思考の踏み込み

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再開5

2015-01-29 08:24:55 | 日記
寺山修司は十代にしてすでに「俳句革命」を叫び「牧羊神」という今や伝説的な俳句同人誌を立ち上げたという。



偉大なる芭蕉の後、蕪村が中興させ子規が近代文芸として再構築しようと挑んだ。その系譜に寺山も名を連ねたと明言しても良いだろうと思う。

彼は多才で、かつまた時代が多端であったこともあり、こと俳句に限っては確かな痕跡は必ずしも残せなかったかもしれない。
しかし、その長い伝統に対する ー 若き頃の寺山の勇気ある挑戦は、評価すべきものであると私は思う。






日常生活の中で、歌を詠むという文化。もしくは伝統、習俗。

何気無い日常のありふれた一コマをごく普通の人々が詩化し芸術化する。

これほど優れた文化を持つ民族が他にいるだろうか。
私はその文化が断絶されたままであることが実に悲しい。

ほんの百年ほど前までは、例えば伊藤博文の様な、無学と言われた人物でさえ自ら作詩する事ができた。

自らの人生を時に詩化することはどれほどの力になるだろうか。そしてどれほどその人生を豊かにするだろうか。

言葉の力は計り知れないものである。




生きていく中で辛いこと哀しい事、受け入れ難い事や、忍び難きを忍ばねばならぬ事、そういう事は誰にも訪れる。

そういうとき、それを詩にする事で救われたり、乗り切る事ができたりもするものだ。

これは感情に "三点" を出す技術である。感情というのは心の内に一点で抱えていると悪性の腫瘍の様に増殖し変質してゆくものである。
やがては心をがんじがらめに縛り上げる。

ところが二点、あるいは三点を何らかの形で設けると何でもなかったかの様にそれは消失する。


詩が古来、東西を問わずに "鎮魂" の作用を果たしてきたのもそれ故であろう。


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