早計だろう。
謙信信玄といった神秘的な強さを誇った武将が揃って信奉していたということは、彼らのその神秘的な部分に迫る鍵になるかもしれないからだ。


毘沙門天の意匠は前掲のこの本銀箔 南蛮胴具足の前立。毘沙門天を表す梵字、"ベイ" を付けている。

烏帽子メッシュ。戦国のファッションリーダー信長は言った。「謙信恐るべし!」




村上水軍伝来、ホタテ。

これも貝。なんかアラベスク。

頭巾形兜。

角頭巾形兜。

大黒頭巾形兜。

大谷吉継。カッコいい!

柏葉。柏は新芽が出てから葉を落とすので古来から子孫繁栄の象徴とされ縁起の良いもの。メタリックで美しい。

メタリック2。獅子頭形。

メタリック3。利剣後立。

メタリック4。太陽がいっぱいだぜ。

メタリック5。既出蒲生氏郷、燕尾形甲冑の兜。

瓦。玉と砕けても瓦全を恥ず。でも瓦として全うするのも有りでしょ?

江戸期太平の世の兜。チャラい!

やっぱこうでなきゃ。シンプルで武骨。




ラストを締めくくるのは明智光秀所用と伝わるこの幻の甲冑こそが相応しいか ー 。



「敵は本能寺にあり!」という頼山陽によって詩化された、この悲運の名将最後の叫びは、戦国期のみならず、日本史全体を通じての類稀な絶唱といえよう。

ー その響きの高さと、もの悲しい余韻は後世、日本人がこの地上に存在し続ける限り、響き終わることはないだろう。

戦国期のことには全く触れなかった芭蕉が、唯一この光秀については詠んでいる。

" 月さびよ 明智が妻の 咄しせん ー "


戦国夜話完。


戦国夜話付録12

2014-04-07 01:29:52 | 歴史
延長その三。

徳川四天王、榊原康政。三鈷剣は不動明王の法具。徳川軍団は華美贅沢を嫌ったくせに、甲冑は家康始め四天王皆カッコいい。

九曜紋前立。
インド占星術発祥の九つの天体で、うち七つは実在の星。宿曜道、陰陽道を経て家紋へと発展していった。

尼子十勇士、山中鹿之介。「願わくば我に七難八苦を与え給え。」

五州大守、竜造寺隆信。天狗頬といわれる面だが、雷親父ってこんな感じかな?

政宗公、大日如来。「梵天丸もかく有りたい!」

不動明王。江戸期の兜。

燃えよ剣。

龍頭火炎兜。龍のモチーフは意外と少ない。

シルバー感が最高。銀は金より美しいと思う。

桃形水牛。武骨で良い。


蝶形。実は十徳ナイフと同じ機能が… 有るかも。


よく見かけるこの踏んづけられた猫みたいな意匠は唐獅子らしい。
"獅噛み" とも同義になるようだ。グレムリンではなかった。

これも唐獅子?脇の羽根は何だろ?

まとまってる。

募金しまくった人。

剃り込みアイパー。

ウドちゃん?いや志茂田景樹か?

ガハハ。

ワシをゲレンデに連れてって!

いいよ!

じゃワシらも!


卍は幸運のシンボル。人類が持った最古の記号の一つ。 ( 新石器時代インド発祥、その後東西に伝承。)

常州 早乙女派三代目、家成作。政宗の原型か?
考えてみると甲冑師は刀工の様に名を為していない。これはやはりその技術はともかく、意匠などが依頼主との共同作業であり、多くの奇抜な甲冑たちはそうしてできたものであるとみていい根拠ともいえるかもしれない。

従って誰々作の甲冑、ではなくてあくまでも誰々所用の甲冑という呼び方になる。

戦国夜話付録11

2014-04-06 03:07:53 | 歴史
延長その二。

魅 (シカミ) 形。本来獅噛みという意味で獅子が歯を噛み締めている意匠らしいが、脇立が謎で完全に幻獣系。

鉄錆の地頭形という兜だが、角と耳?

歯朶の葉。シダは葉が対を為して生えていることや、葉裏が白い事など縁起の良い植物とされる。

日輪を後立に配置。美しい。

ムカデ。まだいた。

仏具を握る拳が生えてる。かなりリアル。

鮑貝。ダースベーダーみたいにミッキーのモデルになったとかならないとか。グラサン付きで夜襲には向かない。

出ました。鬼!けどよくみるとちょっとチンピラっぽい。

鬼瓦風。

赤髪。

白ヒゲ。陸奥国南部氏伝来。

鯖尾形兜。元は建築用語らしい。関根勤の愛犬、腐れ鮪鯖男とは関係ない。

鯱尾。シャチあるいは、幻獣シャチホコ。虎の様に猛々しい魚。

道成寺の鐘。前立は鬼女。顔が怖い。

雉。傾向としてモチーフの全体像を表現するのはやはり難しいようで、部分的なモノの方が成功しているようだ。



オモシロイけどこれなどは完全に成功例とはいえない。写実よりデフォルメされた意匠の方がやはりイマジネーションは刺激される。

名人久太郎、堀秀政。Q太郎ではない。この信長にも秀吉にも認められた男は、その若すぎる病死さえなければ、大大名に間違いなくなっていただろう。そうなると関ヶ原の戦力図も変わっていたはずである。

蝶。毛虫が羽化し、羽ばたく時 ー どんな気分だろうか。




毛虫から蝶へ。

戦国夜話付録10

2014-04-06 03:06:20 | 歴史
実はまだかなりあったので延長。

象。

象2。パオッ!

カマキリ…かな。

烏天狗。強そう。

烏天狗2。

大天狗。最強。

うさ耳まだあった。これはカッコいい。

梶の葉。横からのアングルが良い。梶葉は源頼朝挙兵の時の縁起の良い逸話によるらしい。

菊重ね形。大の字前立。

横に立つと危ない。

なんか絵画的に見える。

池田光政 雁金形兜。造形した人は天才。

本物の鹿の角。

お見事。しかしこちらは作り物の角。

うさ耳そうとう流行ったみたい。なんか乗ってるし。けど質感が面白い。

ここまでくるとバニーガールも戦国人が考えたのかと思ってしまう。

兎そのまんま。

先端恐怖症の人はかぶれません。

前立が失われているらしいが蝶の意匠。クリエイティブ!

波頭を鉢巻で締める意匠。斬新!

立ち雲形。トランスフォームしそう。



戦国夜話付録9

2014-04-05 01:03:13 | 歴史
ラストです。

重厚。

烏帽子形バージョン。

向かい風が苦手。

ふぁさっ。

よしさらば 涙の池に身をなして心のままに 月をやどさむ。

ダンディズム。

ダンディズム2。

鯨の髭。

トンボ。幸せの蜻蛉よ、お前は何処へ 。

鳥山明の兎人参化が思い浮かぶ。

ペンチ。

握り鋏。

うーむ…なにコレ?

なにコレ2

みんな飲んでるか?



甲冑シリーズ終わり。