先のブログの「新プランター野菜栽培の勧め」の中で、秋のプランター栽培の作付けに、「赤玉ねぎ」が最適な作物と申し上げましたが、ご存じの方も多いとは思いますが、「玉ねぎ」なら、プランター栽培でも畑で作るのに負けない立派な収穫が上げられます。
特に「赤玉ねぎ」は、自家栽培の少ない収量でもサラダ等の料理の彩りとして添えられるので、暫く利用できれば、プランター栽培のこの上ない励みともなります。
―新プランター栽培で収穫した赤玉ねぎ「湘南レッド」-
「玉ねぎ」は、「ジャガイモ」、「人参」と共に台所の3大貯蔵野菜であり、日本でも消費が多く、平成21年の出荷量は101万5,000トン、北海道が全生産量の約60%を占めていますが、その他では、佐賀県、兵庫県、愛知県等が生産量の多い地域です。
玉ねぎは、春まきと秋まきで栽培される黄玉ねぎ品種群があり、貯蔵しやすい性質から、店頭には1年を通じて出回り、一般的に玉ねぎと言えば、この黄玉ねぎですが、愛知県等、特に極早生種の春に旬を迎える「白玉ねぎ」の品種群を中心とする「新玉ねぎ」の生産が近年増えています。
この春取りの生で食べられるF1種の「甘玉ねぎ」、みずみずしい独特の甘みがあり、一度食べたら止められない春の野菜の代表格となっていて、千葉県の外房地域の九十九里白子町では、5月の連休頃が丁度その収穫期で、「観光玉ねぎ掘り」が大変盛んです。
―甘くておいしいとの口コミから、「白子玉ねぎ収穫」は毎年大盛況―
「玉ねぎ」が日本で栽培されるようになったのは明治以降であり、その発祥の地はアメリカからの品種の栽培を始めた札幌農学校ですが、先取精神の旺盛な大阪地域で早くから栽培が始まり、近畿地方の栽培に適した秋植え春先収穫の作型の幾つかの品種が固定されました。
玉ねぎは、冷涼な気候を好み、20度前後で茎葉が生育して15〜25度で日が長くなると、つけ根が肥大します。秋のうちに育ち過ぎて冬季の13℃以下の低温に遭うと花芽分化し、春先の長日・高温下でとう立ちしてしまいます。
種まきの時期が大切で、品種や地域によって違いますが、秋まきは9月に入ったら早生種、 中生種、晩生種の順に適期となりますが、プランター栽培では、早生種がお薦めです。
栽培のポイントは、「品種」、「播種時期」、「苗の大きさ」、「植替えの適期」、「養水分管理」ですが、「貝塚早生黄」と「湘南レッド」の新プランター栽培写真を改めて公開いたします。
「貝塚早生黄」の品種特徴
極早生で抽苔が極めて少なく、肥大性に富んで、早出し栽培に適した切り玉出荷が主体の品種。
栽培適応性が広くて、どこでも作りやすく、1球重250g程度の扁円球で、早どり品種としては一番の多収種。
品質や食味にすぐれ、切り玉のみならず、8月半ばまでの短期貯蔵もできる。適期播種と適期定植に心がけ、生育スピードの早さを発揮させるように留意する。やや大苗を定植して、初期生育を促す。
元肥にはリン酸を十分に効かし、早春からはチッソとカリ主体の追肥で肥効を高め、生育の促進に努める。 ―タキイ種苗種子資料よりー
湘南レッド品種情報
辛味や刺激臭が少くて歯切れが良く、生食できるサラダに好適な甘玉ネギで、1961年神奈川県園芸試験場が作出し“湘南レッド”と命名した赤タマネギの代表品種。
10月5日(日)
9月10日に播種した貝塚早生黄と赤玉ネギがこんなにおおきくなりました。培土の表面が藻類で黒変しているので肥料分が一寸濃すぎたようです。
11月28日(金)
定植の終わった貝塚早生黄、標準プランターに7本2列に中央に4本の18本。
11月28日(金)
定植の終わった赤玉ネギ「湘南レッド」17本。培土表面が乾いたら週に1-2度、薄い液肥を与える。
年2月22日(月)
年明けて2ヶ月余り、冬の間にしっかり太って貝塚早生黄。
2月22日(月)
しっかり育った赤玉ネギ「湘南レッド」枯れた旧葉は軟腐病のもと取り除く。
4月17日(土)
玉の肥大が著しい貝塚早生黄。早くも茎の倒伏が始っています。
4月17日(土)
赤玉ネギも玉の肥大は順調です。
4月26日(月)
春たけなわ、ぐんぐん育って1週間でこんなに大きくなりました。
4月26日(月 )
春たけなわ、赤玉ネギも負けずにぐんぐん育っています。
5月14日(金)
収穫直前の貝塚早生黄。標準プランターでは玉の押し合いで17本植えでは一寸小さい落ちこぼれ玉?もあります。
5月14日(金)
収穫直前の赤玉ネギ「湘南レッド」。プランターまで横に太りました。
5月15日(土)
収穫した赤玉ネギ「湘南レッド」と貝塚早生黄。
玉ネギは、新プランター栽培で多収穫の大変効率の良い事が見事に実証できました。これならプランター栽培でも自給自足できます。
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