白寿を目指す抗衰老ライフへの誘い

慣れ親しんだ新容器野菜養液栽培に別れを告げ、新たに取組んだ老人の終末課題の経過発信を続けさせて頂きます。

― ポテトオニオン栽培 裏ワザ情報 ―

2014年07月01日 | 玉ネギ

日本では 「ポテトオニオン」と言う名前の小玉葱、何処にも見当たりません。栄養繁殖でしか育てる事が出来ない玉葱であり、恐らく日本にはその種となる球根が入って来なかったからでしょう。

その学名 “Allium cepa L. (Aggregatum group)” とあり、先のブログのシャロットの話の中でも一寸触れましたが、シャロットと同じグループに属する小玉葱であり、一個の種球根を植えると複数個の小玉葱に分球するユニークな玉葱品種であります。

 玉葱は分球する性質がもともとあるようで、抽苔して種子が作れなければ、子孫を残すには分球して栄養繁殖するしか無く 「ポテトオニオン」、正しくそれ其の物の分球型玉葱であります。

 

―分球するポテトオニオンのトップビューWeb Images Photoes

因みに、一般の玉葱でも、同じような条件で育てても、様々な要因(?)から、必ずと言っても良い程幾つかの複数個に分球する小さい玉葱が僅かですが発生します。

 一方、このポテトオニオン、滅多に種が出来ませんから、分球した小さな球根を植え付けて育てなくてはならないのですが、其の大きくて丈夫な種玉葱を植え付けると、沢山の小玉葱に必ず分球し、もし、小さくて弱い種玉葱ですと分球せず、大きな一個の玉葱しか育たない性質を持っていると言います。

 

―分球したポテトオニオンの塊りーWEB Images Photoes より

恐らく、大玉となる玉葱は、その小さくて弱い小球根の持つ分球しない形質を持つ種を選別して上手く残して固定したものであり、その種子繁殖では分球する遺伝形質が残って居て、様々な条件の下で、時には複数個に分球する個体が現れると言う事であり、ネギ属野菜の遺伝子には、本来分けつ、分球する性質があると言う事が容易に想像できます。

 

―ポテトオニオンの見事な塊りーWEB Images Photoes より

玉葱栽培で容易に分球が起これば、玉葱の大きさがまちまちとなって、商品としての価値は低下し、生産者の大きな損失に繋がります。

明治の日本農業の近代化の中で導入された玉葱、その種子選定の関心事は、当然分球の起こらない玉葱にあり、分球する玉葱品種等には初めから興味が無かったからこそ、今も尚、日本では分球玉葱は見掛けない理由かも知れません。

 しかし、昔の玉葱の多くが此のような分球するタイプであったのでは無いかと推測されます。その中での代表的な品種がシャロットであり、そして今、アメリカの家庭園芸の中で復活の脚光を浴びているのが、其の仲間と言われる 「ポテトオニオン」と言う事です。

商業栽培品種として作られて来た多くのF1玉葱種に対する反動もありますが、一度は消えたと言う?昔懐かしいオールドタイマーのポテトオニオン、今アメリカでエアールーム種としての価値(?)の復活が始まって居るようです。

 

―葉玉葱にもなる分けつしたポテトオニオンー

そんな事を知ってか知らずか日本には、面白い事に 「ペコロス」と称するプチオニオンが、西洋料理用?に売り出され、態々普通玉葱を密植して玉が肥大しないように栽培する特別な方法で、以前から作られています。

今亦、ポテトオニオンと同じ仲間のシャロットが知れ渡り、日本でも一部で栽培が始まっているとの話もあります。どんな品種なのか知りたくて、ネット上で探したのですが情報が見つかりません。

 

ーセット球栽培同様のベビーオニオン、ペコロスー

実は、アメリカの家庭菜園の野菜園芸ネットサイト “ Veggie Gardening Tips”の中に 「ポテトオニオン」が取り上げられ、園芸裏ワザ情報として載って居るのを見つけました。

 「ポテトオニオン」、どんな特徴を持つ玉葱なのか興味の湧く話であり、アメリカの固定種子保全交換団体、SSEの「オニオン フォーラム」のスレッドにも、良く登場して話題にも上がって居ます。

事と次第に依ってはシャロットと同様に、日本でも早々と家庭菜園で栽培が始まる事になるかも知れません。

それでは、 「ポテトオニオン」の栽培「裏ワザ情報」 その概要を拙訳ですが一寸紹介させて頂きます。

 

―サイトのカット写真よりー

―「ポテトオニオン」って何?と聞くなら、ポテトとは全く無関係です! 其のデンプン質の塊茎に遠くで繋がっているとか、ポテトとオニオンの間に何か奇妙な、遺伝的な交わりがあると言うような事でも全くありません。

「ポテトオニオン」 実際はポテトやオニオンと言うよりもシャロットにより共通している玉葱の一種であり、其の名前の由来のご質問はご遠慮してください!ー

 こんな書き出しで始まり、「何故?ポテトオニオンを育てるかと言うと、普通の玉葱より栽培が容易であり、風味豊かな結構な量の玉葱が、直ぐにも家庭菜園で収穫できるから」とあります。

亦、普通の玉葱のように一般に出廻らないから知れて居ないのであり、園芸栽培家に取っては、より一層好都合であり、ご家庭のグルメ料理に特徴あるユニークで微妙な旨みを提供する事のできる玉葱です。

其の上、普通の玉葱作りで必要となる、品種の選定、栽培土壌の適否、其の地域の気象条件等、考慮しなくてはならない問題が殆ど無いと言うのです。

 そして、ポテトオニオンの特性に就いては 「ポテトオニオンの外見と生長習性はシャロットやヤグラネギに大変良く似て居て、其の利点、ユニークな特性を纏めると次の通り‥‥」とあります。 

  ポテトオニオンは容易に育ち、秋期の植え付けが最適。菜園で冬を越し、温かい気候となる早春から、直ちに春芽が伸び出す。

  このような分球型玉葱は、1球となる玉葱よりも病虫害に強くて丈夫であり、3個から5個の玉が分球した塊りとなって、丁度シャロットの様に基部で繋がっている。

   各分球した塊りは様々サイズの集合体であり、食用や菜園への再植え付けに利用する。

   ポテトオニオンの用途は広く、成長した春の緑葉を収穫した春玉葱に利用できる一方、収穫期となっての玉は極度に堅く締まって居り、冬の間の自家料理用に使う数カ月、充分自宅貯蔵が可能である。

   玉自身がシャロットと比べると、ずっと大きいので料理の皮むきが容易であり、玉葱より辛味が無く甘味があって玉葱より好まれており、玉葱の代わりに使うと好みのレシピに一層の旨味を添える役目を果たす。

   ポテトオニオンは一度菜園に植えると、それ以後は絶えることなく収穫できる。再植え付けに使う種となる球根を維持するのに何も面倒な事は無い。やる事は唯、秋の再植え付け用に収穫時に最適な球根を除けて保管して置くだけ。

 ポテトオニオン栽培の挑戦上のアスペクト(側面課題):

「ポテトオニオンの収穫、後処理、保管の方法は、シャロットの栽培している時と同じやり方、同じ処理法。これでポテトオニオンが家庭菜園で育てるシャロットやニンニクと同様に、簡単で有る事がお分かり頂けるでしょう。

 此処で披露したようにポテトオニオンがそんなに良いものなら、何故今までそんな話、聞いた事が無かったのかと不思議に思うかも知れません。

何故、ポテトオニオンが余り人気が無かったか?確かではありませんが推測では多分、商業栽培圃場の環境下では、ポテトオニオン栽培は容易では無かったようです。それに、タネ球根の供給側にも商業栽培者の大量に必要とする種のニーズや要求に合う調達の難しさが有ったのではないかと思います。

 

-玉葱は中国とインドで世界生産の半分近くを占めるー

事実、ポテトオニオン栽培に挑戦する上での最大の課題は、多分、最初に植える球根を探す事に成るでしょう。ポテトオニオンを市場に出すサプライヤーは多くは居ないでしょうし、居たとして直ぐに売り切れるでしょう。夏の出荷、秋の植え付けの為に、タネ球根を忘れずに保存してください。

前に申したように幸いな事ですが、タネの入手は一回きりで有り、毎年種を再購入する必要は無いです。

もし、この容易に育てられるグルメな野菜を作る事に興味をお持ちでしたら、先ず、保存されているタネ球根を探し出す事ですし、そして、決して忘れてはならない事は最初の収穫から、一部を将来の植え付けの為に除けて置くことです。

 

―これ!ポテトオニオン?シャロット?区別は難しい!-

 以上ですが、このポテトオニオン、もしかしたら、既に日本に入って来て居て、密かに育ててほくそ笑んで居る方が居られるかも知れません。もし、居られたら、是非、タネ球根を分けて欲しいです。(アメリカでも、中々手に入らないようです)

 昨年、外房の菜園で、玉葱のセット球栽培に挑戦して見たのですが、其の時に、玉葱「ソニック」の分球した卵大の小玉葱を、試しに購入したセット球と並べて植え付けて見ました。その結果は、大きな双子球が出来て早くに抽苔しただけでした。

 

今年も6個に分球した早生タマネギのソニックに出た!―

又、面白い事にニンニクでは、植え付ける球根の良し悪しで、早くから株立ちが多く発生致します。球根の肥大しない不良株になるので、早くに引き抜いては捨てるしかありません。

 扨て、玉葱の分球する品種の“Allium cepa L. (Aggregatum group)”ですが、その中でしっかり評されて、日本にも登場するようになったのが「シャロット」であり、其の仲間であって、香味野菜としての旨味、辛味、甘味で玉葱を凌ぐ言うポテトオニオン、一般玉葱に、決して引けをとならい云うその評価が確かなら、いずれ何処かでお目に掛かれるでしょうし、これで亦、自家菜園での栽培の楽しみが、一つ増える事に成ります。

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